この記事は2010年1月に掲載されたものです。
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ヘッドライン2010年1月31日
■動静
つかこうへい氏(61歳)が肺がんで入院中であることを1月25日公表した。演出する『飛龍伝 2010ラストプリンセス』(2/3~2/21、東京・新橋演舞場、全国巡演あり)は予定どおり上演される。病院で稽古のビデオを見て指示を出していたという。
毎日jp「つかこうへい氏:肺がんで入院、『飛龍伝』は上演へ」
http://mainichi.jp/enta/photo/news/
20100125k0000e040077000c.html
劇団青年劇場顧問の演劇制作者・土方与平氏が、大腸がんのため1月21日亡くなった。82歳だった。青年劇場製作局長を約30年間務めた。築地小劇場創設者・土方与志氏の次男。
YOMIURI ONLINE「青年劇場顧問・土方与平さん死去」
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20100122-OYT1T01139.htm
アスミック・エース エンタテインメント+ネルケプランニング+講談社『NECK』(2/12~2/24、東京・青山円形劇場)に出演を予定していた板尾創路氏が体調不良で降板、代役は演出の河原雅彦氏が務める。
1980年旗揚げの第三エロチカは、30周年となる10年に解散することを明らかにしているが、そのスケジュールが正式発表された。3月に新作、9月~10月に『新宿八犬伝』の第五巻を25年ぶりに新作上演し、9月~11年2月には早稲田大学演劇博物館での解散記念展や記録誌発行も予定。
東京都歴史文化財団と東京都生活文化スポーツ局は、東京芸術劇場(東京・池袋)のチケットサービスサイトがサイト改竄ウイルス「Gumblar」亜種に感染し、不正ファイルがダウンロードされる状態だったことを1月21日発表。安全性が確認されるまで同サイトを一時閉鎖するとした。改竄期間は09年12月17日~10年1月19日で、この間のアクセス件数は23,181件。同サイトはホリプロが受託している。
新聞各紙の報道によると、横浜開港150周年記念事業の市民劇『DO-RA-MA YOKOHAMA150』が予算オーバーし、会場費や舞台技術会社・講師等への支払い約3,500万円が滞っている。全ステほぼ満員だったが、出演者数が150名から約400名に増え、協賛金も全く集まらなかったという。
カナロコ「横浜開港150周年の市民演劇、業者への支払い3500万円滞る/神奈川」
http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1001290007/
内閣府は、平成21年11月に調査した「文化に関する世論調査」結果を1月18日発表。演劇の直接鑑賞経験は10.5%、前回調査(平成15年11月)では「(プロの)演劇・演芸」という分類で12.9%だった。
■イベント
第20回下北沢演劇祭(主催/同実行委員会)が2月1日~28日に開催。10劇場で25団体が参加する。同演劇祭は90年の北沢タウンホール開館でスタート。当初は11月開催だったが、92年から現在の2月開催となった。
新国立劇場が2010/2011シーズンラインナップを1月15日発表。芸術監督が宮田慶子氏に交代する演劇部門では、日本に大きな影響を与えた海外戯曲4作品を新訳上演する「JAPAN MEETS… ─現代劇の系譜をひもとく─」を企画するほか、08年に演劇賞を総なめにした『焼肉ドラゴン』を再演。上演作品に関連した付帯イベント「マンスリー・プロジェクト」も実施する。
AI・HALL(兵庫県伊丹市)が60~90年代の戯曲を若手カンパニーに上演させる「現代演劇レトロスベクティヴ」を1月29日~3月14日に開催。今回は高泉淳子『学習図鑑』(87年遊◎機械/全自動シアター初演)を虚空旅団、如月小春『家、世の果ての……』(80年劇団綺畸初演)を極東退屈道場+水の会、山崎哲『エリアンの手記~中野富士見中学校事件~』(86年転位・21初演)を空の驛舎が上演。年3作ペースで続ける。
C.T.T.名古屋事務局が、2月19日~20日に三重県文化会館(津市)の協力で初めての三重試演会を開催。
■助成金
12月7日に開催された第1回事業仕分けに関する助成金フォーラムの記録が、国際舞台芸術交流センターサイトで公開されている。
新国立劇場(東京・初台)は、国からの10年度運営費交付金が事業仕分けの影響で約1億4,600万円削減され、約44億7,700万円になることを発表。上演経費やチケット代は変えず、管理部門中心に人件費削減などの合理化を進める。NHKニュースが1月15日伝えた。
平成22年度京都市芸術文化特別奨励者が1月22日発表。あごうさとし氏(WANDERING PARTY、本拠地・京都市)に奨励金300万円。ベルリンやエチオピアなどへの研究調査を予定。
■劇場・稽古場
東京都生活文化スポーツ局による稽古場施設「活動支援アートセンター」(仮称、東京・箱崎)(2010/1/15付本欄既報)は「数か月単位のまとまった期間を低料金」で。稽古場以外に照明・音響を備えたスペース、利用団体の交流の場も設ける。4月から提供。
東京新聞TOKYO Web「日本橋にアート拠点 『けいこ場難民』都が支援」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010012390135240.html
建て替えの是非が議論されていた長野市民会館について、長野市は権堂地区への建設と基本構想案を1月8日発表した。音楽ホール(キャパ1,300~1,500名)、演劇ホール(300名)、リハーサル室、練習室などで15年4月オープン予定。
名古屋駅徒歩10分に、大和田忍氏(ザ・シャカリキ、本拠地・岐阜市)が代表を務める新劇場「名駅裏通スタジオ ナンジャーレ」が2月9日正式オープン。09年8月からワークショップ等でプレオープンしていたが、今後は公演でも使用される。
[googlemap lat=”35.173899″ lng=”136.87539″ width=”300px” height=”150px” zoom=”15″ type=”G_NORMAL_MAP”]名駅裏通スタジオ ナンジャーレ[/googlemap]
老朽化が進んで10年3月末で文化施設として用途廃止予定の滋賀会館(大津市)に対し、利用者らが耐震改修と再生を求める署名運動や提案を続けている。廃止条例案は09年12月定例県議会で継続審議となった。
asahi.com「存続揺れる滋賀会館」
http://mytown.asahi.com/shiga/news.php?k_id=26000001001290003
劇団四季が、福岡シティ劇場(福岡市)での公演を2月7日の『コーラスライン』千秋楽で休止することを1月26日発表。全国初の四季専用劇場だったが、動員状況が悪化していた。
■賞
舞台芸術ポータル「CoRich舞台芸術!」メンバーによる「CoRich舞台芸術アワード!2009」が1月8日発表(再集計により22日修正)。1位はままごと『わが星』。首都圏以外では8位と9位に三角フラスコ(本拠地・仙台市)がランクイン。
王子小劇場(東京・王子)上演作品を対象にした2009年度佐藤佐吉賞が1月21日発表。最優秀作品賞に菅間馬鈴薯堂『猫の墓―漱石の思い出―』。
■サービス
座・高円寺(東京・高円寺)が演劇資料室(アーカイブ)を09年12月から運営開始。日本劇作家協会の協力で戯曲・上演台本を約5,000冊を収集予定(現在1,200冊)。毎週土曜に閉架式で公開。