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Producers meet Producers 2006 地域の制作者のための創造啓発ツアー

●分割掲載です。初めての方は概要から順にご覧ください。



【セッション8】矢作勝義氏(世田谷パブリックシアター制作部)

(まとめ:川村睦)

矢作氏より、ご自身の紹介をお願いします。(5分)

《盛岡の現状から》 (5分)
盛岡では、劇場と劇団とが密接に繋がっております。(例えば、相手を電話でつかまえるより、劇場に行った方がつかまる、など、劇場に行けば劇団関係者とは遭遇可能なのです)劇団同士も劇団の枠を超えた繋がりを持って舞台作りに取り組んでおり、その輪と劇場との協働の事業を推進する機会も増えております。
劇団単位でも、お客様・劇団員・協力者・理解者、様々な人を集める努力をしていますが、その上で劇団という単位を越えたところで、演劇をどう街に・人に浸透させて行くかを劇場とともに日々模索しています。
また、盛岡ではここ数年、そうした協働作業の取りまとめ団体(盛岡演劇協会・八時の芝居小屋制作委員会・もりげき演劇アカデミー事業検討委員会・など)役員の世代交代が進んでいます。
これまで、盛岡で演劇の道を切り開いてきた諸先輩方がその席を退き、後進である我々にエールを送って下さったのです。(もちろんその方々は今でも最前線で精力的に舞台を作っておられます)
これまで中間層だった我々が盛岡の演劇活動を担ってゆく形になりました。
そして、これまでの道は守りつつ、我々の新しい道を作ろうと模索し、新たな中間層の育成に力を注いでいます。そこで、盛岡の現状を踏まえながら、現在私たちが関心を抱いていることを中心にお聞きしたいと思っています。

《質問事項?興味のあること?》

  • 区立である世田谷パブリックシアターが、世田谷の地域や、地域の劇団をどう捉え、どう繋がり関わって行っているのか。その上で、劇場の事業にどう繋がって行っているのか。(10分)
    • 区内の劇団数について(うち、劇場と密に関わっている劇団数)
    • 横のつながりから発展した事業はあるのか 等
  • 国際的な事業を始めとした、劇場の多岐にわたる事業の中で、演劇と人とを繋げるワークショップはどの様に始まり、現在どのように取り組んでいるのか。(10分)
  • 受講者を集めるワークショップについて(ア・デイ・イン・ザ・シアター)
    1. 講師の選定はどうしているのか(基準・選定方法・依頼方法・等)
      • 講師の選定は、そのカンパニーの方向性や質が非常に問われる所だとおもうのですが、それをどのような方法で進めているのかに興味があります。
      • 講師選定の際、地域の劇団とは協力があるのか 等
    2. 受講者の開拓 広報(興味をもってもらうには?)
      • 盛岡ではなかなか新しい参加者が増えない状況にあります。どのような広報が人を呼ぶのか、実践を通したお話を伺えたら、と思います。
    3. 受講者との関わり方
      • 受講者の内容・経験・目的、等
        どのような経歴の方が参加されているのか
      • ワークショップ後の受け皿は用意されているのか 
        参加後、継続的に演劇とかかわりたいと希望される方の為の受け皿は用意されているのでしょうか
        劇団の紹介はあるのか 等

    ワークショップを行うことで、何らかの形で演劇に関わる(舞台を観たり、作ったり、興味を持ったり)裾野が広がる。(他にも沢山の形はありますが)
    それをどう作り出し、そしてどう育てて行くのか。その一つの形としてのワークショップが地域の演劇をどう広げて行くのか。

  • 全員による質疑応答(10分)

取材後のリポート



【セッション9】高野しのぶ氏(現代演劇ウォッチャー/ライター)

(まとめ:森忠治)

