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HEP HALL(大阪・梅田)は、4月から公演時のチラシ折り込みを廃止することを3月8日発表した。

チラシ量が増大して折込作業が困難になっていること、複合商業ビル「HEP FIVE」8階に入る同劇場ロビーを常時開放して来店者への認知を高めたいことに加え、劇場側は折り込みに替わる情報伝達方法の開発に取り組みたいことを最大の理由にしている。今後は置きチラシやポスター掲示などを充実させていくという。

関西では劇場との提携公演・協力公演が一般化し、バーターによる折り込みで、劇場によっては公演数が多い東京よりもチラシ束が厚いという現象が起きている。旅公演を支援する目的で始まった提携公演が地元にも広まり、チラシ折り込みにカンパニーが充分な要員を派遣しなくなり、近年は「関西方式」の一斉折り込みの限界を指摘する声も上がっていた。

現状への問題提起を行なったHEP HALLの英断を高く評価すると共に、提携公演そのものについても関西の劇場・カンパニーが再考する時期に来ていると思われる。旧近鉄アート館のように、その劇場で公演すること自体が提携公演で、その代わりに割引料金でロングランを推奨するような考え方にシフトすべきだろう。今回の廃止を機に、制作者の論議が高まることを期待する。