この記事は2010年7月に掲載されたものです。
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ヘッドライン2010年7月25日
■動静
つかこうへい氏が肺がんで7月10日逝去。62歳だった。1月に病名を公表、入院先からビデオで演出を続けていた。
東京都北区が支援する北区つかこうへい劇団は、新作『新・蒲田行進曲』(8/12~8/21、東京・北とぴあペガサスホール)と10年度演劇教室募集を中止、今後の予定はすべて未定としている。日刊スポーツ東京本社版7月14日付によると、北区文化振興財団は「劇団存続については未定とさせていただきたい」としている。
アール・ユー・ピー『広島に原爆を落とす日』(東京8/6~8/22=シアターコクーン、大阪8/27~8/29=森ノ宮ピロティホール)は追悼公演とする。
asahi.com「劇作家のつかこうへいさん死去 62歳」
http://www.asahi.com/special/playback/TKY201007120112.html
nikkansports.com「つか作品『広島に原爆―』を追悼公演に」
http://www.nikkansports.com/entertainment/news/p-et-tp0-20100714-653164.html
百鬼どんどろ(本拠地・長野県飯島町)主宰・岡本芳一氏が骨髄異形成症候群で7月6日逝去。62歳だった。
劇団☆新感線(本拠地・東京都新宿区)座付作家の中島かずき氏が、勤務先の双葉社を8月で退職することを公表。会社員との二足のわらじを脱ぐ。
社団法人日本演劇協会が創立60周年記念として、5年に一度の「演劇人祭」を7月28日開催。
週刊小劇場レビューマガジン「マガジン・ワンダーランド」(ワンダーランド)が7月21日発行分で200号。記念鼎談「2010年、超新星は小劇場を更新するか?」(徳永京子×藤原ちから×日夏ユタカ)で、ロロ、マームとジプシー、バナナ学園純情乙女組、ジエン社を推す。
四国学院大学(香川県善通寺市)が、中四国初の本格的演劇専攻コース「身体表現と舞台芸術マネジメント」を11年度開設。客員教授に平田オリザ、鴻上尚史、本広克行(映画監督)の各氏。講師予定者に新劇・小劇場の演出家多数。長期レジデンスによる学生との創作を実施。
劇団爆走蝸牛(本拠地・福岡市)が「14+」(フォーティーンプラス)に5月23日改名。第4回福岡演劇フェスティバルFFAC企画創作コンペティションで上演した『14+』を、そのまま千秋楽にカンパニー名とした。
劇団0相(本拠地・熊本市)が2010年から「ゼロソー」に改名。10周年を迎え、略称を正式表記とした。
■イベント
第34回全国高等学校総合文化祭(全国高総文祭)は、予定どおり宮崎県全域で8月1日~5日に開催することを決定したが(2010/7/3付本欄既報)、北海道高校文化連盟十勝支部が地元畜産業に配慮して参加辞退。演劇部門北海道代表の北海道鹿追高等学校も参加を取りやめた。同校は7月26日に帯広市民文化ホール小ホールで自主公演し、撮影したものを全国大会会場で上映してもらう。
Doshin web(北海道新聞)「鹿追高演劇同好会 帯広で『集大成』公演へ」
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/241291.html
TEAM NACSが所属するCREATIVE OFFICE CUE(札幌市)の鈴井貴之社長が、1990年~98年に主宰していた劇団OOPARTSをプロデュース形式で10月に復活。小劇場系のキャスティングで札幌・東京・大阪公演。
TheatreGroup“OCT/PASS”(本拠地・仙台市)主宰の石川裕人氏が、100本目の戯曲『ノーチラス~我らが深き水底の蒼穹~』執筆。7月28日~8月7日に卸町イベント倉庫(仙台・卸町)で記念公演。全100本の軌跡を追ったブログ「石川裕人百本勝負 劇作風雲録」が貴重な仙台演劇史となっている。戯曲集も出版予定。
08年5月に残り3作品での解散を宣言した劇団M.O.P.(本拠地・東京都中野区)(2008/5/6付本欄既報)が、宣言どおり7月17日から最終公演全国ツアー。84年旗揚げで、今回が第45回公演。10年ぶりにマキノノゾミ氏自身も出演している。8月29日に旗揚げの京都でツアー大楽を迎え、日替わりゲストに旗揚げメンバーの清水秀一(元・ぬりかべハタ坊)氏。
東京芸術見本市(TPAM)が11年2月の横浜開催を正式発表。ショーケース対象期間は2月14日~20日。
AI・HALL(兵庫県伊丹市)が、60~90年代の戯曲を若手カンパニーに上演させる「現代演劇レトロスベクティヴ」2年目を7月9日~11月21日に開催。渡辺えり子(現・えり)『ゲゲゲのげ―逢魔が時に揺れるブランコ―』(82年初演)を劇団Ugly duckling、仁王門大五郎『縄文人にあいうえう』(92年初演)を遊劇体、岩松了『アイスクリームマン―中産階級の劇的休息―』(92年初演)を売込隊ビームが上演。
