この記事は2011年9月に掲載されたものです。
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2011年9月のヘッドライン
■動静
平田オリザ氏が、青年団サイトに9月5日掲載した「主宰からの定期便」で、野田政権誕生に伴い内閣官房参与を退任したことを発表。鳩山政権下の09年10月15日に就任、文化政策等の情報発信について助言してきた。
小劇場を多数手掛ける舞台美術家の礒沼陽子氏が、多臓器不全のため9月20日逝去。42歳の若さだった。代表作にtpt『令嬢ジュリー』、Bunkamura『三人姉妹』(演出/岩松了)、新国立劇場『INTO THE WOODS』。第27回伊藤熹朔賞、第12回読売演劇大賞最優秀スタッフ賞など多数受賞。
YOMIURI ONLINE「礒沼陽子さん=舞台美術家」
http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20110921-OYT1T00184.htm
文化庁「劇場・音楽堂等の制度的な在り方に関する検討会」第8回が9月16日開催。18自治体へのヒアリング結果を公表。劇場法(仮称)については、「具体的な事項を法律で規定されると不安が大きくなる」「地方公共団体等にとってどれだけメリットがあるか否か」「法令上の根拠がなくても支障はない」と慎重な意見が目立つ。
北海道演劇財団とNPO法人コンカリーニョが中心となり、公共性のある民間劇場の活動を公的に支える先駆的な演劇創造システムを札幌市に提言する「演劇による創造都市札幌実現プロジェクト」がスタート。100人のプロフェッショナルな演劇人が活躍する街を目指す。具体的計画として、夏冬に「札幌演劇シーズン」を開催。当初は各1か月、将来的には各3ヶ月計6か月のレパートリー公演を行ない、演劇を街に定着させる。「2012冬」は12年1月28日~2月25日に劇団イナダ組が生活支援型文化施設カンカリーニョ(札幌・琴似)、劇団TPSがシアターZOO(札幌・中島公園)で交互に切れ目なく上演する。北海道新聞8月26日付朝刊によると、運営費約600万円は北海道演劇財団とNPO法人コンカリーニョが負担。公共ホール中心の文化政策に一石を投じる注目の企画。
台風15号の影響でF/T11主催作品の野外劇(豊洲公園西側横野外特設会場)、フォルクスビューネ『無防備映画都市―ルール地方三部作・第二部』が9月21日~22日を中止。急遽9月23日~24日の18:00開演終了後に21:30開演を追加。終演は23:00予定。
中国籍姉妹に在留資格を与えるため偽装結婚したとして、警視庁組織犯罪対策1課は電磁的公正証書原本不実記録・同供用容疑で、イキウメ(本拠地・東京都目黒区)の俳優・窪田道聡氏を含む4名を9月9日までに逮捕。主宰の前川知大氏と制作の中島隆裕氏が勾留中の窪田氏と面談。新作(東京11/10~11/27=青山円形劇場、大阪12/2~12/4=ABCホール)の公演準備を再スタートすると9月19日発表。
MSN産経ニュース
「俳優業の男、中国人の女と偽装結婚 男女4人逮捕『報酬は家賃の足しにした』」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110909/crm11090912100008-n1.htm
■イベント
教文演劇フェスティバル2011「教文短編演劇祭」(8/26~8/28、札幌・札幌市教育文化会館小ホール)は、イレブン☆ナイン(本拠地・札幌市)が2連覇。シード参加の劇団あおきりみかん(本拠地・名古屋市)を退ける。
「仙台の演劇人を支援する関西公演」が9月~10月に3劇場で。ウイングフィールド(大阪・心斎橋)の福本年雄代表が呼び掛け、ピッコロシアター(兵庫県尼崎市)、AI・HALL(兵庫県伊丹市)が賛同。ピッコロシアター中ホールでは、9月23日~24日にSENDAI座☆プロジェクト(本拠地・仙台市)が劇場と共同主催公演。ウイングフィールドでは、10月15日~18日に三角フラスコ(本拠地・仙台市)がA級MissingLink(本拠地・大阪市)と震災をテーマにした新作2本立て。AI・HALLでは、10月20日~23日に仙台出身の笠井友仁氏が演出を務めるエイチエムピー・シアターカンパニー(本拠地・大阪市)。様々な形態で仙台演劇人に上演機会提供。それぞれ仙台公演あり。
Yahoo!ニュース(産経新聞)
「心開く演劇のチカラ 被災地の劇団 関西公演」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110825-00000132-san-ent
■助成金
