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  • 第1位
    劇場の支援制度やアトリエ活用で
    広がりを見せる地域のロングラン公演、
    HEP HALLは自主プロデュースで動員を証明

    地域での小劇場ロングラン公演が大きな広がりを見せた。ぽんプラザホール、JUNGLE in→dependent theatreが破格の制度で支援。きらく企画、劇団そとばこまち、THE KIO、ブンメシがアトリエ公演や持ち小屋で実現した。HEP HALLは自主プロデュースで3,200名動員を達成した。

  • 第2位
    都市部で地震相次ぎ
    福岡県西方沖地震は公演中止多数、
    想定外の交通機関復旧遅れに対策必要

    新潟県中越地震の記憶も新しい中、3月に福岡県西方沖地震、7月に首都圏で震度5強、8月に宮城県で震度6弱の地震が発生した。福岡では公演中止や日程変更を余儀なくされた。首都圏はJRと地下鉄の復旧が長引き、想定外の事態が制作者を悩ませた。

  • 第3位
    福岡・ギンギラ太陽’sが東京初公演でパルコ劇場進出の快挙、
    地域カンパニーの星になれ

    地域の小劇場系カンパニーが東京初公演でパルコ劇場に進出するのは、前例がない快挙。小劇場に理解のある地元プロモーター・ピクニックが主催しての公演だが、地域のカンパニーに大きな可能性を提示した意義は大きい。主宰の大塚ムネト氏はギャラクシー賞優秀賞も受賞。

  • 第4位
    東京で公共・民間入り乱れての新劇場ラッシュ、
    いまこそ求められる企画力

    04年の大阪に続き、05年は東京が新劇場ラッシュとなった。柿落としはfringeで取り上げただけで5施設7劇場、計画中の演劇向け公共ホールは川崎も含め6施設に及ぶ。都市部における公共ホールは自主事業中心の企画力が必須で、安易な運営には警鐘を鳴らしたい。

  • 第5位
    東京で廃校利用の稽古場施設広がる、
    にしすがも創造舎は体育館の劇場利用も軌道に

    にしすがも創造舎の貸出が本格化、東京の稽古場事情を一変させた感がある。体育館を使った公演企画も軌道に乗り始めた。東京では他に3か所の廃校利用がスタート、札幌でもあけぼの開明舎が順調に稼動している。

  • 第6位
    文化庁新世紀アーツプランが団体助成から公演助成へ、
    不正受給発覚で助成制度自体の課題も明らかに

    文化庁芸術団体重点支援事業が芸術創造活動重点支援事業に変更され、4月に平成17年度分の募集が急遽行なわれた。団体助成から公演助成への変更で、逆行とも思える措置。関西芸術文化協会の不正受給も発覚し、直接経費しか助成されない制度の課題が浮き彫りになった。

  • 第7位
    多彩なチケット割引や無料モニター増加、
    託児サービスの幅も広がる

    中でも目立ったのがAfro13・斎藤努プロデューサーの活躍。様々な公演で多彩な割引企画や販売手法を駆使した。庭劇団ペニノは動員数に比例してキャッシュバックする「昼ギャザ」を導入。ブロガー招待や大規模無料モニターも各地で相次いだ。託児サービスの内容も広がりを見せた。

  • 第8位
    京都新聞が演劇への助成金否定と受け取られる記事掲載、
    鈴江俊郎氏と京都舞台芸術協会理事会が抗議

    京都新聞が鈴江俊郎氏の福井移住に絡め、助成金に頼った京都の公演活動を批判する恣意的無署名記事を掲載。鈴江氏と京都舞台芸術協会理事会が抗議し、京都新聞は事実上の訂正記事を掲載した。前衛的表現が重視される現状については、理事会でも意見が分かれている。

  • 第9位
    キャラメルボックスへの新宿コマ劇場騒音問題、
    コマ・スタジアム側がお詫びのチケット値下げで和解

    シアターアプル上演中の演劇集団キャラメルボックスに、階上の新宿コマ劇場騒音が響くトラブルが発生。問題は長期化し、コマ・スタジアム側が2006年春のキャラメルボックス公演を主催し、観客にお詫びするためチケット代を最低500円値下げする異例の方法で和解した。

  • 第10位
    各地でアートNPOの指定管理者選定進む一方、
    営利重視の民間参入で紛糾も

    平成18年9月の経過措置期限を前に、各地で公立文化施設の指定管理者選定が本格化した。横浜や福岡でアートNPOが参入を果たしたり、評価を得ている従来の管理運営先が順当に選定される一方で、営利重視を不安視する舞台芸術関係者が要望を求める自治体も複数あった。

  • 次点
    先行き不明の新世界アーツパーク事業と大阪都市協会、
    どうなる大阪市の文化行政

    フェスティバルゲートの信託事業破綻で移転が議論されていた新世界アーツパーク事業は、07年7月まで現状維持が決まったが、依然先行き不透明な状態。大阪市の文化施設を管理運営する大阪都市協会の解散も提言され、精華小劇場が本格化する一方で、行政の迷走が続いている。