福岡県と北九州市の共同施設・海峡ドラマシップ(正式名称:関門海峡ミュージアム)多目的ホールで、「海峡演劇祭2010」(主催/同実行委員会)が10月16日~11月14日に初開催。「海」「平和」「こども(引き継がれるいのち)」をテーマに、コンセプトのある演劇祭を標榜。来年度から公募も検討。実行委員長は北九州を代表するプロデューサー・谷瀬未紀氏。
「九州演劇人サミットin大分」が10月10日開催(主催/大分演劇活性実行委員会「おおいた演劇の会」+九州地域演劇協議会+NPO法人FPAP)。これで九州一巡となる。
■助成金
文化庁が劇場法(仮称)への経過措置とされる平成22年度「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」、2年で廃止するとしている平成22年度芸術拠点形成事業の採択結果発表。後者は19年度から採択のコンカリーニョ(札幌・琴似)、アトリエ劇研(京都・下鴨)がはずれ、座・高円寺(東京・高円寺)が新規採択。民間劇場の減少は遺憾。
■劇場・稽古場
東京芸術劇場が運営する水天宮ピット(東京・箱崎、正式名称:東京舞台芸術活動支援センター)が、7月26日正式オープン。23日に内覧会とオープニングセレモニー、オープニングパフォーマンスが開催された。
池袋駅東口徒歩6分にシアターKASSAIが5月22日オープン。元・劇団6番シード主宰の久間勝彦氏による株式会社喝采企画が運営。久間氏が旗揚げした東京ストーリーテラーで柿落とし。キャパ78名。オープンイヤー特別記念企画として、7月~8月は久間戯曲を毎週演出家と役者を変えて上演。ゲネプロに制作者を招待し、設備内覧会も実施。劇場独自の賞「カタリベアワード2010」(金賞30万円+7日間無償使用権など)も決定。
[googlemap lat=”35.733842″ lng=”139.715219″ align=”undefined” width=”300px” height=”150px” zoom=”15″ type=”G_NORMAL_MAP”]シアターKASSAI[/googlemap]
横浜の3施設が連携した創作支援公募プログラム「坂あがりスカラシップ2010」対象者に、藤田貴大氏(マームとジプシー主宰)、神里雄大氏(岡崎藝術座主宰、鰰[hatahata])。神里氏は昨年度からの継続支援。
NPO法人フリンジシアタープロジェクト(京都市)が運営するアートコミュニティスペースKAIKA/アトリエAKIKAN(京都・四条烏丸)が7月1日オープン。芸術監督に蓮行氏(劇団衛星主宰)。9月には劇団衛星、ユニット美人などの公演会場に使われる。
[googlemap lat=”35.000249″ lng=”135.756559″ align=”undefined” width=”300px” height=”150px” zoom=”15″ type=”G_NORMAL_MAP”]アートコミュニティスペースKAIKA/アトリエAKIKAN[/googlemap]
ウイングフィールド(大阪・心斎橋)が若手劇団応援シリーズ「ウイングカップ2010」を9月~11年1月に開催。若い世代への評価が欠けているとして、劇場独自の賞「ウイングカップ」を決定。
■賞
第18回読売演劇大賞中間選考会の報告が、読売新聞東京本社版7月16日付朝刊に掲載。作品賞ベスト5にシーエイティプロデュース『BLUE/ORANGE』、イキウメ『プランクトンの踊り場』。チョウ・ソンハ氏が『BLUE/ORANGE』で男優賞ベスト5。選には漏れたが、ぺーター・ゲスナー氏と綿貫凜プロデューサーによるPROJECT NATTER『ピロクテーテス』、TRASHMASTERS『CONVENTION HAZARD』(作・演出/中津留章仁)を強く推す委員がいたという。
第8回盛岡市民演劇賞大賞(主催/盛岡市文化振興事業団)にトラブルカフェシアター『あの角を曲がれば』。同カンパニーは2年連続受賞で、同一団体の連続大賞は初。部門賞制作・企画部門はくらもちひろゆき氏(架空の劇団代表)。
岩手日報Web News
「『トラブルカフェシアター』が大賞 盛岡市民演劇賞」
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20100717_8
第26回名古屋市芸術創造賞(主催/名古屋市文化振興事業団)に鹿目由紀氏(劇団あおきりみかん主宰)。
第2回九州戯曲賞(主催/九州地域演劇協議会+NPO法人FPAP)の最終審査が7月18日行なわれ、大賞は該当作なし、佳作に河野ミチユキ氏『義務ナジウム』(ゼロソー上演台本)。
■サービス
ロングランプランニングがチケット購入者対象の無料託児サービスを8月4日から開始。早稲田塾が東京・四谷校内の合宿所を提供、マザーズがベビーシッターを派遣する。託児時間は12時~17時半で、超過の場合は実費負担で要相談。日本経済新聞東京本社版7月15日付朝刊によると、週2日・上限10名程度とのこと。今回の新サービスなどで月間扱い1万~1万5千枚から、常時2万枚を目指すとしている。
11年4月に三鷹市芸術文化センター(東京都三鷹市)で再演されるままごと『わが星』のスペシャルサイトが、早くも5月31日オープン。
関西演劇ポータルサイトの草分け的存在だった「キタで芝居を見る」の名物企画「関西ベストアクト」が、装いを新たに復活。観客が半年ごとに集まり、作品と俳優のベスト3を選ぶ。