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in→dependent theatreグループ「INDEPENDENT:2ndSeasonSelection」

in→dependent theatreグループ(大阪・日本橋)が2001年から毎年11月に開催している一人芝居フェスティバル「INDEPENDENT」。同フェスは5年ごとにベストセレクション再演を行なっており、06年~10年の2nd Season Selectionを、11年7月~9月(予定)に「ジャパンツアー」(仮称)として開催することを10日発表した。

1st Season(01年~05年)Selectionは、06年にこまばアゴラ劇場(東京・駒場)「夏のサミット2006」でも上演したが、それ以外では初の旅公演となる。機動性の高い一人芝居だけに、06年当時から全国展開は構想されており、同グループの相内唯史プロデューサーは着々と準備を進めてきたようだ。09年1月にoffice-over(本拠地・仙台市)が主催したリスペクト企画「”INDEPENDENT”in 仙台」のポストパフォーマンストークでは、東北上演を狙っていると語っていた(2009/02/09付ケーススタディ既報)。

今回速報された上演地は大阪、東京、札幌、仙台、福岡、沖縄。これ以外にも交渉中だとし、興味のある劇場・制作者にコンタクトを呼び掛けている。「INDEPENDENT」は上演時間30分以内の一人芝居を3~4本組み合わせたブロック単位で上演するもので、終日有効のチケットで出入り自由。ブロックの合間もDJが音楽を流し続け、ドリンク付きでクラブのような雰囲気で芝居を楽しむコンセプトだ。週末なら終日かけての全作品観劇も可能で、観客にとっても魅力的な構成となっている。

fringeでは1st Season Selectionを「夏のサミット2006」で観たが、5年間50本の上演から厳選されただけにクオリティが非常に高く、一人芝居の無限の可能性を感じさせた。中でも『夕暮れ鬼とテディベア』(脚本・演出/坂本見花=浮遊許可証、出演/片岡百萬両=ミジンコターボ)が素晴らしく、ブログで必見として紹介した。次回2ndシーズンは本編50本+トライアル10本の計60本から厳選した10本を上演。さらに開催都市での新作製作もあるという。

演劇の巡演は公演規模が大きくなるとコストの回収が難しく、小劇場系の全国ツアーは著名カンパニーや野外公演に限られている。コンテンポラリーダンスが比較的容易にツアーを成立させているのを横目で見てきた制作者も多いだろう。「INDEPENDENT」は一人芝居の芸術面を確立してきた。今回の全国ツアーでは興行面での成立に挑戦していただきたい。成功すれば、JCDN「踊りに行くぜ!!」のような新しい巡演ルートに広がっていくことも期待出来る。全国の劇場・制作者はいますぐコンタクトを取るべきだろう。

詳細は同公式ブログ参照。

fringe blog
「必見『夕暮れ鬼とテディベア』」
http://fringe.jp/blog/archives/2006/08/14024056.html
「私が選ぶ2006年ベストワン」
http://fringe.jp/blog/archives/2007/01/22191555.html