この記事は2010年6月に掲載されたものです。
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ヘッドライン2010年6月13日
■動静
文部科学大臣及び文化庁長官の諮問機関である文化審議会総会に、文化政策部会が「審議経過報告」を6月7日報告。「文化省創設」も初めて明記された。文化庁はパブリックコメントを7月9日まで募集中。
朝日新聞東京本社版6月5日付朝刊によると、報告は政府が11年春に閣議決定する「文化芸術の振興に関する基本的な方針」第3次基本方針に反映されるが、文化政策を重視していた鳩山総理の辞任は痛手としている。鳩山首相の意向を受けた平田オリザ内閣官房参与の発言などに押され、報告の重点施策は「言い切りに近い強い表現」となったが、省庁再編が必要となる文化省創設、地方自治との兼ね合いがある劇場法(仮称)など、「実現は簡単ではない」としている。また、芸団協がビジョンをまとめた舞台芸術分野に比べ、他分野は具体策が乏しいとした。
asahi.com「文化『省』 格上げ提言 『首相交代、痛手』の声も」
http://www.asahi.com/culture/news_culture/TKY201006050182.html
日本劇作家協会は「東京都青少年の健全な育成に関する条例改定案に反対するアピール」を6月4日発表。性と暴力に関する表現の有害判断を条例で行なうべきではないとした。日本劇団協議会、日本新劇製作者協会、日本脚本家連盟、日本照明家協会、日本舞台音響家協会、日本シナリオ作家協会、パシフィッククリエイターズ・PaCPAと連名。日本舞台美術家協会、日本演劇教育連盟も後日加わった。
日本劇団協議会は5月24日、学校公演の契約書に「公演中止・延期の際は、キャンセル料は発生しないものとする」との条項を要望する学校側に対し、延期や次年度上演で対応すべきとして、契約書への明記は必要ないとする「お願い」文書を発表した。新型インフルエンザでキャンセルが相次いだことへの対応と思われる。
ナインティナイン・岡村隆史氏に小劇場系の劇作家らが戯曲提供したオムニバス一人芝居『二人前』(東京6/16~6/20=パルコ劇場、大阪7/2~7/4=梅田芸術劇場、主催/よしもとクリエイティブ・エージェンシー+フジテレビジョン、制作/ネルケプランニング)が、本人体調不良で6月5日延期発表。払い戻し。
ドラマティック・ライブステージ「IRIS」(6/1、さいたまスーパーアリーナ、主催/TBSほか)で大規模な発券ミス。スポーツニッポン東京本社版6月2日付によると、発売済みの最前列~9列目(約1,400席)を潰して巨大な花道を特設し、韓流ファンの怒りで暴動寸前になったという。振替席への移動で昼夜とも開演が約1時間遅れたほか、半額返金の方針に対して現場で全額返金したケースがあったため、該当する全員に全額返金を発表。
Sponichi Annex「買った席がない!アイリスイベントで暴動寸前!警察も出動」
http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2010/06/02/01.html
シアターΧ(東京・両国)の芸術監督兼プロデューサー・上田美佐子氏が、初のエッセイ集『曠野と演劇』(港の人)上梓。
『ぴあ中部版』(ぴあ)が6月3日発売号で休刊。日本経済新聞名古屋支社版6月11日付朝刊によると、1988年創刊で最盛期10万部を発行したが、最近は3万部程度に低迷。今後は月刊フリーペーパー「ぴあ×starcat東海版」を創刊して情報提供する。starcatは名古屋のケーブルテレビで、映画館も運営している。
■イベント
第17回BeSeTo演劇祭の関連企画「BeSeTo+」が、7月2日~16日に全プログラムのネット配信を実施。ポストパフォーマンストーク、インタビュー、ラウンドテーブル、公開討論などを中継。
第7回アトリエ劇研演劇祭(京都・下鴨)が6月13日~7月11日に開催。久々の日本公演となるディディエ・ガラスを、東京(主催/東京日仏学院)、静岡(Shizuoka春の芸術祭)以外で西日本唯一上演。同劇場・田辺剛ディレクターの代表作による日韓合同プロジェクト、同じく田辺氏の新作を空間再生事業 劇団GIGA(本拠地・福岡市)が上演。劇団GIGAは15周年で、この作品で12月に大阪公演も予定。
福岡・九州地域演劇祭が関連企画公開。「制作者のための予算立案講座『戯曲を読む、予算を立てる』」が8月17日・9月6日に予定されている。公式Twitterによると、プロモーションイベントとしてベロタクシーを使った移動ドラマリーディングを企画中。
8月3日~10月13日に王子小劇場(東京・王子)で開催される佐藤佐吉演劇祭2010の各賞・プロモーションイベント発表。劇評家・カトリヒデトシ氏が俳優1~5名に10万円を均等割りする「カトリヒデトシ賞」、Twitterで1,000ツイート/500フォロワー以上の3名を全演目招待する「つぶやく人招待」を新設。
■劇場・稽古場
NPO法人コンカリーニョが管理運営するあけぼのアート&コミュニティセンター(札幌・中島公園)に交流カフェ「給食堂bio」が6月9日オープン。
老朽化により3月末で文化施設として用途廃止した滋賀会館(大津市)に対し、アーティストらによる「滋賀会館の再生を願う会」が再生アイデア募集中。賞金あり。7月15日締切。
CHUNICHI Web「滋賀会館再生アイデアを 大津の市民団体が募集」
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100612/CK2010061202000003.html
■賞
平成21年度宮城県芸術選奨に絵永けい氏(劇団OCT/PASS)。
■サービス
08年から更新停止していたシアターフォーラムが再開。09年末に遡って更新している。