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HEADLINES

■動静

財団法人地域創造サイトに11月22日掲載の「被災地域の公立文化施設からのメッセージ」で、岩手県・大船渡市民文化会館リアスホール企画運営員の中村仁彦氏が、「ホール再開以降、無料で行った公演は、通常ではあり得ない程の市民のレスポンス・集客があります」「このまま無料公演が続いてしまうと、無料でないと集客が難しい地域になってしまいそうです。もともと経済基盤が小さい当市において、これは大変厳しい事で、元からある文化芸術団体の活動などにも影響が出そうです」と、復興支援の無料公演が続くことへの懸念を表明。「その支援が果たして将来どの様な影響を及ぼすのか?」を検討する必要があると指摘。

10月31日に開催された文化庁「劇場・音楽堂等の制度的な在り方に関する検討会」(第9回)で、中間まとめ(素案)公表。これに対し衛紀生氏(可児市文化創造センター館長兼劇場総監督)が、文化振興のみを目的とした「生煮え」の内容で、持論である社会包摂的機能を押し出すべきと11月5日発表。

文化庁は、「劇場・音楽堂等の制度的な在り方に関する検討会」による「劇場,音楽堂等の制度的な在り方に関する中間まとめ(案)」に対するパブリックコメント募集を11月15日開始。12月6日必着。

柿喰う客『検察官』(11/12~11/28、東京・こまばアゴラ劇場)で、コロ氏と右手愛美氏がプレビュー前日に降板。カンパニー側は公式サイトで「劇団内の事情により俳優の意見を尊重した結果」、コロ氏は個人ブログで「体調の問題ではありません。自身の信条に大きく関わるという事だけお伝え致します」と発表。キャスト変更によるキャンセル・払い戻しも受け付ける。

関西を本拠地とする水の会が、次回公演(11/25~11/27、大阪・ウイングフィールド)で最終公演。同カンパニーは2000年に関西学院大学劇研究部爆劇☆団出身者が旗揚げ。AI・HALL(兵庫県伊丹市)の「アイホール演劇ファクトリー」卒業生で結成され、同劇場との3年連続共同製作事業「還る鮭たち企画」などで注目されたが、08年に作・演出の奥野将彰氏が退団。以後は役者集団として活動を続けてきた。

■イベント

第三舞台『深呼吸する惑星』

第三舞台解散公演『深呼吸する惑星』が、12月28日~31日に異例の横浜公演追加。神奈川芸術劇場ホール(横浜・山下町、キャパ1,300名)×4ステの収容力で、チケットが入手出来ない観客への救済措置と思われる。鴻上尚史氏は「チケットがどうしても足らない」とツイート。

■劇場・稽古場

神楽坂die pratze(東京・神楽坂)が、12年7月末に閉館することを11月2日発表。同劇場は1994年オープン。公式サイトの11月4日付告知によると、マンション建設のため十数年に渡って交渉を続け、老朽化も加わって立ち退きを決定したという。「劇場としてでなくても、なんらかの形で”die pratze”を残し、続けて行く意向です」とのツイートも。

東京都港区がJR田町駅東口北地区に計画していた公共公益施設3棟のうち、文化芸術ホール棟を一旦中止することを11月9日発表。東日本大震災に伴う防災施策の最優先、優先施策の順位付けに伴う措置。演劇ホール(キャパ610名)、音楽ホール(同600~645名)、練習場6室、タタキ場などを11年5月着工、13年度中完成の予定だった。スポーツセンターや総合支所などが入る2棟はそのまま12年度着工する。

新宿シアター・ミラクル(東京・新宿)が、観客が足を運びやすくなる環境整備を目的とした「ウルトラ提携公演」新設。次の条件を満たす公演は劇場費59,000円/日に値下げ。初日割引・平日マチネ割引の実施、ソワレ19時半開演、22時半完全退出(延長料金不要)、上演時間2時間以内、最低6日間程度の連続利用。

NPO法人FPAP(福岡市)が、24時間使用可能な稽古場を1か月単位で貸し出すことを11月15日発表。ぽんプラザホール(福岡・キャナルシティ博多横)付近に位置し、間口5間×奥行2.5間のアクティングエリアを確保出来る。使用料は予算やチケット料金によって応相談。九州で活動するカンパニー優先。

■賞

政府が秋の褒章受章者を11月2日発表。紫綬褒章で演劇界から大竹しのぶ、松本雄吉(維新派主宰)、舞踊界から天児牛大(山海塾主宰)の各氏が選ばれた。

MSN産経ニュース「紫綬褒章の松本雄吉氏 野外に巨大劇場、『維新派』海外に知らしめる」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/111102/ent11110214010013-n1.htm

「F/T11」公募プログラムから選ばれる第1回F/Tアワードに、捩子ぴじん『モチベーション代行』。11月9日発表。

第18回OMS戯曲賞候補8作品が発表。授賞式・公開選評会は12月6日にドーンセンター1Fパフォーマンススペース(大阪・天満橋)で。今回から大賞は賞金30万円に加え、受賞翌年度の3月末までに再演する場合は再演支援金50万円助成。さらに最終候補作家を対象に、毎日放送ラジオドラマシリーズ「イストワール histoire」(大阪ガス提供)への書き下ろしを依頼。同シリーズでは、3月19日に90分枠で第16回OMS戯曲賞大賞『山の声~ある登山者の追想~』(作/大竹野正典)がラジオドラマ化された。

■サービス

新たな演劇情報ポータルサイト「演劇NAVI」が11月1日プレオープン。新設されたカルチュアナビゲーションズ株式会社が運営。料金でグルーピングされた本日の公演、全国網羅型の月間スケジュール、過去公演アルバムを備えたカンパニー別データなどで構成され、本格公開する12月からチケット割引情報なども掲載するという。

不正発券への対応でクレジットカード決済+セブンイレブン発券の組み合わせを停止していたASP票券管理システム「Gettii」(2011年10月付本欄既報)は、11月4日にサービス全面再開を発表。11月22日に発表された調査報告では、一部サーバが不正プログラムに感染し、海外から不正アクセスされた形跡があるが、不正発券との関連性やデータ流出はないとした。10月4日に発覚した不正発券の情報流出経路については、まだ説明がない。