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漂流画祭

2008年4月に急逝した福岡を代表するレビュアー、マヤ北島(本名・北島直樹)氏(享年43歳)を偲ぶイベント「漂流画祭」が、8月1日に大博多ホール(福岡・祇園)で開催される。

発起人は九州演劇界を代表する大塚ムネト(劇団ギンギラ太陽’s主宰)、池田美樹(劇団きらら代表)、田坂哲郎(非・売れ線系ビーナス主宰)の3氏で、地元カンパニーが多数出演する。北島氏がいかに慕われていたかがわかる。

北島氏は1997年~07年に演劇フリーペーパー『演劇海 漂流画報』を自主発行(通巻79号)、折り込みチラシなどで配布した。手書きでイラスト満載、ウィットの利いた内容は評判を呼び、バックナンバーが紀伊國屋書店博多座店に置かれたり、原画をカンパニー側が欲しがるほどだったという。小劇場中心に福岡在住ではめずらしい年間100本以上の観劇を行ない、近年は毎日新聞西部本社版で劇評を掲載していたほか、演劇関係の寄稿も多かった。

イベントでは北島氏をモチーフにした短編上演、漂流画報パネル展、終演後はロビーで観客参加の交流会も開かれる。

北島氏の功績については地元メディアもたびたび伝えており、特に西日本新聞3月30日付朝刊は長文の評伝を掲載(取材・内門博記者)。「他地域の人にこの喪失感を伝えようとすると、週刊誌などで好評だったナンシー関さん(2002年死去)のテレビ番組批評を読めない喪失感に似ている」とした。ネット発信をせずに手書き・折り込みにこだわり、独自のスタイルを貫いた北島氏の批評精神は、今後も受け継がれるとしている。

『演劇海 漂流画報』については、いち早く追悼特集を組んだ地元劇評誌『NTR』の柴山麻妃編集長ら有志が冊子化を進めている。

詳細は特設サイト参照。