この記事は2011年9月に掲載されたものです。
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津で4店舗・寺院を使ったリーディング公演「M-pad2011」を民間劇場・公共ホールが共同主催、「杜の都の演劇祭」に続く〈まちなか企画〉を目指す
津あけぼの座、三重県文化会館(共に津市)の共同主催で、津市内のレストラン・寺院を会場にした、まちなか飲食店リーディング公演「M-pad2011」(Mie Performing arts Dinner/Dining/Delicious)が11月22日~25日に開催される。各会場で連日1ステージ上演するもので、期間中は津市内に演劇があふれることとなる。11月26日には、津あけぼの座で4作品一挙上演も行なわれる。
まだ仮チラシの段階で詳細は発表されていないが、shelf(本拠地・東京都世田谷区+名古屋市)、第七劇場(本拠地・東京都豊島区)、このしたやみ(本拠地・京都市)、劇団Hi!Position!!(本拠地・津市)の実力派カンパニーが揃い、レトロな洋食店、禅寺、古民家カフェ、老舗うなぎ店を会場に上演される。唯一の寺院となる塔世山 四天王寺は、津あけぼの座、地元リトルマガジンと毎月トークカフェを共同主催している。
複数の店舗を会場としたリーディング企画としては、仙台市で2008年から始まった「杜の都の演劇祭」(主催/同プロジェクト)が知られている(2009/10/30付本欄既報)。3年目の「杜の都の演劇祭2010」では市内8店舗を会場とし、高級日本料理店も使用して大きな話題となった。「M-pad2011」もこれにインスパイアされたものと思われる。東日本大震災で「杜の都の演劇祭2011」開催が心配されているが、年度内の開催に向けて企画が進んでいるようで、公式アカウントは9月中の詳細発表を予告している。
民間劇場と公共ホールが共同主催するのも、他都市ではなかなか見れらないケースだ。劇評サイト「ワンダーランド」のインタビューで三重県文化振興事業団の松浦茂之氏は、公演とワークショップを両劇場で分けて開催するなど、日ごろから演劇事業に関してビジョンを共有し、企画を相談していると説明。松浦氏は、「最低月1本の演劇公演を、うちか津あけぼの座でやってるという状態を作るのが、まず一つめの目標」と語っているが、「M-pad2011」がそれに大きく貢献することを期待したい。
ysht.org「M-PAD おいしくてあたらしい料理と演劇のたのしみかた」
http://theatre-shelf.org/diarypro/archives/729.html
ワンダーランド連載「芸術創造環境はいま―小劇場の現場から」第7回
松浦茂之さん(三重県文化会館事業推進グループリーダー)
http://www.wonderlands.jp/archives/17089/