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■動静

文化庁が平成24年度概算要求を9月30日発表。特別枠を含めると13.5%増だが、トップレベルの舞台芸術創造事業は16%減。特別枠「日本再生重点化措置」で自治体対象の文化芸術創造発信、新国立劇場の現代舞台芸術普及事業、東アジア文化交流推進プロジェクト。特別枠「復旧・復興対策」で被災地の「心の復興」事業。

こまつ座で編集者、井上ひさし氏の個人事務所で秘書として勤務し、10年6月に自殺した渡辺昭夫氏(当時59歳)が、過労による労災認定を受けたことを遺族の代理人弁護士が10月27日発表。井上氏のがん公表以降、激務により精神疾患を発症して自殺に至ったという。NHKによると、代理人は「文化芸術活動の業界では、労災の申請すらしていないケースが多いと思われる。今回の労災認定を業界は真摯に受け止め、労働条件の改善に努力してほしい」とコメント。

毎日jp「上野労基署:『こまつ座』職員自殺 過労と労災認定」
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111028k0000m040059000c.html

NHKオンライン/NHKニュース「故井上ひさし氏秘書 労災認定」
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20111027/t10013558491000.html

ひょっとこ乱舞(本拠地・東京都豊島区)が次回公演(3/3~3/11、東京・吉祥寺シアター)で最終公演。同カンパニーは01年に東京大学の学生劇団出身者中心に旗揚げ、次回が第25回本公演となる。主宰の広田淳一氏は若手演出家コンクール2004最優秀演出家賞を受賞、俳優では成河(旧名チョウソンハ)氏が所属していた。

■助成金

日本芸術文化振興会で試行中の日本版アーツカウンシルが、「トップレベルの舞台芸術創造事業」音楽・舞踊分野の審査基準を10月18日公表。募集案内では年間活動支援型のみ必須としている外部監査を、公演単位支援型にも求める。演劇分野も早めの体制づくりが求められる。

■劇場・稽古場

維持会員30名が集まらなければ12月31日閉館を発表していたATTIC(札幌・狸小路)(2011年8月付本欄既報)が存続決定。最終的に30名以上の応募があり、30名に絞った上で運営。12年下半期については改めて募集する模様。

東京都台東区が廃校となった旧・田中小学校(東京・日本堤)2階を稽古場にする方針。予算が通れば12年度改修、13年度以降に供用開始予定。同校舎はドラマや映画のロケ地としても利用されている。

東京新聞TOKYO Web「演劇文化 復興拠点へ 旧田中小に劇団稽古場」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20111016/CK2011101602000020.html

[googlemap lat=”35.728045″ lng=”139.797246″ align=”undefined” width=”300px” height=”150px” zoom=”15″ type=”G_NORMAL_MAP”]旧・田中小学校[/googlemap]

劇団渡辺、劇団らせん劇場の共同アトリエ「寿町倉庫」(静岡・寿町)が11年度から「アトリエみるめ」に改称、4月1日設立された一般社団法人静岡アート支援機構(SASO)が運営し、12年度から本格稼動する。

■賞

メセナアワード2011(主催/社団法人企業メセナ協議会)発表。メセナ大賞に名村造船所跡地(大阪・北加賀屋)をクリエイティブセンター大阪に再生させた千島土地株式会社(大阪市)。「演劇ともしび賞」として、OMS戯曲賞を続ける大阪ガス株式会社(大阪市)。

野田秀樹氏が第3回早稲田大学坪内逍遙大賞(主催/早稲田大学)受賞。賞金100万円。10月3日発表。

■サービス

ASP票券管理システム「Gettii」(株式会社リンクステーション提供)で、10月4日16時ごろ不正なコンビニ発券が発覚。同日深夜よりオンライン受付とクレジットカード決済のセブンイレブン発券を停止した。この影響で、同サービスを利用するConfetti「ゲッティ・カンフェティ版」、楽天チケット、劇場・カンパニーなどが電話受付やチケットを劇場手渡しにするなど、対応に追われた。同サービスは約550団体が導入、9月20日にメジャーバージョンアップを実施したばかりだった。主な導入先は同サイト右サイドバー参照。このうちTHEATRE1010(東京・北千住)が、「他劇場チケット不正発券の影響のため」と早い時間に明記。リンクステーションが公式サイトにリリースを掲載したのは10月8日夜になってからで、利用者から広報の遅さを指摘する声が上がっている。同社は外部専門家と共同調査中で、本社がある青森警察署、警察庁にも連絡済みだという。10月8日20時からセブンイレブン支払いによる新規オンライン受付を再開したが、クレジットカード決済や10月4日以前に決済した分のセブンイレブン発券は停止が続いている(セブンイレブン店頭でのクレジットカード支払いは可能)。サイトによってサービスを再開するかも対応が分かれている。

イープラスがiOS用アプリ「e+」を10月26日リリース。公演の検索から購入まで実現した、プレイガイドとしては初のアプリ。フォローリスト、Twitterやメールなどへの連動機能、会場案内機能も備える。アクセスが殺到し、10月27日21:30~28日13:30につながりにくい障害が発生。設定変更で現在は解消している。

芸術批評誌『DARA DA MONDE』

オルタナティブスペース「スノドカフェ」(静岡・清水)が、芸術批評誌『DARA DA MONDE』(だらだもんで)を12月創刊。劇評も扱う。編集代表はSPACの西川泰功氏。野村政之氏(こまばアゴラ劇場制作者)も寄稿。10月12日には創刊記念シンポジウム開催。