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新型インフルエンザの学校公演への影響について、最新状況を中日新聞12月21日付朝刊が伝えている。

日本児童・青少年演劇劇団協同組合加盟96団体のうち、報告のあった30団体だけで4~11月の公演中止500件・延期524件で、損害額は3億円以上。東海北陸支部の6団体では公演中止46件(損害額1,856万円)、延期110件(4,120万円)。朝から仕込みをしているのに本番直前にキャンセルされたり、来年2月の公演を早くも中止されたりしている。

学校公演の多い劇団うりんこ(本拠地・名古屋市)は、公式サイトに詳細を12月19日掲載。12月2日現在で49日間の公演中止・延期があり、約2千万円の損害。学校公演は5~6月と9~11月の5か月間に集中し、特に10~11月は公演が多いため、この時期のキャンセルは経済的打撃が大きく、「今後の劇団運営に頭を抱えこんでいる状態」としている。

学校公演の費用は保護者負担の場合が多く、学校が保護者にキャンセル料を請求することが困難な状態。だからといってカンパニー側も「当日の一本の電話で無下にされるようなことが続いたら、経営は成り立ちません」とし、芸術団体のみが泣き寝入りする現状に対して、文化芸術振興基本法の観点からも公演機会が補償される制度づくりが必要としている。

劇団うりんこサイト「新型インフルエンザによる学校公演への被害実体について」
http://www.urinko.jp/pg146.html