■出発点
高野氏は現在の東京地域で最も「観劇」を楽しむ一人であり、
そのジャンルを超えたウオッチングに着目。

地域の制作者にとって特殊な状況下と言える、
東京地域の演劇状況を
楽しみながら観測し続ける氏の行動を分析。

そこから見えてくる現在の東京地域の姿に、
それぞれの地域事情を踏まえた上で率直な質問を
参加者側からしていくことで、
共通する「有効な情報」を引き出す。

■ねらい
「観劇」とはどのような行為か。
情報を手に入れ、チケットを購入し、
家や職場を出て劇場に向かう。客席におさまり作品と向き合う。

その一連の行動から発生する心の動きを、
「作品」と「観客」をつなぐ役目にある制作者が、
観客の視点でイメージすることで、
「観劇しやすい」「観たい」と思わせる状況を作り出す為の
具体的な方法を見つけだす。

「観劇」を楽しむ方法を知る高野氏へのインタビューにより、
「演劇をもっと身近な存在にする」、
「気軽に見にきてほしい」という言葉を、
本当に実現させるための具体的な戦略をつかむべく、
「観劇」という行為の本質をもう一度良く考える。

■構成 (インタビュー形式で進行)

  • ゲストから[15分]
    高野氏が現在感じる、東京地域の演劇地図。
  • 質疑応答 [35分]
    質疑応答(1)

    1. 心に残るチラシ、チケット、広報手段。「劇場」で感じた嬉しい体験、又、残念な体験。快適な「劇場」とは。
    2. 高野氏が継続的に注目する「集団」や「企画」。それが持つ具体的な要素。
    3. 「観劇する」「劇場に行く」という行為の純粋な動機。
    4. 「レビューサイト」「メルマガ」というツールで作品と観客をつなぎたくなる決め手。
    5. 「俳優養成」に興味を持ったキッカケと、その先に見える可能性。
    6. 地域劇団の東京公演を観劇しようと思う決め手、そしてアドヴァイス。

    質疑応答(2)
    質疑応答(1)の流れを前提に展開。
    PmP2006が「制作者が制作者を取材する場」であることを考慮。
    楽しみながら観劇を続け、それを周囲に還元していく高野氏を
    「作品と観客を繋ぐ存在」≒「プロデューサー」として捉え
    参加者がそれぞれの地域性を踏まえた質問をすることで、
    共通する、もしくは異なる目線を発見していく。

取材後のリポート



【セッション10】伊藤達哉氏(阿佐ヶ谷スパイダース制作代表)

(まとめ:金沢章子)

伊藤氏に関しては、

イーオシバイドットコム「お仕事拝見 第6・7回制作:伊藤達哉さん」
http://www.e-oshibai.com/oshigoto/06.html

でうかがうことができ、それも参考にしながら組み立てていきますと、

  1. 伊藤氏と阿佐ヶ谷スパイダースの紹介
    「意外なユニットで話題を呼ぶプロデュース形式の公演スタイル」で展開する阿佐ヶ谷スパイダース「制作部の基本理念」は「長塚の作品世界をなるべく多くの人に観てもらうことと、長塚の表現の実現可能性をできるだけ高めていきたいということ」と述べておられ、制作の思いの根底にある熱意が伝わってきます。皆様、勿論ご承知のことと思いますが、今更ながら、何を強くウリたいのかということは再確認していきたいところです。
  2. 地方展開していった過程とその際のポイント(伊藤氏から)
    滋賀での経験から広島公演に踏み切った経緯はやはり知りたいとこで、マスメディアとの関係はタームポイントであったと思われますが、それ以前に上記の基本理念のもと 「そのために今後も動員を増やしていきたいですし、積極的に地方公演を展開していくつもりでいます」との言になぞって、具体的に「なにからはじめればよいのか」を探っていきたいと思います。
  3. これからの展望
    これからも「地方公演を展開していく」との意思に添って、他地域公演へのツアーも見込んだ予算立てや気をつけるポイントなど、東京→地方公演を展開する阿佐ヶ谷スパイダースを例に、地方→東京もしくは地方→地方公演、要は、自分のテリトリー外へのアプローチの方法を模索できればと考えています。
  4. 質疑応答

