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時間が延びることを一般的に押すという。10分延びる場合は10分押し、1時間延びる場合は1時間押しなどという。「開場5分押しになりました」のように使う。現場で最もよく使われる用例である。

逆に時間が足りなくなり、短くすることを巻くという。そうした指示を入れることを、巻きを入れるという。10分短くする場合は「10分巻き」である。放送界と同様、腕を回す仕草で意味は通じる。

なにかを待っている待機状態のときは、待ちという。「××の準備待ち」「××の到着待ち」のように使う。さらに略して「××待ち」ともいう。質問形で「なに待ち?」と尋ねることもある。劇場ではタイムスケジュールに追われて作業するので、待ちは出来るだけ短いほうが好まれる。

劇場に入ることを小屋入り(こやいり)と呼ぶので、入る時間は入り時間(いりじかん)という。出る時間は普通に「×時退出」と呼ぶことが多い。ファンが役者の小屋入りを待つ行為を入り待ち(いりまち)、退出を待つ行為を出待ち(でまち)と呼ぶ。