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福岡県飯塚市で江戸時代の歌舞伎様式を伝える芝居小屋、嘉穂劇場。昭和6年開場ながら、改修を重ねて大衆演劇や歌謡ショーに使われている現役の劇場である。行政が保存している芝居小屋が多い中、全国でも数少ない民間の合資会社嘉穂劇場が経営していることも特筆される。

今年9月には、第10回全国芝居小屋会議(主催/同会議嘉穂劇場実行委員会、共催/全国芝居小屋連絡協議会)が同劇場で開催される。その記念公演として、ギンギラ太陽’s(本拠地・福岡市)が先日まで上演していた『ひよ子侍 隠密和菓子旅』(3/19~3/24、西鉄ホール)が決定した。9月15日(祝)に同劇場で上演される。同劇場での小劇場系公演自体が非常に稀(2001年10月のワハハ本舗以来)なのに加え、全国芝居小屋会議で小劇場系が上演されるのも初めてである。

主宰・大塚ムネト氏の公開日記によると、3月21日の公演を嘉穂劇場スタッフが観劇し、その後の打ち合わせで上演が決まったという。すでに同劇場サイトで正式発表されている。ギンギラ太陽’sは精巧につくられた「かぶりもの」による擬人化された地元ネタで圧倒的支持を受けており、九州最大の動員を誇る(今回は3,250名)。

『ひよ子侍』は和菓子を擬人化し、飯塚生まれで東京にも定着している「ひよ子」を主人公に描いた幕末時代劇。同じく長崎から飯塚に進出した千鳥饅頭も登場し、まさに飯塚市での公演にふさわしい内容になっている。全国芝居小屋会議にこの作品を選んだ嘉穂劇場のセンスに敬意を表したい。さすが民間劇場である。作品ではチロルチョコレートで有名な松尾製菓(福岡県田川市)も登場し、福岡がネタの宝庫であることに驚かされる。オフィシャルホームページのあらすじとチラシ(拡大表示可)は必見である。

嘉穂劇場サイト
http://www.kahogekijyo.com/

ギンギラ太陽’sオフィシャルホームページ
http://www4.osk.3web.ne.jp/~gingira/