取材後のリポート



【セッション11】市川絵美氏(ザ・スズナリ主任)

(まとめ:小森望美)

  1. 自己紹介(5分程度)
    小劇場の主任としての業務内容、興味を持っているプロジェクト等について、自己紹介とあわせて伺います。
  2. 劇場としてのカタチ
    (1) 貸し小屋としてのザ・スズナリのあり方。
    貸し小屋としての存在意義、民間劇場としての利点、問題点、劇場の魅力について伺う。
    (2) コンカリーニョの目指す劇場。
    貸し小屋としての機能だけでなく、NPO法人としての機能も有した劇場。地域との関わりや、劇団・アーティストへのサポート、ボランティアの受け入れ、自主企画なども行う劇場づくり。
    (3) (1)(2)の劇場のあり方から、求められている劇場の方向性を考える。
    また、各地域の劇団と劇場の関係性は、どういったものなのか。劇団が劇場に求めていることとは?
  3. まちと劇場の関係
    (1) 下北沢に劇場が出来た理由。現在の下北沢に至る経緯。
    住宅地や商店街に劇場が存在することで起こる問題・トラブルとは。
    (2) 劇場自体の魅力
    芝居をやる場所「劇場」としての魅力やその他の劇場の魅力とは。
    劇場についているファンへの思い。
    (3) 再開発の波
    コンカリーニョは、民間事業組合による都市再開発により閉鎖。趣のある札幌軟石(石造り)の劇場を取り壊すこととなってしまいました。そこから、同じ場所に劇場を再建しようという活動を経て、復活にいたりました。
    くしくもスズナリは、差し迫っているわけではないが、以前のコンカリーニョと似た様な状況にあります。
    古い劇場・地域にとって、老朽化・再開発という波はいつの日かは直面する問題です。この波にどのように向かっていくのか。同じような状況にある地域は存在しているのか?
  4. 劇場の将来像・まとめ

市川さんは、主任になって2年目ということですが、ザ・スズナリを愛していらっしゃいました。好きじゃないと出来ない仕事ですね……・。

取材の形として、インタビューして答えて、最後に質疑応答…という流れにしようと考えていました。が、市川さんご自身が逆に私たち参加者に聞きたいこともあるという事で、ディスカッション形式で進行していこうと思います。

取材後のリポート



【セッション12】笹部博司氏(メジャーリーグ)

(まとめ:太田美穂)

  • 地域演劇でスターを作るために必要な事(15分)
    「現代演劇のフィールドワーク」に記述されてある笹部さんのコメントで「演劇の人間は、テレビで売れた俳優をキャスティングしてなんとか興行を成り立たせている。それでは演劇は主導権を握れない、演劇の側からスターを作り出せないと」という事を仰っています。その地域で、地域演劇の状況を一変させるようなスターを作るために、私たちプロデューサーに出来る事はどういった事があるでしょうか。
  • 「りゅーとぴあ」での事業展開(15分)
    「りゅーとぴあ」での活動についてお聞きします。笹部さんは東京でプロデューサーとして活躍してらっしゃいますが、10年程前から新潟市民芸術文化会館、「りゅーとぴあ」で演劇部門芸術監督を務めていらっしゃいます。引き受けた当初、劇場を新潟市民に知ってもらうため一般の観客層を狙わず、コアな観客層を狙ったのは何故でしょうか?
    また、新潟の地域性を生かした戦略とはどのようなものでしょうか?

    (予備)
    現在「りゅーとぴあ」では演劇スタジオ『アプリコット』の講師であり、企画・脚本・演出をされておりますがその目的や狙いはどのようなものでしょうか?

  • 参加者からの質疑応答(時間あれば)
  • 躓いた事、ステップアップした事(残り5分で)
    プロデューサーを続けていく中で、やめたいと思ったことや、挫折した事はありますか。
    また、その経験がステップアップに繋がったというような事があれば聞かせていただきたいです。

取材後のリポート


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