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寺山修司没後25周年を記念し、11月24日に松山市で行なわれた市街劇『人力飛行機ソロモン松山篇』が話題を呼んでいる。

同公演は松山市、NPO法人シアターネットワークえひめ、NPO法人カコア(クオリティ・アンド・コミュニケーション・オブ・アーツ)から成るまつやま市街劇実行委員会が主催。演劇実験室◎万有引力(本拠地・東京都新宿区)と月蝕歌劇団(本拠地・東京都世田谷区)の劇団員、公募による市民の合計約100名が参加。12時~18時に市内約40か所で同時多発的に上演した。同作品の再演は1998年の青森以来。

新聞各紙の報道によると、当日は11時~13時に松山市役所前でチケット購入者に上演場所を記した地図を配布。正岡子規の紙製お面が参加証となる。ただし、市街劇なのでその場に出くわした市民は無料で目撃することになる。道後温泉本館や繁華街の大街道・銀天街も使われ、松山市営球場跡地でのフィナーレは雨となり、音響も不調だったが、ほとんどの観客が最後まで立ち会ったという。

松山での開催は、2009年秋から3年間に渡って放送されるNHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」に際し、主要舞台の松山を全国発信するための「まつやまEPOXプログラム」の一環として企画された。

朝日新聞大阪本社版12月8日付夕刊で今村修記者は、警察の目を縫ってゲリラ上演された70年代と異なり、行政とタイアップした観光イベントは当時の「挑発力」を失い、テキストが若い観客にどこまで伝わったかを疑問視しているが、それでも「劇を劇場から連れだし、日常感覚を混乱させるこの実験に改めて光を当て、それを市民が積極的に楽しんだことは、大きな成果だろう」としている。

詳細は松山市ホームページ参照。

毎日jp「カメラ探訪:松山の街まるごと舞台に 寺山修司原作劇を上演/愛媛」
http://mainichi.jp/area/ehime/news/20081204ddlk38070743000c.html

NHK松山放送局ホームページ/スペシャルドラマ「坂の上の雲」
http://www.nhk.or.jp/matsuyama/sakanoue/