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劇団ハタチ族の366日毎日公演

2015年に「365日演劇」を達成した劇団ハタチ族(本拠地・島根県雲南市)。元日から大晦日まで、雲南市木次経済文化会館のロビーをメイン会場に、毎日市内のどこかで上演し、観客ゼロの場合はチャレンジ終了するという企画で、最終日は同会館の大ホールが超満員になった。全国ニュースで報じられたので、記憶している方も多いだろう。カムカムミニキーナ伝説の連続日替公演『鈴木の大地』(1997年、東京・シアターグリーン)を彷彿させるが、それもそのはず、古事記を舞台にした雲南市の市民劇に招聘された松村武氏が語った思い出に、劇団ハタチ族代表の西藤将人氏がインスパイアされた企画なのだ。1

うるう年の今年、劇団ハタチ族は「366日演劇」を掲げて年間連続公演に再挑戦している。新型コロナウイルスの影響でどうなっているのか。確認すると驚くべきことに、なんらかの形で公演は途切れることなく、現在まで毎日続いている。

劇団ハタチ族サイト「366日毎日公演 4月上演スケジュール」
劇団ハタチ族サイト「366日毎日公演 5月上演スケジュール」

今年は島根県全域を対象とした出張公演が基本で、公共施設、店舗、野外などあらゆる場所で上演が行なわれている。外出自粛要請が出てからは電話(音声通信含む)で演劇を届ける「テレフォンシアター」も採用し、少人数を対象にしたリアルな上演と共に継続されている。なお、島根県の休業要請はゴールデンウィーク中のパチンコ店と感染者が出たネットカフェだけで、それ以外は休業要請・営業短縮要請はされていない。イベントの自粛要請は元々ない。2

出張公演の様子が伝わるツイートをいくつか紹介する。

観客ゼロだとチャレンジが終了してしまうので、本当に綱渡りの日々だろう。出張公演がない日は「テレフォンシアター」だが、これは県外ともつながるので好評の様子。聴き手が描いたカウントダウンイラストがそれを物語っている。地元ケーブルテレビ局やコミュニティ放送局でも流されたほか、5月5日には山陰放送ラジオで実演された。

緊急事態宣言で日本中からリアルな公演がなくなってしまったかの印象を受けるが、人数を制限したものは劇団ハタチ族以外にも複数確認している(どの公演も20名以下)。地域や施設に応じた対策を講じながら、公演は継続されている。

劇団ハタチ族の366日毎日公演『血潮、途切れることなく』

5月30日~31日には、劇団ハタチ族に作品提供している樋口ミユ氏(Plant M)の野外音楽朗読劇『血潮、途切れることなく』を雲南市の法輪寺で上演する(各回定員10名)。雲南市で「演劇テーマパーク」とつくることが目標という彼らの活動を見守りたい。

  1. 劇団ハタチ族サイト「『あいにきた』 西藤将人の巻」参照。 []
  2. 島根県公式ホームページ「県の対応状況について」参照。 []