日本芸術文化振興会が、公募していた日本版アーツカウンシルの舞踊・音楽分野プログラムオフィサー採用者を9月1日発表。舞踊は予定の3名を下回る2名。
日本版アーツカウンシルの本格的導入に向け、文化審議会文化政策部会が「文化芸術への助成に係る新たな仕組みの在り方に関するワーキンググループ」を9月20日設置。9月29日に第1回会合。
愛知県対象の公益信託キャンドル演劇奨励基金平成23年度助成作品は、パペットシアターゆめみトランク、劇団名芸、劇団アルクシアターに決定。各30万円。
■劇場・稽古場
門仲天井ホール(東京・門前仲町)が12年9月末で閉館を検討。興行場法上の劇場でないこと、運営する全日本建設交運一般労働組合の財政難などが理由。黒崎八重子支配人は存続を希望、「門仲天井ホールの今後を考える会」が活動中。9月4日の組合定期大会で営業終了が議決されたが、12年10月以降の運営方針は12年2月に結論持ち越し。同劇場は1989年オープン、演劇にも使われる。
YOMIURI ONLINE「門仲天井ホール 来年閉館を検討」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20110831-OYT8T00111.htm
08年まで劇団大阪新撰組を主宰していた当麻英始氏が、船場サザンシアター(大阪・長堀橋)を10月11日オープン。キャパ25名だが、リクライニング可能なソファを導入するほか、平日の開演時間を20時半に設定し、短めの作品を上演していく。柿落としは同劇場による自主企画、SSTプロデュース。日本経済新聞大阪本社版9月21日付夕刊によると、当麻氏は「仕事帰りに気軽に寄れる劇場にしたかった」とコメントしている。
[googlemap lat=”34.675809″ lng=”135.505493″ align=”undefined” width=”300px” height=”150px” zoom=”15″ type=”G_NORMAL_MAP”]大阪府大阪市中央区南船場2丁目4−19[/googlemap]
演劇人も複数参加する福岡市拠点文化施設専門委員会が、老朽化した福岡市民会館(福岡・天神)の再整備で一致。大+中+小ホール×3+稽古場を設ける「福岡市拠点文化施設への提言」を9月16日提出。
YOMIURI ONLINE「福岡市民会館、専門委が大中小ホール設置を提言」
http://kyushu.yomiuri.co.jp/local/fukuoka/20110831-OYS1T00224.htm
福岡市が香椎副都心に移転する新・東市民センターの概要発表(2010年9月19日付本欄既報)。キャパ800名のホール、音楽・演劇練習場を持ち、16年度上期オープン予定。西日本新聞9月14日付夕刊が伝えた。
■賞
若手演出家コンクール2011の1次審査結果発表。全国から15名通過。
第17回劇作家協会新人戯曲賞の1次選考通過作品22本発表。最終候補作発表は11月、公開審査会は12月11日に座・高円寺(東京・高円寺)で。
8月9日~25日に開催された利賀演劇人コンクール2011は、優秀演劇人賞(演出)に山口浩章氏(このしたやみ、本拠地・京都市)、優秀演劇人賞(俳優)に牛水里美(黒色綺譚カナリア派、本拠地・東京都)、チェ・へミ(蔡恵美)(演劇集団ア・ラ・プラス、本拠地・東京都)の2氏。賞金は山口氏と牛水氏が100万円、チェ氏が50万円。
第11回AAF戯曲賞(主催/愛知県文化振興事業団)ノミネート5作品が9月14日発表。公開審査会は10月16日に愛知県芸術劇場小ホール(名古屋・栄)で。候補作はPDFで読める。
■サービス
コンビニ払い・クレジットカード決済機能を持つチケットレス票券管理システム「PeaTiX」(2011年8月付本欄既報)に、整理番号付与機能を持つプレミアムサービス「PeaTiX Plus」が9月15日追加。カスタムデザイン、カスタムURLも可能に。11年開催のイベントは同サービス無料(12年から有料予定)。
Orinocoサイト/NEWS「イベント主催者・幹事必須のソーシャルチケットサービス『PeaTiX』の機能を大幅強化したプレミアムサービス『PeaTiX PLUS』を提供開始」
http://www.orinoco.jp/2011/09/peatix-release5.html
9月16日~10月2日に鳥の劇場(鳥取市鹿野町)を主会場に開催されている鳥の演劇祭4(主催/鳥の劇場運営委員会)が、地域通貨「TORI」を初導入。1TORI=1円で、5,500TORI券を5,000円で発売。観劇以外の地元商店も利用可能で、全額使われると鳥の劇場の持ち出しになるが、地域への演劇祭効果の可視化のため、実施に踏み切ったという。