Pocket

AI・HALL(兵庫県伊丹市)自主事業の高嶺格パフォーマンス公演(9/2~9/3)において、高嶺氏がチラシ折込廃止を問題提起した件(2006/8/2付本欄既報)で、同劇場が7月14日に行なったスタッフミーティングの模様を8月17日に公式サイトで公開した。

ミーティングには高嶺氏、同劇場の大西可久館長、志賀玲子プロデュサー、山口英樹主任以下事業担当者全員が参加。2時間に渡って討論した。

関西では劇場間のバーター折り込み制度が普及しており、それが現状を変えられない制約になっていることが全体からうかがえる。HEP HALL(大阪・梅田)がチラシ折り込みを廃止した際(2005/3/11付本欄既報)も、追随する動きは全くなかったという。しかしながら、チラシをなんとかしたいという思いの制作者は少なくなく、今回の問題提起も注目されているという。

ミーティングではチラシ自体の存在意義が再確認される一方、印刷コストの低下でチラシに対する価値観が大きく変化していることも指摘され、同じ観客が同じチラシを何回も手に取る行為自体の是非が検討されている。余ったチラシ束をバラして再利用するかも議論になっている(東京ではそのまま事業所系ゴミで出すことも多い)。

代替案としては置きチラシのみ、情報誌、チラシの製本化などが話題に上り、まずは不要チラシを回収するところから始めたいとしている。

チラシ折り込みについては、首都圏でも制作者間で様々な意見交換がされている。そもそも日本でチラシが普及したのは、貸館の新作中心で主催者が独自に作品紹介する必要性が高いためだが、果たして現在のチラシがその機能を備えているかという疑問がある。チラシは素材であり、それを折り込む場こそがメディアとの考え方も広がり、折り込み有料化につながる可能性もある。関西だけで話し合うのではなく、首都圏とも連携しながらこの問題に取り組むことを呼び掛けたい。

詳細は同サイト参照。