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HEADLINES

■動静

井上ひさし氏(75歳)が肺がんで自宅療養中であることを12月15日公表。経過は良好で、来春には新作戯曲の執筆を開始するとしている。

YOMIURI ONLINE「井上ひさしさん 肺がん公表」
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=18386

読売新聞東京本社版12月16日付夕刊が「回顧2009」演劇を掲載(多葉田聡記者)。作品では新国立劇場『ヘンリー六世』とシアターコクーン『コースト・オブ・ユートピア』の3部作。野田秀樹作品『パイパー』『ザ・ダイバー』日本語版。『楽屋』(演出/生瀬勝久)、『鴨川ホルモー』(脚色・演出/鄭義信)も話題に。『生きてるものか』(作・演出/前田司郎)を「優れた成果」、若手劇作家・前川知大氏(イキウメ)を「充実ぶりが際立っていた」。トピックはさいたまネクスト・シアター旗揚げ、シアタートップスと江古田ストアハウスの閉館、座・高円寺オープン、「フェスティバル/トーキョー」の春秋2回開催など。

YOMIURI ONLINE「【回顧2009 演劇】89歳森光子 挑戦は続く」
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/stage/theater/20091216-OYT8T00938.htm

中日新聞12月19日付夕刊が「2009回顧」演劇を掲載(三田村泰和記者)。地元小劇場系では劇団あおきりみかん、北村想新作上演のために結成されたユニット・トラージ、30周年を迎えた劇団クセックACTなど。母親を描いた劇団B級遊撃隊『夜明けの奥地』は、父親を描いた岸田戯曲賞受賞作『ぬけがら』と対を成す作品とした。劇団ジャブジャブサーキットの寡作ぶり、少年王者舘の戯曲2本が間に合わなかったのは残念とした。

西日本新聞12月11日付朝刊が「回顧2009」演劇を掲載(内門博記者)。福岡演劇フェスティバル、北九州演劇フェスティバル(旧・北九州演劇祭)が「曲がり角に来ている」とし、追悼イベント「漂流画祭」(2009/6/11付ケーススタディ既報)と対比させながら「お祭り感」が欠けていると指摘。のこされ劇場≡(北九州市)「えだみつ演劇FESTIVAL」(2009/8/18付ケーススタディ既報)のような、公共ホール以外のオルタナティブな動きを取り込めるかが鍵としている。ギンギラ太陽’s(福岡市)初の全国ツアー、万能グローブガラパゴスダイナモス(福岡市)の1か月ロングラン、泊篤志氏(飛ぶ劇場、北九州市)、山田恵理香氏(空間再生事業 劇団GIGA、福岡市)、永山智行氏(劇団こふく劇場、宮崎県三股町+門川町)、福田修志氏(F’s Company、長崎市)の活躍、森馨由氏(劇団HIT!STAGE、佐世保市)の九州戯曲賞受賞など。

CX「ノイタミナ」枠で4月より放送されるアニメ「四畳半神話大系」(原作/森見登美彦)のシリーズ構成・脚本を、上田誠氏(ヨーロッパ企画、本拠地・京都市)が務める。アニメ脚本は初めてとなる。

■イベント

ハポン劇場project『ダンス・ダンス・ダンス』

元・スーパー一座の原智彦氏によるハポン劇場project(本拠地・名古屋市)が、『20世紀少年』のロケにも使われた愛知県西尾市の映画館「西尾劇場」公演(12/18~12/23)。約40年ぶりの演劇上演。

YOMIURI ONLINE「40年ぶり 芝居小屋に 西尾の映画館」
http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/091219_0.htm

仙台のリーディング演劇祭「杜の都の演劇祭2009」(2009/10/30付ケーススタディ既報)で満員御礼が続いている。河北新報12月15日付夕刊によると、主催者は1月中旬以降のアンコール公演も検討中。会場となった店舗から来年の開催希望も相次いでいる。制作チーフの鈴木拓氏(きらく企画)は、「仙台の劇団はみんな、公演しても赤字。演劇というコンテンツの良さをPRし、ビジネスモデルを作りたい」とコメントしている。

こまばアゴラ劇場「夏のサミット2010」(劇場利用2010/8/5~9/7)ラインナップが12月6日発表。

11年1月にオープンする神奈川芸術劇場(横浜・山下町)の宮本亜門芸術監督が、新劇場について語り合うタウンミーティングを1月9日~11日に小田原・川崎・横浜で行なう。

■劇場・稽古場

きらく企画(本拠地・仙台市)が12月をもって解散を発表。運営しているGalleryOneLIFE(仙台・五橋)も12月末で閉館。興行場法の規制から月4日しか公演出来ないが、4年間で18集団32作品を上演。

北とぴあ(東京・王子)15Fにペガサスホール(キャパ173名)が11月19日オープン。結婚式場フロアを改装したブラックボックスで、舞台と同じ広さのリハーサル室付属。柿落としは北区つかこうへい劇団。14Fにも新たに2ホールオープン。

福岡県豊前市は旧・築上北高校跡地の体育館を芸術文化センターに改装、1Fに小ホール、2Fに多目的ホール(キャパ600名)を設け、10年10月にオープン予定。

毎日jp「豊前市芸術文化センター:20日に現地説明会――市教委/福岡」
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20091216ddlk40040429000c.html

■賞

第15回劇作家協会新人戯曲賞(主催/日本劇作家協会)の公開審査会が12月13日開かれ、横山拓也氏(売込隊ビーム、本拠地・大阪市)『エダニク』(真夏の會上演台本)に。賞金50万円。

第2回小田島雄志・翻訳戯曲賞に新野守広氏(マリウス・フォン・マイエンブルグ『火の顔』、ファルク・リヒター『崩れたバランス』)、広田敦郎氏(トム・ストッパード『コースト・オブ・ユートピア』)。賞金各10万円。

asahi.com「小田島雄志・翻訳戯曲賞 新野守広・広田敦郎の2氏に」
http://www.asahi.com/showbiz/stage/theater/TKY200912110301.html

国際演劇批評家協会(AICT)日本センターによる第14回AICT演劇評論賞に喜志哲雄氏『シェイクスピアのたくらみ』(岩波新書)、稲田奈緒美氏『土方巽 絶後の身体』(NHK出版)。第13回シアターアーツ賞は該当作なし。

第44回紀伊國屋演劇賞(主催/紀伊國屋書店)が12月18日発表。団体賞は流山児★事務所、個人賞の小劇場系では前川知大氏(イキウメ、本拠地・東京都目黒区)。賞金は団体賞200万円、個人賞50万円。

文化庁芸術祭賞が12月18日発表され、演劇部門大賞は関東が大滝秀治氏(劇団民藝『らくだ』演技)、関西は該当なし。小劇場系では青年団『東京ノート』、MONO特別企画『チェーホフを待ちながら』(有限会社キューカンパー)が優秀賞、桑原裕子氏が新人賞(KAKUTA『甘い丘』作・演出)。

名古屋市民芸術祭2009参加団体から選ばれる名古屋市民芸術祭賞に劇団あおきりみかん『占いホテル』、特別賞(アンサンブル賞)に試験管ベビー『罪なき子供のヒドイ毒』。

■サービス

郵便局会社東北支社がオリジナルフレーム切手「職業は寺山修司」を12月18日発売。80円切手×10枚で1,400円。限定1,700セット。