この記事は2009年10月に掲載されたものです。
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これぞ創客のお手本、店舗とコラボレーションした繁華街でのリーディング演劇祭「杜の都の演劇祭2009」開催
「杜の都の演劇祭2009」が2年目の開催を迎える。初回の2008年は劇団四季仙台ロングランに合わせ、仙台市中心部の飲食店など9会場でリーディング公演を実施した。喫茶や飲食込みで提供し、地元演劇界が一体となった新しい創客の試みとして大きな話題となった(2008/10/4付本欄既報)。
今回は11月1日~12月27日に8会場で開催。仙台文学館開館10周年企画として、初代館長・井上ひさし氏が選択した作品をリーディングする。使用する店舗は新たにセレクトされ、映画『重力ピエロ』(原作/伊坂幸太郎)のロケに使われた「Bar Lounge 欅」で伊坂作品、交友のあった土井晩翠の居宅「晩翠草堂」で石川啄木の評伝と短歌の構成、ナポリピッツァで知られるサルヴァトーレ・クオモ氏の三男が仙台にオープンした「カフェ・シナモン・エ・ラパン」で井上作品など、興味深いロケーションばかりだ。
各プログラムのディレクターは、初回の若手・中堅の陣容からベテラン勢が目立つようになった。昨年の成功が地元演劇界を刺激したことが窺える。今回は仙台以外に宮城県内4か所(大崎市、美里町、大河原町、七ヶ浜町)でも一部作品の上演を予定している。
票券管理の特徴として、同演劇祭は予約のみでチケットを販売しない。このため、半券代わりに会場で8色のしおりを渡す。予約は「CoRichチケット!」を全面的に採用した。Twitterを使った当日券情報にも力を入れる模様。
多数の店舗とコラボレーションした繁華街でのリーディング演劇祭は、他都市では見られない斬新な企画だ。観客が演劇に触れる入口として、全国から注目されるべきものだろう。
詳細は同サイト参照。