Pocket

NPO法人ダンスボックス「サーカストレイン」

比較的容易に貸切出来るローカル線や路面電車を用いた公演が全国で盛んだが、都市間を結ぶ大手私鉄の貸切列車を使った約90分の大型イベント「サーカストレイン」が、大阪―京都間で11月14日に行なわれる。

2008年10月に開業した京阪電車中之島線なにわ橋駅地下1階コンコースに設けられたコミュニティスペース「アートエリアB1」(運営/大阪大学+NPO法人ダンスボックス+京阪電気鉄道)が、京阪電車開業100周年を記念して開催中の「鉄道芸術祭 vol.0」の一環で行なわれるもので、ダンスボックスが主催。中之島駅14時07分発、三条駅15時35分着の88分走行する貸切列車を使用する。

ダンスボックスはこれまでも複数の車内上演を成功させている。09年4月5日には、神戸ビエンナーレ2009半年前プレイベントとして、神戸市営地下鉄海岸線三宮・花時計前駅―新長田駅の貸切列車で、約15分の「ダンス列車が走る! IN 地下鉄海岸線~ダンス・ダンス・ダンス~」をプロデュース。下車後は地元の大正筋商店街などで路上パフォーマンスを展開した。

「中之島コミュニケーションカフェ」プロジェクトチーム「走る!踊る!五月のダンストレイン」

09年5月10日には、京阪電車枚方市駅―なにわ橋駅の貸切列車で「走る!踊る!五月のダンストレイン」というダンスと美術の複合イベントを企画制作。5両連結で定員230名を募集、約25分走行して5組のコンテンポラリーダンスを上演後、アートエリアB1へ移動して参加者がイメージをスケッチした。

京阪電車使用は2回目となるが、今回は走行距離を大幅に伸ばして純粋なパフォーマンスのみとし、京阪電車本線をほぼ走り切る。観客の敷居を低くするには、こちらのほうが妥当だろう。前回同様、鉄道ファンの注目も集めそうだ。

内容にも注目したい。こうしたイベントは、ともすればアーティストごとにバラバラな印象になりがちだが、今回はウォーリー木下氏(sunday主宰、THE ORIGINAL TEMPO主宰)が構成・総合演出を務め、俳優、ダンサー、人形劇団、ミュージシャンから成る多彩な顔ぶれで、ストーリー性のある内容にするという。sunday、KIKIKIKIKIKI、いいむろなおきマイムカンパニー、人形劇団クラルテなどのほか、11月7日で解散を発表している男肉 du Soleilも参加する。ノンバーバルパフォーマンスにおける関西の第一人者と言える木下氏の起用で、画期的な「電車演劇」が誕生するかも知れない。

料金は大人2,000円、子供(小学生以下)500円。中之島駅―三条駅の乗車料金400円を含むので、実際の観覧料はそれぞれ1,600円と300円になる計算だ。定員は180名。前回チケットはアートエリアB1ロゴの入った切符が兼ねていたが、下車時の自動改札で回収された。今回は記念に持ち帰れる措置が必要だろう。11月11日にはアートエリアB1で公開リハーサル&トークイベントも開催される。

詳細はNPO DANCE BOXサイト参照。

アートエリアB1サイト「鉄道芸術祭 vol.0」
http://www.artarea-b1.jp/event/pickup1010.html

神戸ビエンナーレ2011 事務局通信「ダンス列車が走る!/半年前プレイベント」
http://kobebiennale.blog.eonet.jp/default/2009/04/post-371c.html

NPO DANCE BOXサイト「走る!踊る!五月のダンストレイン」
http://www.db-dancebox.org/11_sp/09_train_n/