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舞台美術に使用される各種木材が、ここ1年ほどでじわじわ値上がりしている。1年前に比べると小売価格が2倍近くになったものもあり、舞台美術家や大道具製作スタッフのあいだで深刻な問題とされている。舞台費に直接影響するものであり、制作者も注意を払うべきだろう。

木材は南洋材の森林伐採規制強化、中国の需要拡大などにより、2006年春ごろから輸入合板の品薄が続いている。広葉樹のラワン合板はもちろん、計画植林されている針葉樹のラーチ合板でも深刻な欠品が発生している。このため価格も高騰し、在庫調整も実施されているという。

東京在住の舞台美術家からの報告によると、ラワン合板では2.5mm厚のベニヤが1年前まで340円で買えたものが570円に、12mm厚コンパネは1,000円前後だったものが1,800円~2,000円になっているという。価格高騰で通常ならもっと厚い材料を使う大道具会社が12mm厚に落とす例も見られるという。この舞台美術家はラーチ合板にシフトしているという(ラーチは木目がはっきり出るので、塗装が必要になる場合もある)。

東京木材問屋協同組合木材価格市況調査委員会が提供している木材価格市況標準相場によると、最近の価格変動は下記のとおり。

              2006/6 2006/12
合板ラワンベニヤ 2.3mm   420円   500円
合板コンパネ(輸)  12mm 1,140円 1,550円
ラーチ構造用合板  12mm   980円 1,180円

定期的に木材市況を提供している福島県農林水産部による相場は下記のとおり。

            2006/1  2006/6  2007/1
ラワン2種    2.7mm   513円   536円   674円
ラワンコンパネ  12mm 1,108円 1,186円 1,730円

前述の舞台美術家によると、現場でも端材を大切に使ったり、床材をベニヤからパンチカーペットに変更している事例を見かけるという。現在は在庫量も増加しているが、値下げは期待出来ずに「高値安定」が続くと市場は分析している。多くを木材に頼る舞台美術にとって、現状の装置の在り方さえも問われる状況になっている。

東京木材問屋協同組合「木材価格市況標準相場」*1
http://www.mokuzai-tonya.jp/souba/

福島県のホームページ「木材市況」*2
http://www.pref.fukushima.jp/forestry/mokuzai_shikyou/sikyou_index.htm

  1. リンク切れのため、Internet Archive「Wayback Machine」(2010年4月3日保存)へリンク。 []
  2. リンク切れのため、Internet Archive「Wayback Machine」(2007年5月16日保存)へリンク。 []