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HEADLINES

■動静

10年度の文化勲章を政府が10月26日発表、演出家・蜷川幸雄氏(75歳)が文化勲章、歌舞伎俳優の市川猿之助氏(70歳)が文化功労者に選ばれた。演劇の演出家への文化勲章は初めて。

asahi.com
「文化勲章、蜷川幸雄氏ら=ノーベル賞の鈴木、根岸氏も―功労者は王貞治氏ら」
http://www.asahi.com/national/jiji/JJT201010260057.html
YOMIURI ONLINE「蜷川演出 舞台は埼玉  文化勲章受章」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/saitama/news/20101026-OYT8T01242.htm

劇団薔薇座を主宰した声優の野沢那智氏が、肺がんのため10月30日逝去。72歳だった。

47NEWS「俳優の野沢那智さん死去 アラン・ドロン吹き替えで人気」
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010103001000567.html

文部科学大臣及び文化庁長官の諮問機関である文化審議会総会に、文化政策部会が6月7日報告した「審議経過報告」。これに対し7月23日締切で募集されたパブリックコメントの主要意見概要が、10月20日開催の文化政策部会(第12回)で配布された。

劇団Ugly duckling(本拠地・大阪市)は、次回本公演(伊丹12/16~12/19=AI・HALL、東京1/7~1/9=駅前劇場、福岡1/29~1/30=ぽんプラザ)が最終公演になることを10月12日発表。大阪信愛女学院高校演劇部OGにより1995年旗揚げ、関西を代表する女性実力派カンパニーだった。

劇団☆新感線『鋼鉄番長』(東京10/4~11/7=サンシャイン劇場、大阪11/16~12/5=イオン化粧品シアターBRAVA!、福岡12/13~12/17=嘉穂劇場)は、主演・橋本じゅん氏の腰部脊柱管狭窄症のため10月20日~29日を休演。代役に三宅弘城氏(ナイロン100℃)を起用して30日から再開された。池田成志氏も右アキレス腱断裂のため降板。これに伴い、東京公演は払い戻し・主演交替によるキャンセルを受け付ける。公演中止となった回の観客のため、10月30日~11月7日は1幕開演中のみグッズ購入の入場を認める。大阪・福岡公演については橋本氏での上演を目指しているが、詳細は11月14日夜に発表される。新感線サイトはアクセスが集中しているため、臨時サイトとして経緯を伝えている。

笑の内閣(本拠地・京都市)『非実在少女のるてちゃん』上演拒否問題(2010/10/20付本欄既報)を、東京新聞10月20日付朝刊が掲載。カンパニーと劇場(記事でも実名は伏せられた)のコメントを紹介しているが、劇場は「事前に内容で断ることは意味がない。うちのような小劇場に都から指導が入ることもない」と平行線。⇒Tumblr「chili_dog」掲載の画像

大阪で動員2,000名以上を集めていたコメディユニット磯川家が、東京都新宿区へ移転。7月にシアターグリーンBOX in BOX THEATER、8月に新宿サニーサイドシアター、9月にシアターグリーンBIG TREE THEATERと3か月連続公演を行なった。大阪ではほかに中堅カンパニーの東京移転も噂されている。

■イベント

横浜SAAC(横浜舞台芸術活動活性化実行委員会)「再演支援プロジェクト」2010年度作品に、年年有魚(本拠地・東京都)『未来永劫』が決定。11年3月9日~13日に相鉄本多劇場(横浜駅前)で上演。

京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2010」フリンジ企画「HAPPLAY」

プロジェクトKUTO-10『黄昏の犬たち~ぼちぼちいこか外伝~』

京都国際舞台芸術祭「KYOTO EXPERIMENT 2010」のフリンジ企画「HAPPLAY」が、10月26日~11月21日にアトリエ劇研(京都・下鴨)で開催。ブラックボックスの劇場内を会期中はピンク色に塗る。変更・現状復帰の作業はネット中継

工藤俊作プロデュース「プロジェクトKUTO-10」(本拠地・大阪市)が、劇団太陽族(本拠地・大阪市)で1991年に初演した『ぼちぼちいこか』外伝となる新作『黄昏の犬たち』(12/2~12/5、大阪・in→dependent theatre 2nd)を上演。作・演出を岩崎正裕氏(劇団太陽族主宰)が務め、03年に太陽族を退団した工藤氏との本格的共同作業になる。

