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「青テント」から「Bay Side コンテナ劇場」に会場変更となった第1回横浜フリンジフェスティバル(主催/演劇創造プロジェクト神奈川)(2007/9/22付ヘッドライン既報)は、11月4日に閉会式を行なった。この間、関東地方に接近した台風20号の強風で屋根シートが吹き飛ぶなど、ハプニングと闘いながらの運営だった。

長さ6mの貨物コンテナ12個を2段積みにした上にシートを張ったコンテナ劇場(キャパ約250名)を、台風20号が襲ったのは10月27日。東京の内陸部でも風速25メートル以上の突風が吹き、樹木が倒れるなどの被害があった。湾岸部のコンテナ劇場はそれ以上の風雨だったと思われる。このためマチネ上演の「FRINGE! 7days」(会期中の7日間開催)は会場を急遽ZAIM別館401(横浜・日本大通り)(2007/9/3付本欄既報)に変更、ソワレの演劇創造プロジェクト神奈川『家』(10/24~10/28)は上演中止となった。ZAIMはコンテナ劇場からやや距離があるため開演30分押しとし、観客の移動には主催者持ちでタクシーを手配したという。

28日はマチネ「FRINGE! 7days」をZAIM本館3Fシアターで、ソワレ『家』は修復が間に合わず、屋根がない状態での上演となった。寒さが心配されたが、事務局がブランケットを用意して対応した。ZAIMの2施設は、横浜演劇人未来シアターがコンテナ劇場最終演目『市電うどん』(11/2~11/4)稽古場にしていたものを転用した。

横浜市高等学校演劇連盟+横浜ふね劇場をつくる会+ルームルーデンス『トゥーランドット』(10/30~10/31)も屋根がない状態での上演になった。新たに手配したシートで修理が終わったのが11月1日。『市電うどん』には間に合った。

この間の事務局側対応は公式ブログで読めるほか、横浜演劇人未来シアター公式ブログの『市電うどん』稽古場日記では、事務局を兼ねる大西一郎プロデューサーが顛末を詳細に綴っている。27日当日は全身ずぶ濡れになりながら会場変更を決断。なんとか観客を移動させて「FRINGE! 7days」を決行。その間にコンテナ劇場の屋根が飛んだという。

現場に戻ると、文字通り、屋根はすっかりなくなり、劇場のステージは崩壊し、劇場中が水浸しであった。台風の風がものすごい。また数秒で全身ずぶぬれになる。
合羽などなんの役にもたたない。
天井のなくなった劇場内を強い風が、渦のように舞っていた。
一箇所がきっかけで、全てが壊れたようだ。ダムの決壊と同じだ。
受付部分も崩壊。自然の力を思い知る。

今回のコンテナ劇場は、青テントを断念した際に大西氏が入浴中に着想したもの。倉庫会社を経営する大西氏らしいアイデアだが、結果的に港町・横浜にふさわしい選択となった。『市電うどん』稽古場日記は、大西氏の情熱ほとばしる文章があふれ、ネット上の稽古場日記としては稀に見る読み応えだ。稽古場日記のあるべき姿として参考になるだろう。

コンテナ劇場の構造(コンテナ+パレット)がよくわかる写真(「丸尾聡の死ぬまで日記 復活編」より)
http://blog-imgs-13-origin.fc2.com/m/a/r/maruosatoshi/20071006023840.jpg

横浜演劇人未来シアター公式ブログ「稽古場日記」(キーワード「プロデューサー日記」で検索)
※古い順に読むこと。
http://mirai-engekijin.com/diarypro/diary.cgi?mode=search&cond=and&word=%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%BC%E6%97%A5%E8%A8%98

第1回横浜フリンジフェスティバル公式ブログ「Fes.Diary」
http://blog.livedoor.jp/pro_kana/