fringeは2001年2月22日にオープンしました。まだフリンジという言葉が一部の演劇人にしか知られていない時代でした。小劇場演劇のナレッジマネジメント、制作者を勇気づけることをミッションに、これからも活動を続けます。

Internet Archive「Wayback Machine」に保存されている最も古いfringeトップページのスクリーンショットを掲載しました。当時は掲示板やメーリングリストでの議論も盛んで、リンク先では当時の掲示板も一部読むことが出来ます。これを見ると現在に通じる内容もやりとりされており、とても感慨深いです。同じ議論が繰り返されることを思うと、アーカイブやナレッジマネジメントの重要性を痛感します。

Internet Archive「Wayback Machine」に保存されている内容は当時のもので、その後状況が変わったものもありますのでご注意ください。掲示板、メーリングリストは運用を終了しています。

25年続けた理由は、やはり類例のないサイトだからだと思います。演劇制作に関する情報を提供するサイトは増えましたが、その構造的課題を俯瞰し、立場を超えて実践的な提言を継続しているところは少ないと感じます。fringeの特長は「是々非々」とよく言われます。狭い演劇界では、どうしても利害関係で物事が進んでしまいますが、どんな対象にも客観的な評価を続けたことが、fringeの築いてきたことではないかと感じています。これからも明確な理由を示した上で、「是々非々」の発信を続けていきたいと思います。

演劇を「業」に出来る道筋を示すことはオープン時からの目標ですが、一方で日本独自の小劇場演劇が担っているインキュベーションの文化、特に最初から別の本業を持って演劇活動と両立させている地域の方々への支援を忘れた日はありません。私自身が関西での活動が長かったため、カンパニーの数だけ生き方があることは身に沁みています。そこには、東京の「専業」を目指す生き方とは別の道があります。fringeがコンテンツを無償提供し、地域発の話題を大きく取り上げるのは、地域で活動する演劇人にこそ届いてほしいからです。

長年変わらなかった小劇場演劇を巡る創造環境も、コロナ禍を契機にパラダイムシフトが起きました。待遇改善に伴う「業」としての議論、ハラスメントや子育ての対応など、先送りされてきた課題が顕在化しています。私は『シアターアーツ』69号(2025春号)(晩成書房、2025年)に「観客は演劇のステークホルダーになり得るのか」を寄稿しました。観客との関係性から課題を言語化し、ハラスメント防止ガイドラインの実効性、キャンセルカルチャー、チケット代高騰などについて踏み込んだ提言をしました。特にハラスメント事案では、アーティストの承認欲求に着目した具体的な経過措置を提言しています。ぜひご覧いただき、観客の方も交えて議論していただければと思います。

最後に、fringeは私、荻野達也おぎのたつやが運営する個人サイトです。よく組織の運営と間違われますが、私個人が無償で運営しているライフワークです。ご連絡いただく際は私宛にしていただくとうれしいです。

2026月2月23日
fringeプロデューサー/荻野達也