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■動静

毎日新聞東京本社版12月28日付夕刊が「演劇:この1年」を掲載(濱田元子記者)。井上ひさし氏、つかこうへい氏の逝去を「大きな喪失感」とし、文化勲章を受賞した蜷川幸雄氏の活躍を伝えた。小劇場系では野田秀樹、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、長塚圭史の各氏。若手では前川知大氏を特筆。トピックは平田オリザ氏のロボット演劇、新国立劇場芸術監督交代、芸団協の「もっと文化を!」国会請願など。精華小劇場閉館決定やワッハホール貸館終了など関西の状況も伝え、東京一極集中の加速を懸念している。

毎日jp「演劇:この1年 蜷川らベテランが活躍 残念な井上ひさしと、つかこうへいの死」
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20101228dde012200016000c.html

共同通信配信「2010年回顧」演劇は、井上ひさし氏とつかこうへい氏の逝去、富良野塾終了、『化粧 二幕』最終公演などを挙げる一方、シス・カンパニー『叔母との旅』、東宝『THE 39 STEPS』、ロボット演劇などを新しい試みとした。

北海道新聞12月24日付夕刊がカルチャープラス「回顧2010」を掲載。富良野塾閉塾と富良野GROUPの活動、北海道四季劇場の誕生、「北海道に国立劇場の建設を願う有志会議」発足、TPSサハリン初公演、鈴井貴之氏の12年ぶり舞台復帰など。函館出身の大野一雄氏逝去も伝えた。松井哲朗氏(劇評誌『演劇随想 観劇片々』主宰)のイチオシは、風蝕異人街『チェーホフの憂鬱』。

河北新報12月28日付夕刊が「2010仙台圏 芸術この1年」を掲載(演劇は矢嶋哲也記者)。宮城と縁の深い井上ひさし氏の逝去に加え、仙台市市民文化事業団「劇のまち戯曲賞」募集休止は大きなショックとした。石川裕人氏(TheatreGroup“OCT/PASS”主宰)の戯曲100本目、SENDAI座☆プロジェクト連続公演、シェイクスピア・カンパニー4年ぶりの新作など。

日本経済新聞大阪本社版12月28日付夕刊が「2010回顧」演劇・演芸を掲載(小山雄嗣記者)。小劇場系では第2回むりやり堺筋線演劇祭、KYOTO EXPERIMENTの開催を挙げ、「集客力のアップにつなげるケースが多かった」とした。

白水社の「シリーズ:日本の演劇人」第2弾『井上ひさし』が1月19日発行予定。責任編集は扇田昭彦氏(演劇評論家、静岡文化芸術大学特任教授)。

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C.T.T.仙台事務局が発足。12月25日~26日にオープニングイベント「C.T.T.セレクション・イン・仙台」を開催。2月に試演会vol.1を開催予定。京都、名古屋、広島、大阪、岡山に続く全国6番目の事務局。

01年10月から活動封印中の第三舞台(本拠地・東京都渋谷区)が11月に復活公演。サードステージからのDMによると、会場は紀伊國屋ホール(東京・新宿)ほか。

横浜市大倉山記念館(横浜・大倉山公園内)の平成23年度からの指定管理者が、NPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)とNPO法人大倉山水曜コンサートの共同事業体(2005/10/08付本欄既報)から相鉄共同事業体に変更。横浜市の事業負担金が終了するため、水曜コンサート自体も3月23日で最終回。同館の運営を巡っては19年に水曜コンサート側がANJ側に民事訴訟を起こし、22年10月に館長がANJ側から水曜コンサート側に交代した経緯がある。今回は両者とも指定管理者に応募しなかった。

カナロコ「26年の顔粛々と幕、大倉山記念館『水曜コンサート』来年3月に最終回/横浜」http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1012290001/

