この記事は2010年12月に掲載されたものです。
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ヘッドライン2010年12月12日
■動静
政府税制調査会は、NPO法人への寄付控除を拡大する「市民公益税制」を平成23年度税制改正大綱に盛り込むことを12月1日決定。認定NPO法人でなくても、年3,000円以上寄付する人が年平均100人以上なら50%控除。1月からの通常国会で成立すれば、11年1月に遡って適用。寄付拡大やマッチンググラント促進が期待される。
東京新聞TOKYO Web
「NPO寄付は控除拡大 政府税調、大綱盛り込み」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/
news/CK2010120202000037.html
劇団幻実劇場(本拠地・大阪市)主宰の岳原遊氏が、膵臓がんのため11月23日逝去。55歳だった。経営するライブハウス「RAIN DOGS」(大阪・梅田)は演劇公演も行なわれる場所だったが、12月31日で閉店を発表。
毎日jp「訃報:岳原遊さん 55歳=劇作家・演出家/大阪」
http://mainichi.jp/area/osaka/news/20101125ddlk27060335000c.html
毎日jp「劇場:さらば夢舞台 レインドッグス、今月末閉店――大阪・梅田」
http://mainichi.jp/kansai/news/20101209ddf041040006000c.html
芸団協が進める「もっと文化を!」キャンペーンの署名が12月2日時点で60万筆を超え、同日に国会請願行動を実施。請願署名は通常国会に提出され、衆参両院の文教委員会採択を経て本会議検討議題となる。署名の最終受付は1月7日。
47NEWS「文化予算の増額訴え演奏会 国会内で芸術家ら」
http://www.47news.jp/CN/201012/CN2010120201000846.html
一般社団法人日本劇作家協会は、「東京都青少年の健全な育成に関する条例の再改定案に反対するアピール」を12月6日付で発表。日本シナリオ作家協会、日本脚本家連盟、日本劇団協議会も賛同。
日本経済新聞東京本社12月6日付朝刊が「回顧2010」演劇を掲載(内田洋一編集委員)。作品ではNODA・MAP『ザ・キャラクター』、世田谷パブリックシアター現代能楽集『愛の鼓動』(作/川村毅、演出/倉持裕)を特筆。tpt『おそるべき親たち』は女優陣が圧巻、男優では木場勝己氏が年間を通じて充実とした。井上ひさし氏、つかこうへい氏らへの追悼も。
総務省の「ワイヤレスブロードバンド実現のための周波数検討ワーキンググループ」は、放送事業者と特定ラジオマイク利用者連盟(ワイヤレスマイク等)が共同利用する770~806MHzを、15年から移動体通信事業者(携帯電話会社等)に割り当てる方針を11月25日決定。朝日新聞東京本社版11月30日付朝刊によると、ワイヤレスマイクは他の周波数帯へ移行する必要があり、全国で約2万本の更新費用は移動体通信事業者が負担してデジタル化する方針だが、現在より切れやすくなることが予想され、これまで培われたノウハウが失われるなど、舞台関係者から懸念の声が出ているという。
asahi.com「周波数再編、劇場困った マイク使えない? TV中継にも影響」
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201011300134.html
精華小劇場(大阪・難波)は所有者の大阪市教育委員会が11年度の使用を承認せず、11年3月末で閉館。12月8日の同劇場活用実行委員会で大阪市が報告。後日、精華演劇祭実行委員会が会見予定。
毎日jp「劇場:さらば夢舞台 精華小劇場、来年3月末閉館――大阪・難波」
http://mainichi.jp/kansai/news/20101209ddf041040007000c.html
■イベント
札幌で中堅カンパニーのロングラン挑戦が続いている。弦巻楽団『音楽になってくれないか』が11月18日~28日にシアターZOOで11日間12ステージ(休演日1日)上演したのに続き、yhs『ムダの時間』が3月12日~21日にレッドベリースタジオで10日間上演。
