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HEADLINES

■動静

文化庁が音楽分野の東京室内歌劇場(本拠地・東京都中央区)、大衆芸能分野の日本浪曲協会(東京都台東区)の助成金不正受給を8月5日発表。全額返済を求めると共に、今後の申請を制限する。分野は異なるが、助成制度全体への風当たりが増すものと予想される。オペラ業界は05年発覚の関西芸術文化協会不正受給で、助成制度全体が団体助成から公演助成に変わり、10年度は日本オペラ連盟で不正受給が発覚した。相次ぐ不祥事に文化庁は近く検討委員会を設ける。読売新聞・鷲見一郎記者は、「公的支援を受ける団体に、経理の公開を義務づけるなどの対策が求められる」「制作者は公的支援を当然視せず、襟を正す必要がある」としている。

YOMIURI ONLINE
「東京室内歌劇場など、2億円超の補助金不正受給」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110805-OYT1T00562.htm
「補助金不正受給、オペラ団体なぜ相次ぐのか」
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20110816-OYT1T00221.htm

横浜ふね劇場をつくる会が「PAW2011」(PERFORMING ASIAN WAVE 2011)中止の経緯説明で、一宮均事務局長のまとめ、横浜市港湾局からの文書を公開。

劇団☆新感線『髑髏城の七人』

劇団☆新感線『髑髏城の七人』大阪公演(8/7~8/24、梅田・梅田芸術劇場メインホール)初日で配券ミス。演出上使用出来ない1~2列目をファンクラブに販売したため、パイプ椅子で対応。開演が約50分遅れ、終演が22時を越えたため、途中退席する観客も見られたという。ファンクラブ向けメールマガジンによると、このミスは大阪公演全ステで発生しており、逆に売れる席が売り止めになっているため、座席振替で対応するとのこと。

GIGAZINE「劇団☆新感線の公演で発券ミス、存在しない前方座席が販売されトラブルに」
http://gigazine.net/news/20110808_shinkansen_ticket_miss/

BSチャンネル再編や中心スタッフの引退で存続が危ぶまれていたNHK「青春舞台」が、Eテレで9月4日に2時間放送予定。福島大会が原発事故で香川開催になったドキュメント+東京公演ダイジェストか。関係者が内実に触れたブログ公表。

■イベント

福島県立いわき総合高等学校演劇部が、震災・原発事故への思いをぶつけた新作『Final Fantasy for XI.mar.MMXI』(XI.mar.MMXI=2011.3.11)を、アトリエヘリコプター(東京・五反田)、筑波大付属駒場中・高等学校(東京・駒場)で12月21日~23日に上演。震災後初の東京公演。GBFund第4回助成活動採択。

F/T11プログラムのPort B『Referendum―国民投票プロジェクト』は、改造キャラバンカーで福島県内も巡回。GBFund第4回助成活動採択。

第8回有鄰館演劇祭

隔年開催の第8回有鄰館演劇祭(群馬県桐生市、主催/桐生市教育委員会+桐生市有鄰館運営委員会)で、会場の有鄰館が東日本大震災で被災。3月末に一時中止を決めたが、近隣の無鄰館2で「そ・れ・で・も芝居の幕は開く」をテーマに9月~10月開催。7カンパニーが参加。

毎日jp「有鄰館演劇祭:東日本大震災で一時中止、来月開催 7団体が出演快諾/群馬」
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110820ddlk10040119000c.html

社会派のオムニバス企画公演「日本の問題」が、小劇場版学生版で開催。小劇場版(11/27~12/4、東京・ザ・ポケット)はアロッタファジャイナ(本拠地・東京都杉並区)が中心となり、経済とH、JACROW、DULL-COLORED POP、 風琴工房、 Mrs.fictions、ミナモザ、ろりえの8カンパニーが参加。学生版(12/21~12/25、渋谷・ギャラリー・ルデコ4)はミームの心臓(慶應義塾大学)が中心となり、劇団けったマシーン(青山学院大学)、思出横丁(桜美林大学)、四次元ボックス(日本大学)、声を出すと気持ちいいの会(明治大学)、荒川チョモランマ(早稲田大学)の6カンパニーが参加。

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ『モガっ!~記憶はだいたい憶測。~』

金沢市民芸術村開村15周年記念企画「カラフル~金沢ラウンド~」

南河内万歳一座・内藤裕敬プロデュース『七人の部長』

富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ(埼玉県富士見市)が、06年から夏休みに実施しているモモンガ・コンプレックスによる無料バックステージツアー「わくわく☆探検記 キラリの国のあちらがわ」を公演に発展。劇場ツアー型パフォーマンス『モガっ!~記憶はだいたい憶測。~』として、8月26日~27日に有料公演。台本は同劇場レジデントの田上豊氏(劇団田上パル)。