横浜市は平成23年度から文化観光局を新設。APEC・創造都市事業本部創造都市推進部と市民局文化振興部を移管。

■イベント

故・扇谷治男氏の寄付により誕生したシアターZOO(札幌・中島公園)で、扇谷氏夫人だった俳優・高木孔美子氏の1周忌に当たる1月3日に追悼公演。代表作の朗読劇『観音力疾走』を上演。同劇場を運営する北海道演劇財団が主催。

Doshin web(北海道新聞)/イベント情報 「高木孔美子追悼公演『観音力疾走』」
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/eventdata/113296.php

NPO法人ライブエンターテイメント推進協議会『ギア』

「PLAYPARK2011~日本短編舞台フェス~」がSHIBUYA O-EAST(東京・渋谷)で3月18日~20日開催。05年~07年に大阪で開催されたOSAKA SHORT PLAY FESTIVAL(OSPF)(2005/7/3付ケーススタディ既報)と同じスタイルで、両方に参加する出演者も多い。参加アーティスト60組以上は日本最大級とのこと。事務局は劇団鹿殺しの株式会社オフィス鹿と同一。

小原啓渡氏(ART COMPLEX 1928統括プロデューサー)が進めるノンバーバルパフォーマンス(2010/3/6付ケーススタディ既報)が、ロングラン化に向けた長期トライアウト(主催/NPO法人ライブエンターテイメント推進協議会)開始。12月29日~1月23日にハウステンボス(長崎・佐世保)で34ステージ、2月10日~3月22日にBLACK CHAMBER(大阪・北加賀屋)で40ステージ。非言語表現で外国人観光客誘致の目玉になるとしている。

■助成金

財団法人地域創造は、宝くじ原資削減問題の影響で「地域の文化・芸術活動支援事業」募集を保留中。1月以降に極めて短期間の募集になる模様。宝くじ普及宣伝事業としては実施出来なくなり、宝くじ宣伝デザイン(金太郎マーク)表示義務がなくなることが予想される。

■劇場・稽古場

セゾン文化財団では、森下スタジオ(東京・森下)に11月竣工した新館(Sスタジオ、ゲストルーム、ラウンジなど)を今春より本格稼動。施設内覧を随時受付中。

王子小劇場(東京・王子)が11年度年間支援会員から法人会員を新設。観劇ではなく、純粋な劇場への支援。

京都市は老朽化した京都会館(京都・岡崎)を全面改修、第1ホールを国内最大級のオペラハウス、第2ホールも刷新する方針。平成25年度着工、27年度開業予定。総事業費100億円。

日刊建産速報「京都会館を全面改修、オペラハウスとして27年度にも開業へ 京都市」
http://www.ken-san.com/news_topics_detail.php?news_cd=4005

橋下徹大阪府知事の意向で10年度末縮小が検討されていたワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館、大阪・千日前)は、11年度から同ビルオーナーの吉本興業グループが指定管理者になることで存続。12月27日~3月31日まで休館となった。これに伴いワッハホール(キャパ305名)は12月26日に営業終了、1月1日より吉本興業専用劇場「5upよしもと」となった。同ビル地階のBaseよしもとが移転した形。BaseよしもとはMNB48劇場(キャパ233名)になる。

毎日jp「吉本興業:新劇場名称は『5upよしもと』」
http://mainichi.jp/enta/geinou/news/20101221k0000m040133000c.html

■賞

若手演出家コンクール2010(主催/日本演出者協会)(2010/12/12付本欄既報)の第2次審査会報告が12月12日発表。当初、矢内文章氏(アトリエ・センターフォワード、東京)が優秀賞に選出されたが、3月の最終審査会に参加出来ないため、次点の錫村聡氏(手作り工房錫村、東京)が繰り上げになったことが判明。繰り上げ受賞は09年に続き2年連続。

王子小劇場(東京・王子)上演作品を対象にした2010年度佐藤佐吉賞優秀賞が12月31日発表。最優秀賞は1月24日の同劇場新年会で発表。

「CoRich舞台芸術まつり!2011春」が今年も開催。上演期間3月~5月、1月18日公募開始。