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F's Company&ゼロソー合同公演「101年目の太宰治」

口蹄疫の感染拡大防止措置が取られている宮崎県で、演劇関係者も大きな影響を受けている。

宮崎市では6月10日に市内での感染が発生して以来、公共施設の多数が閉館。市の施設では宮崎市民プラザ、宮崎市民文化ホール、みやざきアートセンターが開館を続けているが、市民プラザと市民文化ホールは8月末までの新規予約を断わり、市民プラザは予約済みの団体に対しても延期・自粛を求めている。アートセンターも自粛が相次ぎ、開店休業状態だという。アートセンターはNPO法人が管理運営する貸館施設のため、運営者のNPO法人宮崎文化本舗が発信する「検証!口蹄疫被害」サイトでは、「従業員を抱えながら全く収入がないのは辛い」としている。

カンパニーの稽古場として使われる公民館も閉館のため、他の民間施設などを利用せざるを得ない状況だという。劇団ゼロQ(本拠地・宮崎市)の岡田心平氏は個人ブログ「南方演劇論」で、「今までは基本的に無料で利用できていたものが、一回数百円の個人負担となる。けっこう痛い」としている。

県の施設であるメディキット県民文化センター(宮崎県立芸術劇場)は開館しているが、イベントの中止・延期が続いている。演劇では9月18日~19日、25日~26日に予定していた「みやざき演劇祭2010」を1月19日と3月2日に延期することを6月22日発表。土日×2週末から水曜2日のみの縮小開催となる。また、7月17日~18日に予定していたF’s Company(本拠地・長崎市)&ゼロソー(本拠地・熊本市)合同公演「101年目の太宰治」宮崎公演を、9月25日~26日に延期すると7月1日発表した。希望者には払い戻しを受け付ける。「みやざき演劇祭2010」との玉突き延期になる。

一方、宮崎県全域で8月1日~5日に開催される第34回全国高等学校総合文化祭(全国高総文祭)は、6月18日時点で6月30日までに開催可否を決定すると発表。事態が終息を迎えていることから、予定どおり開催することを6月30日発表した。演劇部門は8月3日~5日にメディキット県民文化センターで開催される。全国高総文祭は状況を見極めながら予定どおり開催するのに対し、自主事業のほうが早めの延期判断になっているようで、地元演劇人が割りを食わないよう、関係者には配慮をお願いしたい。

宮崎市民プラザ/お知らせ「『口蹄疫』防疫による利用の停止及び自粛について」
http://www.siminplaza.com/news.php?eid=00006

検証!口蹄疫被害「開店休業 」(NPO法人宮崎文化本舗)
http://blog.canpan.info/fmdmiyazaki/archive/63

南方演劇論「口蹄疫と演劇(2) 稽古場問題」
http://aya-tumugi.cocolog-nifty.com/topics/2010/06/post-1844.html

メディキット県民文化センター「101年目の太宰治『冬の花火』『春の枯葉』の公演延期について」
http://www.miyazaki-ac.jp/moyooshi/2010/101year-dazaiosamu/

けんげきくん「口蹄疫による催事の中止等のお知らせ」(宮崎県立芸術劇場ブログ)
http://kengeki.exblog.jp/10647285/

みやざき演劇祭2010公式ブログ「お知らせ」
http://miyaengeki2007.seesaa.net/article/154113325.html

全国高総文祭みやざき2010/最新情報「宮崎大会の開催に関する重要なお知らせ その2」
http://www.miyazaki-soubun.jp/wp2/newsview.php?mode=d&aid=285