この記事は2017年11月に掲載されたものです。
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劇場等演出空間運用基準協議会「劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドライン」が5年4か月ぶりに大幅改訂、ページ数が2.4倍になって安全衛生管理をわかりやすく明示。文字どおり「公演に携わるすべての人々」が共有すべき内容に
関連団体が立場を超えて創設した劇場等演出空間運用基準協議会(基準協)による「劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドライン ver.3――公演に携わるすべての人々に」が2017年11月1日に発行された、12年7月に発行されたver.2以来、5年4か月ぶりの大幅改訂となる。
劇場等演出空間運用基準協議会(基準協)「『劇場等演出空間の運用および安全に関するガイドラインver.3』刊行」
今回の改訂では、ver.2での公演制作の過程に沿った説明に加え、「安全作業のための共通注意事項」23項目を冒頭に挙げて強調。危機管理についても項目を増やし、地震に加えて火事や急病人が発生した場合のフローチャートも追加している。
ともすれば、舞台の安全面は技術スタッフが中心と思われがちだが、本ガイドラインでは「対象を専門技術者と制作者、劇場等の設置者または運営者に想定し、より『安全』に重点を置いたものとする方向性で見直し」がされている。今回の改訂では、非常に見やすいレイアウトで、企画構想段階から制作者がやるべきことが具体的に示され、こう明言されている。
制作者は、この企画段階において、芸術的な側面や収益性の検討を進める中で、制作現場の安全衛生を損ないかねない日程案や、予算計画を想定してはならない。
こうした内容の充実に加え、全編が直感的に伝わるレイアウトとなり、ページ数は64ページから154ページと2.4倍になった。
本ガイドラインは冊子でも販売されているが(税込1,620円)、普及のために全文がPDFでダウンロード可能。制作者はもちろん、サブタイトルにあるように「公演に携わるすべての人々」が共有すべき内容である。