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年金福祉施設の合理化計画に伴い、存続の岐路に立たされている大ホール併設の厚生年金会館7か所のうち、愛知厚生年金会館(名古屋・池下、キャパ1,666名)の取り壊しが必至となっている。

朝日新聞名古屋本社版9月9日付夕刊によると、同会館は独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構による一般競争入札で、積水ハウスと長谷工コーポレーションが落札。9月5日に売買契約が結ばれた。両社は跡地に高層マンションを建設する意向。すでに同会館は10月末の営業終了を発表している。

新聞各紙の報道によると、名古屋市は同規模の愛知県芸術劇場(2,500名)、中京大学文化市民会館(旧・名古屋市民会館、2,291名)、名古屋市公会堂(1,994名)などがあるため関心が低かったが、愛知県勤労会館(名古屋・鶴舞公園、1,488名)の2010年閉館が決定して危機感が増したという。

名古屋市はホール機能を存続して使用料を現状と同程度を維持した場合、ホール部分の固定資産税(約3,000万円/年)を5年間免除することを決定。ホール存続の署名も17万人以上に達している(2007/10/20付本欄既報)。ただし施設の買い取りには否定的で、自治体による買い取りの方針を固めた札幌市や北九州市に比べ、名古屋市の消極的な姿勢を指摘する声がある。

名古屋市では以前から大ホール不足による興行の「名古屋飛ばし」が指摘されており、ファンのあいだではホール不足に拍車がかかることが懸念されている。

CHUNICHI Web「名古屋・千種の厚生年金会館取り壊し マンション建設へ」
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008090902000056.html