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●分割掲載です。初めての方は(1)から順にご覧ください。

Q 受付周りの荷物のまとめ方はカンパニーそれぞれ、劇場それぞれですが、理想の受付周りの空間活用法などはありますか。だいたい布をかぶせているようですが。

A 理想はなにも置かずにロビーを広くすることでしょう。

Q 助成金の申請を通すコツはあるのでしょうか。

A 選考委員の評価が前提になる助成金の場合は、なんとしてでも一度観てもらう必要があると思います。それ以外は申請書の書き方、コンセプトの確かさでしょう。大量の書類を受け取る側の立場になれば、答えはおのずとわかるはず。

Q 小劇場というのは、どこまでが小劇場なんでしょうか。場所の問題ですか。周りが決めることなんでしょうか。カンパニーの意識の問題なんでしょうか。

A 規模の問題ではなく、ポリシーを表わす言葉だと私は思います。芸術面ではジャンルの垣根がずいぶん低くなりましたが、手打ち・個人客中心に自分たちのやりたい表現を追及する制作スタイルが小劇場だと私は感じます。

(注)その後、次のとおり言語化しました。

小劇場演劇(小劇場)は、小さな劇場を意味する言葉ではありません。俳優中心に結成された新劇に対し、演出家中心に組織された集団であること。団体客に依存する商業演劇や、演劇鑑賞団体と不可分の新劇と異なり、個人客をベースにした手打ち興行であること。つまり劇場の大小ではなく、カンパニーという小さな組織で、演劇を個人で楽しむライフスタイルを体現したものが小劇場だと私は考えています。小劇場という言葉は決してマイナーを意味するのではなく、夢の詰まった演劇本来の姿だと感じます。小劇場からスタートしたカンパニーは、大劇場で公演するようになっても小劇場演劇なのです。

Q 「芝居」をお客さんと共有出来る「公演」として終了したあと、お客さんとのつながり方をお聞きしたいです。

A 次の公演予定をいち早く提供することが、いちばんのつながり方ではないでしょうか。

Q 自由席から指定席へ移行する時期の考えをお聞きしたいです。

A 座席指定が可能な劇場で、票券管理がきちんと出来るのなら、いますぐに。

Q 普段サイトを運営する際に気をつけていることはなんですか。

A 自分自身がアクセスしたいと思うサイトにすることです。

Q これからの演劇界はなにが大事だと思われますか。

A 人材育成だと思います。

Q 今年度から組織のトップが変わり、ミッションのズレを感じることがあります。それに対して、一番下っぱである私が意見をしてしまうことがあるのですが、上司に意見をしてしまうのはやはり生意気でしょうか。こんな質問ですみません。

A 意見出来るのは素晴らしいことです。配慮すべきは言い方でしょう。

Q 制作として活動なさっているあいだ、もっとも心掛けていたことはなんですか。

A 信頼感を得るようにすることです。

Q カンパニー制作とプロデュース制作とで、もっとも異なる点はなんですか。

A 芸術面に関わることですが、俳優養成に責任を負うか負わないかだと思います。

Q 商業演劇と小劇場演劇との違いはなんでしょうか。

A 様々な面で違いはあると思いますが、制作面ではビジネスとして失敗が許されないことが最も大きいと感じます。

Q カンパニーを大きくするために、制作が出来ること/やらなくてはいけないことはなにか。

A 本当にそのカンパニーは大きくする価値があるのかを、まず考えてください。価値があるなら、その価値を世の中に示せばいいだけのことです。

Q Webサイトという宣伝媒体は、ブログも浸透しさらに一般化すると思いますが、その分より有効な利用方法・宣伝方法も考えていかなくてはと思っています。fringeを度々興味深くのぞかせていただいてますが、今後の新たなサイトの展開などはどうお考えですか。

A ツールがなんであれ、更新されるかどうかにかかっています。

Q 小劇場で公演を続ける団体が採算を取れるようになるためには、どうしたらいいのでしょうか。

A 採算が取れるような予算組みをしたらいいだけのことです。

(注)[ナレッジ]の「公演予算の組み方」を参考にしてください。

Q Webを使った効果的な宣伝方法がなにかありましたら教えてください。

A 宣伝方法がわからないのではなく、なにを宣伝したらいいのかがわからないのではありませんか。なにを宣伝したらいいかがわかれば、効果的な宣伝方法は思いつくはずです。

Q 直接制作のこととは関係はないのですが、趣味はなんですか。その趣味はご自身の生活の中でどのような位置づけですか。演劇を始めた学生のころは、演劇活動も趣味の一つだと言えたのですが、演劇活動を仕事として考えるようになったときに、自分の趣味ってなんだろうと思うときがあります。時間も金銭の余裕のない中で、どのような息抜きを皆さんがしているのか気になります。

