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【寄稿者】
演劇ユニット春の日ボタン(本拠地・東京都世田谷区)
制作総指揮・脚本 なかおみち


演劇ユニット春の日ボタン『空色ラジオ』

演劇ユニット春の日ボタン(本拠地・東京都世田谷区)は、子連れで観劇出来る上演回「子’s母’s(コスモス)デー」を開催した。

2011年5月18日~22日に上演した第6回公演『空色ラジオ』で、0~2歳頃の、まだ人に預けにくい子供を持つ母親をターゲットに企画。19日(木)14時の回を「子’s母’sデー」として、一般的には未就学児の入場をお断りしている小劇場演劇で、あえて子連れでの観劇を推奨する回とした。

脚本・演出の千野ありさ自身が0歳の子供を持つことから、育児のために自宅に篭りがちな母親のストレスを少しでも解消したいと思ったのがきっかけ。託児サービスではベビーシッターに預けた時から終演まで子供が泣きっぱなしということも少なくなく、子供と一緒に観劇することで親子のストレスを最小限にしたいと考え、平日マチネの1コマを子連れ観劇の回とした。

映画館では子連れでの上映回を設けるケースもあるが、小演劇界で子連れ観劇を推奨する回はめずらしい。当日は桟敷席を撤去したスペースに布や座布団を敷いて、最前列はリラックスした空気に。本編は小児向けではなく大人が楽しむ娯楽コメディ。途中で泣いてしまう乳児もいたが、大きな混乱もなく無事終演した。

観客からは大変好評を博した一方、演者側の不安ストレスなど今後の課題も。企画趣旨に賛同するカンパニーには是非検討してほしい企画である。

詳細は同サイト参照。


(fringeより補足)
小劇場系で子供連れを推奨する回を設けた例としては、08年の期間限定ユニット「サンダース・コンビーフ」公演がある(2008/1/29付本欄既報)。今回と同じく、「劇」小劇場(東京・下北沢)での公演だった。