この記事は2017年12月に掲載されたものです。
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佐藤佐吉大演劇祭2018in北区「fringe創客賞」について
fringeでは、2018年2月21日〜4月1日に開催される「佐藤佐吉大演劇祭2018in北区」(主催/佐藤佐吉演劇祭実行委員会、共催/佐藤商事株式会社、公益財団法人北区文化振興財団)の参加団体を対象に、アワード「fringe創客賞」を提供します。
リアルな演劇祭のアワードと言えば、上演作品すべてを観劇して選考されるものですが、「佐藤佐吉大演劇祭2018in北区」は社会人にとって多忙な期末に、上演期間の短い公演が複数会場で平行してラインナップされ、一般の観客が全作品に足を運ぶのは物理的に不可能だと思われます。
そこで逆転の発想として、そんな社会人にも足を運びたいと思わせることの出来た公演の制作者に、「創客賞」を贈りたいと考えました。これから演劇祭までの数か月、fringeを運営する荻野達也自身が、実際に東京で生活する社会人の立場で「佐藤佐吉大演劇祭2018in北区」の情報にリアルタイムに接しながら、なにをきっかけに観たいと感じたのかを記録することで、評価させていただきたいと思います。
(名称)
fringe創客賞
(副賞)
現金5万円
(対象)
期末の多忙な時期に、演劇ファンではない社会人でも「観劇してみたい」と思う状況をつくることが出来た参加団体の制作者1名
(審査)
創客の観点から、新たな観客にいかに関心を持たせ、劇場に足を運んでもらうかに取り組んでいるかを評価。各作品の公演日程、話題づくり、広報宣伝などをリアルタイムでウォッチする。fringeが「時間を割いてでもぜひ観たい」と感じた作品を選定。作品本編は対象としないが、fringeが実際に観劇した場合は、当日運営も評価に加味する。
審査基準は非常に主観的ですが、なぜそう判断したのかは、以下の方法で可能な限り可視化に努めたいと思います。
(評価方法)
下記4項目を各25点満点の加点方式で評価。認識した段階で随時加点。
●企画内容 25点
⇒企画自体の魅力と、それが情報として発信されているかを評価。
●公演計画・票券 25点
⇒開演時間やチケット販売方法等で、いかに観劇のハードルを下げているかを評価。
●広報宣伝 25点
⇒チラシ・サイト・SNS等を使用した広報宣伝自体を評価。
●プロモーション 25点
⇒広報宣伝にとどまらないクチコミの創出、足を運ばせる仕掛けなどを評価。
作品本編は評価に一切含めません。実際に観劇して素晴らしい作品だったり、その逆だったとしても、評価には反映しません。芸術面の評価は他のアワードにお任せしたいと思います。ただし実際に観劇した際、当日運営で問題があった場合は、制作者に対するアワードとして見過ごせませんので、減点の対象とさせていただきます。
●当日運営 マイナス25点(最大)
⇒実際に観劇した際、問題があった場合のみ減点。
認識した段階で随時加点するため、カラオケの採点機能に似ていると思います。いつ・なにを認識したのかは、当サイト上でリポートし、グラフ表示することで可視化したいと思います。個人の主観によるアワードですので、私自身の好みや価値観の影響を受ける可能性はありますが、出来るだけ詳細な理由を明記し、理解を得られるようにしたいと思います。
公平性についても、例えばぬいぐるみハンターが王子・飛鳥山公園の能舞台(飛鳥山野外舞台)で初の現代劇を上演しますが、企画内容だけで考えると創客面ではこれが断トツの1位だと感じますが、企画内容を最大25点に抑えると共に、この圧倒的なアドバンテージをうまく情報発信出来なかった場合は、必要以上の加点をしません。地域から東京公演を行なうカンパニーも複数含まれますが、広報宣伝やプロモーションが不利になると考えず、逆に旅公演だからこそ出来ることで注目を集めれば、高く評価したいと思います。
このような形で、リアルタイムな関心度を記録していく試みは、前例がないのではないかと思います。「佐藤佐吉大演劇祭2018in北区」参加団体はもちろんですが、それ以外の演劇制作に関わる方々も、創客の参考にしていただけたらと思います。