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第1回横浜フリンジフェスティバル(主催/演劇創造プロジェクト神奈川)(2007/9/1付ケーススタディ既報)の主会場として、横浜赤レンガ倉庫近くのみなとみらい21地区8街区に10月6日から1か月間設営されるはずだった「青テント」が、コンテナで周囲を構造する「Bay Side コンテナ劇場」に変更となり、場所も海寄りの6街区に移動することが9月21日発表された。

青テント予定地とBay Side コンテナ劇場

青テント予定地とBay Side コンテナ劇場(同事務局転載許可済)

変更の発端は、一連の耐震強度偽装問題で改正建築基準法等が6月20日に施行され、膜構造建築物、テント倉庫建築物についても構造計算概要書の提出が義務づけられたこと。横浜市建築審査課の指導が強化され、構造計算の難しさなどで時間切れになった。事務局ではフェス共催の横浜市開港150周年・創造都市事業本部、横浜市芸術文化振興財団とも協議し、建築物ではない構造物のコンテナを使用することで開催にこぎつけたという。場所については地盤と外観の関係で6街区となった。

タイムリミットが迫る中、事務局では他施設での分散開催なども検討したが、結果的により夜景が美しい場所となった。直前の変更となったため、チラシ等は青テントのままだが、事務局では誘導員や看板を配置するなどして万全を期し、なんとかピンチをチャンスに変えたいとしている。

同フェス公式ブログによると、テント中止が決定したのは9月13日。この報にフェス副実行委員長の丸尾聡氏(世の中と演劇するオフィスプロジェクトM)は、「俺は小劇場出身でやってきたんだ。動じない。できるだけよい形で開催してみせる」と語り、事務局の奔走が始まったという。参加者の流山児祥氏(流山児★事務所)も「俺たちはどこでもやる」と協力を約束した。

事務局の労苦は察するに余りあるが、ぜひこの危機を乗り越えていただきたい。同様の問題は全国のテント公演でも懸念され、野外公演を行なうカンパニーは要注意である。

演劇創造プロジェクト神奈川サイト
http://prokana.com/

公式ブログFes.Diary「Bay Side コンテナ劇場」
http://blog.livedoor.jp/pro_kana/archives/274993.html