この記事は2001年3月に掲載されたものです。
状況が変わったり、リンク先が変わっている可能性があります。
チケットの種類
演劇界に限らず、興行の世界ではチケットのことを一般的に票券(ひょうけん)、チケット管理業務のことを票券管理と呼ぶ。
チケットの性格から分けると、前売券、当日券、当日精算券、招待券などがある。当日精算券は「精算を観劇当日にする」という意味で、チケット代金の支払いを観劇当日に出来るチケットである。この場合の料金は当日料金ではなく前売料金が適用されるので、観客の立場からすると便利なチケットだと言える。全席自由の場合、当日精算券は割引クーポン的な性格でばらまかれることも多い。当日精算券そのものではなく、前売券の券面に当日精算印を押して当日精算扱いする場合もある。いずれも略して当精(とうせい)と呼ばれる。
販売方法から分けると、カンパニーが直接販売する劇団扱いとプレイガイド委託に大別される。劇団扱いのうち、所属メンバーが自ら友人知人に販売するものを手売りと呼ぶ。手売りはカンパニーの創生期では重要な収入源だが、あまりに手売りのみに頼っていると客席が身内だらけになってしまう。いかに手売りの割合を減らしていくかが、カンパニー成長の大きなポイントではないだろうか。
票券管理の観点から分けると、主催者(カンパニー)が手元に置いて、劇団扱いや当日券・招待券に使うチケットを原券(げんけん)と呼ぶ。原券はカンパニーの個性を活かしたオリジナルチケットにする場合と、プレイガイドに原券印刷を委託する場合がある。オリジナルチケットは観客に喜ばれるが、データ印刷に神経を遣うのとコストの問題から、無難なプレイガイド製にするカンパニーが増えている。チケットをプレイガイド等の販売先に分配することが配券、逆にチケットが戻ってくることを返券という。販売期間終了後に残券があった場合の返券を最終返券、劇団扱いが売れすぎたなどの理由で、プレイガイドに一度配券したチケットを戻してもらうことを途中返券という。プレイガイドが売れすぎて配券を追加するのは追券(ついけん)である。追券はプレイガイドにとっても名誉であるため、非常に歓迎される。主催者(カンパニー)が予備の原券を持っている場合は、返券をわざわざプレイガイドで印刷してもらわなくてもよい。このときは返券を数字の報告(FAX)だけにしてもらう。全席指定などで返券も実際のチケットでもらいたい場合は、「最終返券を実券(じっけん)で」とプレイガイドに依頼しておく。