日本劇作家協会東海支部プロデュース「劇王VIII」が、2月5日~6日に長久手町文化の家風のホール(愛知県長久手町)で開催。札幌市の教文演劇フェスティバル2010「教文短編演劇祭」優勝で出場権を得た(2010/6/14付本欄既報)イレブン☆ナインの納谷真大氏は新作で挑戦。
鳥の劇場(鳥取市鹿野町)がスタッフワーク及び6名までの宿泊・交通費も提供する「鳥取の鳥の劇場で12日間じっくり作品をみがいて、鳥取の観客に作品をみせたい劇団を募集します。」は、全国から22カンパニーが応募。鳥公園(東京)、岡崎藝術座(東京)に決定した。公演は3月5日~6日。
■助成金
財団法人地域創造は、宝くじ原資削減問題の影響で「地域の文化・芸術活動支援事業」募集を12月になっても開始出来ず。平成23年度支援事業等についての連絡は、「早くても12月下旬以降になる」としている。
■劇場・稽古場
北海道四季劇場(札幌・中央バス札幌ターミナル横)が1月8日オープン。12月1日にマスコミ向け内覧会が開催された。
金沢市が設置する金沢歌劇座の大規模改修が終了し、12月1日にリニューアルオープン。
北國新聞ホームページ「舞台広々、空間1.2倍に 1日改修オープンの金沢歌劇座」
http://www.hokkoku.co.jp/subpage/H20101127105.htm
1931年開場の嘉穂劇場(福岡県飯塚市)が、80周年記念特別展示を2月6日~3月17日開催。03年の水害(2003/10/2付本欄既報)で資料を失ったため、当時の資料提供を呼び掛けている。
asahi.com「嘉穂劇場の80年みんなで残そう」
http://mytown.asahi.com/fukuoka/news.php?k_id=41000001012030002
佐賀県唐津市の中心部に唐津市民交流プラザ(仮称)が11年10月オープン。演劇可能な多目的ホールを備える。
西日本新聞「再開発ビル 6日着工 唐津市中心部の大手口」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/213833
■賞
第16回劇作家協会新人戯曲賞(主催/日本劇作家協会)の公開審査会が12月12日に開かれ、平塚直隆氏(オイスターズ、本拠地・名古屋市)『トラックメロウ』(同上演台本)、鹿目由紀氏(劇団あおきりみかん、本拠地・名古屋市)『ここまでがユートピア』(同上演台本)が同時受賞。賞金各50万円。
若手演出家コンクール2010(主催/日本演出者協会)の2次審査結果発表。鹿目由紀(劇団あおきりみかん、愛知)、平塚直隆(オイスターズ、愛知)、金哲義(May、奈良)、錫村聡(手作り工房錫村、東京)の4氏が優秀賞(賞金10万円)となり、最終上演審査へ。
「さっぽろアートステージ2010」舞台芸術部門「札幌劇場祭 Theater Go Round 2010」の公開審査会・表彰式が12月5日開催。エントリーした30団体から、大賞にTPS『クリスマス・キャロル』(賞金20万円+次回参加権)、作品賞に座・れら『空の記憶』、脚本賞に弦巻楽団『音楽になってくれないか』、新人賞に第4回さっぽろ学生演劇祭参加作品『ハイパーリアル』。今回から審査を公開。
第2回世田谷区芸術アワード“飛翔”《舞台芸術》部門は、応募15団体から世田谷シルク。創作支援金50万円(うち30万円は受賞記念公演創作用に11年度支給)。12年1月の「シアタートラム ネクスト・ジェネレーションvol.4」で受賞記念公演。
第17回OMS戯曲賞(主催/大阪ガス)の最終選考会・公開選評会が12月7日開かれ、はしぐちしん氏(コンブリ団、本拠地・京都市)『ムイカ』(同上演台本)が大賞(賞金30万円)、山崎彬氏(悪い芝居、本拠地・京都市)『嘘ツキ、号泣』(同上演台本)が佳作(同10万円)。
■サービス
ドワンゴが「ニコニコ動画」による自社作品以外の舞台配信開始へ。11年4月~5月の公演作品について、主催者と交渉開始するという。日経流通新聞12月6日付が伝えた。
Nextは、11年2月分折込代行から「主催者セレクト方式」「抽選方式」を導入すると12月10日発表。2月分「主催者セレクト方式」は葛河思潮社(長塚圭史氏の新プロジェクト)、NODA・MAP。
iPhone・iPad向けチラシ閲覧ソフト「TOKYO演劇チラシピックアップ」が10月14日リリース。月初に当月分データをバージョンアップ。個人による提供で無料。