この記事は2010年5月に掲載されたものです。
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ヘッドライン2010年5月20日
■動静
新国立劇場『夢の泪』(5/6~5/23、小劇場)で、5月12日二幕途中で照明がほとんど消えるトラブル。約20分間中断して再開するも再発、公演中止案内がある中、観客から「残っている照明でいいからやってほしい」の声が上がり、大拍手で続行。⇒Google検索結果「夢の泪 照明 中断」
文部科学大臣及び文化庁長官の諮問機関である文化審議会の文化政策部会は、舞台芸術ワーキンググループを4月13日~26日に開催。劇場法(仮称)の本格的検討、支援制度の抜本的な見直し、日本版アーツカウンシル(仮称)などの導入を求め、5月12日の文化政策部会に報告した。
日本劇作家協会責任編集の戯曲専門誌『せりふの時代』(小学館)が、7月1日発売の夏号で休刊。シアターガイドが5月18日伝えた。
シアターガイド/演劇ニュース「戯曲雑誌『せりふの時代』が休刊へ」
http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2010/05/18_05.php
■イベント
東京芸術見本市(TPAM)が11年2月に名称を「舞台芸術ミーティング in 横浜」(仮称)に変えて横浜開催すると、「坂あがりスカラシップ」募集案内に書かれている。
ロボット演劇と言えば平田オリザ氏の大阪大学での取り組みが知られているが、劇団十夢(とむ)(本拠地・千葉県船橋市)が遠隔操作型ロボットとの共演を果たした(4/29、横浜・ハウスクエアホール)。株式会社ロボットメディア(千葉県習志野市)が5年前から構想を練って作・演出、地元のカンパニーに上演依頼したという。
asahi.com「本物の家庭ロボも出演 近未来の夫婦描くコメディ上演へ」
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY201004240381.html
精華小劇場(大阪・難波)「精華演劇祭」が5周年を迎えてリニューアル。暫定使用期間10年の折り返しとなるため、いったん演劇祭を「breakup(解散)」し、3年スパンで企画してきた内容を単年度ごとにする。開催回数も年2回とし、「2010 SPRING/SUMMER」シーズンは5月28日~8月29日に開催。10カンパニーが参加する。今後は1カンパニーが1回しか参加出来ないようにするという。日本経済新聞大阪本社版5月12日付朝刊で同演劇祭実行委員長の小堀純氏は、「劇場がいつ売却されるか分からない環境にある。いま与えられた時間の中で集中して企画を立て、現代演劇の多様性と可能性を示す」とコメント。
7月19日~10月31日に香川・岡山の7島と高松市で開催される「瀬戸内国際芸術祭2010」メインイベントに、維新派『台湾の、灰色の牛が背のびをしたとき』(7/20~8/1、犬島精錬所跡野外特設劇場)。
高知演劇ネットワーク演会と高知県立美術館が主催する「演劇祭KOCHI」が、5月12日~7月19日に開催。今年で10回目。
■助成金
EU・ジャパンフェスト日本委員会が、鳥の劇場(本拠地・鳥取市)に対するマッチンググラントを10年度も継続。サポーターからの寄付(1口5,000円)に対し、同委員会が1,000円上乗せ。09年度から開始した。目標1,000口で10年度は客席イス(約500万円)を購入したいとしている。
■劇場・稽古場
劇団四季は、11年1月に「北海道四季劇場」を札幌駅前にオープンすることを5月17日発表。全国で10番目の専用劇場となる。
王子小劇場(東京・王子)は、支援会員アンケートで1位になった団体に翌年度の招聘公演(劇場費1週間無料)を依頼する。10年度はPRIFIX、国分寺大人倶楽部が同数1位となり、国分寺大人倶楽部に決定(PRIFIXは辞退)。
王子小劇場(東京・王子)が公式ブログで恒例の収支発表。09年度は320万円の赤字だった。08年度は250万円の赤字、07年度は200数十万円の赤字、06年度は370万円の赤字。
公設民営の稽古場施設・急な坂スタジオ(横浜・野毛山)のディレクターが、4月1日に相馬千秋氏から加藤弓奈氏に交代。レジデントアーティストは仲田恭子氏(空間アート協会ひかり)、中野成樹氏(中野成樹+フランケンズ)が“卒業”、柴幸男氏(ままごと、青年団演出部)を迎える。
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(浦安市)が、予定していた大阪中央郵便局跡地再開発ビル(大阪・梅田)内劇場の運営受託白紙撤回を5月18日発表。日本郵政とJR西日本によるビル開業が目標の12年から大幅に遅れる見込みとなったため。
鳥の劇場(鳥取市)が09年度の活動報告書を4月26日発表。読売新聞大阪本社版5月18日付朝刊(鳥取版)によると、劇場動員は3,482名で08年度(2,044名)から170%増。収入は約6,000万円で、内訳は助成金・補助金約2,700万円、「鳥の演劇祭」開催委託料等約2,200万円、入場料約520万円、寄付金445万円(890口)。毎日新聞大阪本社版5月11日付朝刊(鳥取版)によると、劇団員の人件費を抑えて厳しい財政運営が続いているという。
毎日jp「鳥の劇場:観客、前年度の1.5倍に 7月に日中韓『白雪姫』/鳥取」
http://www02.mai.vip.ogk.yahoo.co.jp/area/tottori/archive/news/
2010/05/11/20100511ddlk31200601000c.html
■サービス
日経産業新聞とYahoo!リサーチが4月23日~24日に20歳以上のネット利用者対象に行なった調査(有効回答1,000名、男女比半々)によると、映画館で演劇等のライブ映像を上映する「シネマ観劇」を観たことがある人は11%で、観た人は「とても満足」「やや満足」が計約84%と高評価。一方、未体験の人は見たいと「思わない」「わからない」が計65.3%で、魅力の発信が課題。今後のサービスについては3D上映を49.1%が望んでいる。日経産業新聞5月3日付が伝えた。
東京芸術劇場(東京・池袋)が、野田秀樹芸術監督の意向により高校生割引を開始。NODA・MAP『ザ・キャラクター』(6/20~8/8、中ホール)のうち、夏休み期間中の10ステージでS席9,500円を1,000円にする。これまでも高校生招待や25歳以下割引を試行してきた。今回は100席以上を確保している。
YOMIURI ONLINE「高校生、先着順で千円…野田秀樹さん新作劇」
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20100513-OYT1T00683.htm
英国のロイヤル・シェイクスピア・カンパニー (RSC) が、4月11日~5月13日にかけてTwitter上で現代版『ロミオとジュリエット』を“上演”。俳優6名が登場人物としてアカウント登録、Twitterの仕組みを活かしながら物語を進行させた。英国情報サイト「tnfuk」が詳しく伝えている。