A 昔はよく「嵐の日に増水した川を見に行くこと」などと書いていましたが、最近は老人が流されて命を落とすことがめずらしくなく、シャレになりませんので控えるようにしています。仕事と趣味が同じ人はめずらしくないと思いますが、それでも息抜きは別にあるんじゃないでしょうか。

Q 演劇の業界を全体で一つの大きな会社だと考えたとき、いちばん改善されなければならない点はどこだと思われますか。

A 全員が社会人としての自覚を持つことではないでしょうか。

Q カンパニー運営と作品制作は、厳密には別個の問題かも知れませんが、作品を製作して販売する以外にカンパニー及び劇団員(俳優、作家、演出家)が社会に提供出来る商品というか、価値(提供する側に対価の得られるもの)があるとしたら、それはどんなものが考えられるでしょうか。先ず思い当たるのがワークショップや、表現教育の講師などですが、ほかにもなにかあるような気がしていて、いま考えているところなのです。

A コミュニケーションの専門家として商品化可能な分野は私も多いと思います。また、創作と興行を自己完結出来る事業体としてのノウハウも、あらゆるイベントで活かせると感じます。

Q 遊気舎への参加・離脱の経緯と、心境をお聞かせ願えれば。カンパニーへの愛情なのか、作家への愛情なのか。

A 後藤ひろひと氏の作品世界を世の中に紹介するために参加したわけですから、それがなくなれば離れるのが当然だと思います。一つの集団を制作するのは10年が区切りとも言われますが、それも考え合わせてよいタイミングだと思いました。

Q 他地域進出のタイミングについては。

A 身内を排した状態での評価を得るために、早いうちにすべきだと思います。試練を乗り越えることで、集団の結束も強まるでしょう。

Q 宣伝の重要性について。まだカンパニーが無名である場合、よっぽどの話題性やセールスポイントがない限り、雑誌や新聞などで記事に取り上げられる可能性は低いと思われる。それでも地道に訪問等するべきか。しないよりはした方がよいに決まっているが、現実的な状況を知りたい。

A 話題性やセールスポイントは自分からつくるものです。それがない場合は公演自体をしないほうがいいです。

Q 辞めたいと思うこと。実際にプロデューサーとして活動されていたとき、「辞めたい」「辞めてやる」と思ったことはありませんでしたか。もしあったら、どのように乗り越えましたか。

A 制作が確立されていない状態のところへ入りましたので、初期は衝突もあり、辞めようかと思ったことは何回かありました。ただし、プロデューサーを名乗ってからはありません。早く劇団員にプロデューサーとしての地位を認めさせることですね。

Q 公演を打つ際に最もお金をかけるべき宣伝。その中でも一番お金をかけるべきなのはなにか。

A いや、別に最もお金をかけなくても……。五反田団みたいなやり方だってあります。

Q これだけカンパニーが多い中で、制作者が特に念頭に置かなければならないことはなんでしょうか。

A いつも言うことですが、数年後を見据えた長期計画でしょう。

Q 新たな客層を広げるための工夫に、どんなものがありますか。

A 集団の性格や作品内容に応じて考えるべきことですので、一般論ではお答え出来ません。

Q 最低限必要な制作の仕事の内容とは。座付きの制作がいないため、持ち回りで仕事をこなすのですが、ブレが出てきます。

A 観客に不満を感じさせないことが最低限のことだと思います。

Q 制作の力を実感するときはいつですか(よい仕事、悪い仕事の見分け方)。

A なにを見てもわかると思います。チラシやサイトを見ただけで一目瞭然では。

Q Webを中心として活動することのメリットはなんですか?

A 速報性が活かせること、地域差がないこと、費用対効果が大きいことです。

Q 今後fringeで行ないたいと考えている、fringeだからこそ企画(考え)があったら教えてください。

A 小劇場界を変えるにはロングランしかないと考えていますので、そのための積極的なプロモーションを続けていきたいと思います。

Q 今後の演劇界の展望は。

A なにもしないと同じ歴史を繰り返すだけでしょう。

Q 公演の資金はどのように集めるのでしょうか。

A [ナレッジ]の「資金繰りをどうするか」をお読みください。

Q スポンサーなどがついている劇団を見ますが、メリットやデメリット、ついてもらうための方法などについて教えてください。

A ケースバイケースとしか言いようがありません。方法が決まっているなら、どのカンパニーもスポンサーを獲得出来ることになってしまいます。

Q 最近の演劇界で、特に注目している点について解説をお願いします。

A 指定管理者制度導入で、関西の小劇場界に新風が吹いていることは大きな流れだと思います。地元では人間関係の軋轢も大きいようですが、扇町ミュージアムスクエアや近鉄劇場・小劇場の閉鎖問題以上に、関西の制作環境を見直すきっかけになると思います。

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