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灯体に色を付けるフィルムをカラーフィルターもしくはゼラと呼び、色を表わす番号が付けられている。灯体をバトンに付ける金具がハンガー、灯体とコードと接続するメス側器具をコネクター、オス側器具をプラグという。その形状からT型C型などがある。灯体は落下防止のため、鎖やワイヤーを必ず付ける。照明落下による死亡事故は決して他人事ではないので、くれぐれも安全に配慮すること。舞台に設けられたコンセントをフロアコンセントといい、SS等をつなぐのに使用する。

灯体自身の名称には、レンズとランプが別になっているスポットライト(スポット)、レンズがランプに溶着されてビームのような光の出るパーライト(パー)種板(たねいた)を入れて細い輪郭を描き出すエリプソイダルスポット(エリ)、レンズのないフラッドライトなどがある。

スポットの代表的なものとしては、白熱灯+平凸レンズのT1(四角い形状からベビースポット弁当箱と呼ばれる)、白熱灯+フレネルレンズのDF、ハロゲンランプ+フレネルレンズのFQなどがある。これらの名称はすべて業界最大手の丸茂電機の商品名だが、一般用語として通用する。

パーはシンプルな構造で人気があるが、非常に高温となるので火災や火傷の危険があり、取り扱いは慎重にする必要がある。

エリは楕円鏡を使用している。商品名としてはソースフォーや東京舞台照明の伊東保典氏が考案したところから名付けられたITO(アイティーオー)がある。種板を差し込んで自由な光の輪郭を描くことが可能。これで文字や模様を映すことも出来る。

フラッドライトは、アッパーホリ、ローホリ、ボーダー、フットライトなどに使用する。

特殊な灯体としては、雷やスローモーション効果を出すストロボ、スポットライトを当てて回転させるミラーボール、紫外線を出して舞台の蛍光塗料を浮かび上がらせるブラックライトなどがある。灯体自身をリモートコントロールで動かせるものをムービングライトといい、商品名としてはバリライトが有名。ただし非常に高価である。