金沢市民芸術村開村15周年記念企画で、北陸初のショーケースイベント「カラフル~金沢ラウンド~」が9月17日~19日開催。東京から柿喰う客も参加。愛知・演劇博覧会「カラフル」の大橋敦史プロデューサー(東海シアタープロジェクト代表)がコーディネート。

高校演劇の定番戯曲『七人の部長』(作/越智優)を、南河内万歳一座(本拠地・大阪市)が内藤裕敬プロデュースとして7月29日~8月24日に全国ツアー。同作品は2000年初演以来、全国の高校演劇コンクールで300回以上上演。今回は女子高生だけの登場人物を、ベテラン男優たちが演じる。高校演劇と同じ上演時間60分のため、大阪公演(心斎橋・ウイングフィールド)は8日間連続2ステージ。

■助成金

日本芸術文化振興会が芸術文化振興基金に賛助会員制度新設。法人・個人会員募集開始。東日本大震災復興支援の「芸術文化復興支援基金」も新設。募金時に活動分野の指定可。支援対象活動は別途公募。

アーティスト・イン・レジデンスを支援する新設の大型補助金、平成23年度文化庁文化芸術の海外発信拠点形成事業が8月8日採択結果発表。国内の主要事業を網羅する形となった。

■劇場・稽古場

ATTIC(札幌・狸小路)を運営する合同会社屋根裏ネットワークが、12月31日で解散決定。利用者からの存続希望により、12年以降は会員制による維持へ移行を提案。9月24日までに30名集まらない場合は、12月31日で閉館となる。

公演会場に使われることも多いリトルモア地下(東京・千駄ヶ谷)が、8月9日で閉廊することを8月8日発表。

イッツフォーリーズの本拠地であるアトリエフォンテーヌ(東京・麻布)が、12年6月30日で閉館へ。

シアターガイド/演劇ニュース「『アトリエフォンテーヌ』が老朽化のため来年6月末に閉館へ」
http://www.theaterguide.co.jp/theater_news/2011/08/08_02.php

■賞

音楽・演劇の向上・発展に功績があった人に贈られる第2回岩谷時子賞(主催/岩谷時子音楽文化振興財団)が7月20日授賞式。演劇では特別賞(賞金100万円)に市村正親氏、鳳蘭氏の2氏。奨励賞(賞金100万円)に藤本隆宏氏。

MSN産経ニュース「岩谷時子賞に坂本冬美」
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/110731/ent11073108000004-n1.htm

■サービス

クレジットカード決済機能を持つチケットレス票券管理システム「PeaTiX」(2011年5月付本欄既報)に、コンビニ払い、ネットバンク、Pay-easyが8月23日追加。デジタルガレージの「e-context」を導入した。これに伴い、決済手数料が70円/回に。支払いのみなのでコンビニでの発券手数料は不要。

Orinocoサイト/NEWS「Orinoco、ソーシャルチケットプラットフォーム『PeaTiX』にデジタルガレージの提供する決済サービス『e-context』を採用」
http://www.orinoco.jp/2011/08/peatix-release4.html

チケットぴあが、国内初の不使用チケット費用補償保険「チケットガード」を9月中旬開始。券面金額に応じた保険料を支払うことで、病気、交通機関遅延、急な出張などで使えなくなったチケット代金全額を支払う。同行予定者1名も保障。引受保険会社はチケットガード少額短期保険株式会社。保険金請求には事由ごとに定められた書類提出が必要。故意は対象外。8月29日発表。

ギンギラ太陽’s(本拠地・福岡市)『BORN TO RUN』(08年初演)を映画作品として再構成、新たに撮影した『ギンギラ太陽’sはじめてモノ語り ボーン・トゥ・ラン~夢の超特急~』(脚本・監督/大塚ムネト)が、9月23日から全国のワーナー・マイカル・シネマズで公開。上映時間45分で、料金は中学生以下500円/高校生以上1,000円。ショッピングや行楽の合間に、子供に初めての演劇体験をさせるのが狙い。製作はクロックワークス、ギンギラ太陽’s、アンミックスエンタテインメント、ピクニック。

78produce(本拠地・福岡県)が次回公演でチケットレスを全面導入。携帯電話に送信されたオリジナル画像を提示する。