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財団法人セゾン文化財団の2006年度助成が3月13日決定した。合計158件の申請に対し、採択されたのは非公募5件を含む50件。助成総額は昨年度とほぼ同額の7,380万円だった。

芸術団体を3年間継続支援する国内プログラム「芸術創造活動I」(300万円×3年=900万円)の新規採択は、マレビトの会/特定非営利活動法人劇研(京都)、チェルフィッチュ(神奈川)の2件。前者は松田正隆氏の活動を劇場(アトリエ劇研)が支える。

「創造環境整備活動」の演劇関係では、in→dependent theatre(大阪)の「ロングランプロジェクト」(2005/12/17付本欄既報)が、「大阪の小劇場のロングラン公演の可能性を検証する事業」として採択された。制作者が演劇を変える特効薬がロングランであり、それに果敢に挑戦する同劇場グループと相内唯史プロデューサーが高く評価された。

高知演劇ネットワーク/演会(高知)が鳥取に移住した中島諒人氏(2006/4/30付本欄既報)を招いた共同創作、ARTizan(青森)の「芸術拠点創造プロジェクト」、2年連続採択となる京都芸術センター(京都)「演劇計画2006」(2005/11/28付本欄既報)、東京の6カンパニーが京都公演を行なう「TOKYOSCAPE」(京都)など、例年以上に地域の活動が目立つ内容となっている。注目の活動「芸術家のくすり箱」(東京)(2006/1/9付本欄既報)も新規採択を果たした。

fringeの「地域の制作者のための創造啓発ツアー」も採択された。詳細は特設ウェブログでお伝えしていく。

昨年度から新設の「サバティカル」(休暇・充電)(2004/9/10付本欄既報)は、3件の申請から水沼健氏(MONO、京都)の欧米・アジア視察に100万円助成される。アーツマネジメント留学・研修は、今回申請がなかった。

「国際交流活動」では、土田英生作品アメリカ上演に向けたMONO(京都)の戯曲翻訳推敲とワークショップが採択。同財団が重視する継続プロジェクト支援には、燐光群(東京)によるフィリピンとの演劇交流プログラム、コレオグラファー・中馬芳子氏による紛争地域のアーティストとの共同創造事業が新規採択。後者は指輪ホテル(東京)の上田茂プロデューサーが仕掛ける。

「芸術創造活動」演劇関係の詳細は次のとおり。

■芸術創造活動I
《新規》
マレビトの会/特定非営利活動法人劇研 (2006年度~2008年度)300万円/年度
チェルフィッチュ           (2006年度~2008年度)300万円/年度
《継続》
地点                 (2005年度~2007年度)300万円/年度
劇団、本谷有希子           (2005年度~2007年度)300万円/年度
■芸術創造活動II
《継続》
指輪ホテル              (2004年度~2006年度)300万円/年度

詳細は同サイト参照。