川上音二郎・貞奴物語制作実行委員会『川上音二郎・貞奴物語』

ギンギラ太陽’s(本拠地・福岡市)主宰の大塚ムネト氏が共同脚本・演出を手掛け、初の博多座(福岡・川端)登場となる『川上音二郎・貞奴物語』の概要発表。博多座12月の「市民檜舞台の月」の場で、川上音二郎100回忌記念公演として12月12日上演。出演者は200名以上に及ぶ。原案・共同脚本を務める漫画家・長谷川法世氏の画萬堂、ギンギラ太陽’s、アクティブハカタによる制作実行委員会が主催。

劇団四季は5月で休止していた福岡公演(2010/5/12付本欄既報)を、11年4月に再開することを10月25日発表。キャナルシティ劇場(旧・福岡シティ劇場)で『ウィキッド』を8月まで上演。主催は劇団四季と西日本新聞社。

■助成金

企業メセナ協議会助成認定制度の申請締切が、11年1月より年6回から年4回ヘ変更。次回12月20日締切を逃すと、飛んで11年4月20日締切となる。締切~実施までの必要期間も2か月から3か月に。

■劇場・稽古場

新歌舞伎座(第5期歌舞伎座、東京・東銀座)の起工式が10月28日に行なわれた。2013年春オープン予定。

銀座経済新聞「勘三郎さんら約120人が集まり、新歌舞伎座起工式―2013年春竣工へ」
http://ginza.keizai.biz/headline/1283/

COREDO室町(東京・三越前)4~6Fに日本橋三井ホールが10月30日オープン。柿落としは松本幸四郎・市川染五郎親子による歌舞伎舞踊など。ロールバック使用時キャパ654名の多目的ホール。

毎日jp「コレド室町:開業記念に松本幸四郎さんらが公演 東京」
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20101030k0000e040035000c.html

広島のカンパニーの稽古場に使われている広島市女性教育センター(愛称:WEプラザ、広島・鷹野橋)が、改修・耐震工事のため11年4月1日より当分休館となる。12月4日に広島市が「閉館期間中の他施設の利用方法についての説明会」を開く。グループ登録すると無料で、10年8月現在で黄金山アタック、CANTINA、少年口伝隊一九四五、天辺塔などが登録。「おっちーの演劇日記」によると、「ものすごい数の稽古場難民が出る」としている。広島市青少年センターも、隣接する旧広島市民球場の跡地利用によっては閉館の可能性があるという。

■賞

第16回ニッセイ・バックステージ賞(主催/ニッセイ文化振興財団)が10月25日発表。川述文男(九州演劇鑑賞団体連絡会議)、及川貢(日本オペラ振興会評議員)の2氏。賞金100万円と終身年金50万円/年。

王子小劇場(東京・王子)の佐藤佐吉演劇祭2010各賞が、10月25日の後夜祭で発表。

ラビット番長『ギンノキヲク』

第22回池袋演劇祭(主催/豊島区舞台芸術振興会)大賞に、ラビット番長(本拠地・東京都調布市)『ギンノキヲク』(賞金30万円)。テノヒラサイズ(本拠地・大阪市)『テノヒラサイズの人生大車輪』が優秀賞(賞金15万円)。50カンパニーが参加、公募審査員による採点。

第16回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作発表。公開審査会は12月12日に座・高円寺2(東京・高円寺)で。最終候補6作品は、肥田知浩『どどめジャム』(京都)、秋之桜子『猿』(神奈川)、咲恵水『朔日に紅く咲く』(東京)、滝本祥生『春の遭難者』(東京)、平塚直隆『トラックメロウ』(愛知)、鹿目由紀『ここまでがユートピア』(愛知)。

第10回AAF戯曲賞(主催/愛知県文化振興事業団)ノミネート6作品が10月21日発表。公開審査会は11月9日に愛知県芸術劇場小ホール(名古屋・栄)で。候補作はPDFで読める。劇作家協会新人戯曲賞最終候補の肥田、平塚、鹿目氏がこちらでもノミネート。

■サービス

ローソンチケットが、11月1日から興行によってLoppi直接購入・電話予約にも店頭発券手数料105円/枚(税込)を導入。電話予約の場合は手数料210円/枚(税込)とのダブル課金。チケットぴあ店頭購入・電話予約では手数料不要のため、利用者のローソンチケット離れが予想される。

居酒屋「正宗屋」(大阪・阪急東通商店街)が、マスターの健康上の理由により9月末で閉店。扇町ミュージアムスクエア帰りに演劇人がこよなく愛した店だった。最後の夜の模様を、ブログ「三線弾きはカジマヤーで魂を売る?」が伝えている。