この記事は2009年7月に掲載されたものです。
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仙台・トライポッドが劇評アーカイブサイト「古山芳枝の仕事」公開
三角フラスコ(本拠地・仙台市)制作部が独立したトライポッドが、1999年から仙台圏で発行されてきた劇評フリーペーパー「ものはためし通信」(通巻56号)「劇場だより」(現在16号)のアーカイブを作成し、2009年3月からサイト「古山芳枝の仕事」で公開している。
同紙は仙台在住の劇評家・古山芳枝氏が個人発行し、09年5月までに121本の劇評を掲載してきたが、発行部数150部と限られている。トライポッドではこれらを大きな財産ととらえ、公共施設など限定された場所でしか入手出来ない状況から、仙台の演劇環境に必要な「社会に向けた窓」として、ウェブでのアーカイブを企画した。サイト製作統括はトライポッドの森忠治プロデューサー、コーディネーターを俳優の真田鰯氏が務めている。実際の入力作業は真田氏やボランティアが担当、現在45本が登録済みで、逐次追加されている。財団法人仙台市市民文化事業団が助成。
この動きを河北新報6月26日付夕刊1面が大きく伝えた。記事では森氏が「質の高い劇評を長年書き続け、公にしている人は仙台でほかにいない」と語っている。古山氏本人は当初ウェブ化に乗り気でなかったようだが、現在は「仙台にいい劇団があると分かってくれる人や劇評を書く人が増えてくれればいい」とコメントしている。記事は河北新報コルネットで全文読める。
河北新報コルネット「演劇界の『目』共有財産に 劇評10年分ウェブ公開」
http://www.kahoku.co.jp/news/2009/06/20090626t15046.htm
仙台圏では、01年まで演劇情報ポータル「演劇仙台」に劇評掲示板があったが終了。04年?05年には芸術評論ブログ「anode」が開設されたが、期間限定で終了している。「古山芳枝の仕事」は10年間に及ぶ継続的な劇評のアーカイブとして、注目を集めている。