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大阪の8カンパニーと舞台監督(鈴木田竜二氏、永易健介氏)が管理運営する、大阪城ホール(大阪・京橋)内西倉庫を利用した倉庫+仮設劇場のウルトラマーケット(2004/1/22付本欄既報)。その柿落としとなった南河内万歳一座『二十世紀の退屈男』が、3月15日~21日の日程を無事終えた。1ステ80名限定だったこともあり、前売段階で全席完売となった。

防災上の理由で、広大な倉庫中央に六畳一間の舞台という変則的な空間だったが、読売新聞大阪本社版3月11日付夕刊は、「OMS(扇町ミュージアムスクエア)の客席にドンと立った〈二本の柱〉を巧みに劇空間に取り込んだ内藤(裕敬)にとって、逆にやりがいがあるのだろう」と好意的に伝えている。記事は「演劇を取り巻く環境を行政や企業、劇場だけの問題とせず、演劇人自身が整えていかなければならなくなった」とし、「表現方法も含め、なぜ演劇をやるのかを劇団はもう一度考えるべき時にきている」という内藤氏のコメントを紹介している。

財団法人大阪城ホールがサイトに3月14日掲載したリリースによると、この西倉庫は同ホールの開館以来20年間公開されておらず、今回が初めての公開となった。

ウルトラマーケットの次回使用は、5月17日~23日に南河内万歳一座+天下の台所改善隊プロデュース『日本三文オペラ~疾風馬鹿力篇~』が予定されている。1991年にF.W.F.実行委員会大テント興行としてJR片町駅構内特設テントで上演された、関西小劇場界の記念碑的作品である(2002/4/28付本欄参照)。新しい空間のお披露目にふさわしい演目である。

ウルトラマーケットサイト(南河内万歳一座サイト内)
http://www.banzai1za.jp/um/um1.html

大阪城ホールサイト「大阪城ホール『西倉庫』における関西演劇団体との取り組みについて」
http://ss7.inet-osaka.or.jp/~johall/schedule/minamikawatibannzai.htm