この記事は2011年2月に掲載されたものです。
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ヘッドライン2011年2月27日
■動静
文部科学大臣及び文化庁長官の諮問機関である文化審議会は、文化芸術振興基本法の具体的施策をまとめた「文化芸術の振興に関する基本的な方針」(第3次基本方針)を1月31日答申。2月8日閣議決定された。今後5年間(平成23年度~27年度)を見通し策定したもの。
与野党の対立により、NPO法人への寄付控除拡大や認定NPO法人制度改正を盛り込んだ新寄付税制、法人名称変更(特定非営利活動法人→市民活動法人)や会計基準に関するNPO法改正が成立するか微妙な情勢。「NPO/NGOに関する税・法人制度改革連絡会」が2月15日に緊急院内集会。
東宝出身で帝国劇場(東京・有楽町)支配人、博多座(福岡・川端)総支配人を歴任し、10年10月から北九州ソレイユホール(旧・九州厚生年金会館)館長に就任した小坂弘治氏が、胆のうがんのため2月18日逝去した。74歳だった。
asahi.com「元帝国劇場支配人の小坂弘治さん死去」
http://www.asahi.com/obituaries/update/0219/TKY201102190076.html
劇団平成商品(本拠地・札幌市)がスタッフのインフルエンザ感染により、2月4日~6日のサンピアザ劇場(札幌・厚別中央)公演で、2日目・3日目を中止。払い戻しで対応。
時間堂(本拠地・東京都北区)が、次回公演(3/30~4/10、東京・シアターKASSAI)の演目を外部提供の新作『歌え! カチューシャ 暁の歌』(作/谷賢一)から、既成の『廃墟』(作/三好十郎)に変更することを2月25日発表。戯曲創作が難航し、稽古に充分な時間が取れないため。これに伴い出演者も2名減。本番ギリギリまで遅筆の劇作家が少なくない演劇界で、初日1か月以上前の演目変更は極めてめずらしい。同カンパニー主宰で演出を務める黒澤世莉氏の勇気ある英断。
ぴあMOOK『ぴあホール・劇場・スタジアム 全国版』が2月18日発行。2年ぶりの改訂。
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■イベント
北海道演劇財団付属劇団TPS(シアタープロジェクトさっぽろ)が、同財団運営のシアターZOO(札幌・中島公園)で3月1日~27日に初の1か月ロングラン。「TPSレパートリーシアター」としてオリジナル3作品を日替わり再演。カンパニー制になって10周年の集大成。
ままごと『わが星』全国ツアーに、いわき芸術文化交流館アリオス(福島県いわき市)が追加決定。三鷹、津、名古屋、北九州、伊丹、いわきの全6都市。
名古屋で開催中の「日本のへそ演劇祭」(主催/同実行委員会)で、2月24日~3月13日にうりんこ劇場、七ツ寺共同スタジオ、名古屋市千種文化小劇場の連携による京都を紹介する3公演開始。KUNIO、田辺剛氏による七ツ寺プロデュース、ニットキャップシアターを上演。これに武豊町民会館、三重県文化会館を加えた5劇場7公演で「新春東海道演劇スタンプラリー」を開催。全公演制覇で5~8月の3公演チケプレの大盤振る舞い。
関西の女性劇作家が過去の名作戯曲に挑む期間限定Saccharin(サッカリン)が、2年ぶり2回目の公演。ドーンセンター(大阪・天満橋)第16回女性芸術劇場(2007/3/8付本欄既報)で、2月17日~23日に『その鉄塔に男たちはいるという』(作/土田英生)の女性版潤色『その鉄塔に女たちはいるという』(演出/土橋淳志)、同じ戯曲から発想した短編オムニバス『そのどこかに男たちはいたという』(演出/安武剛)を上演。遠坂百合子、棚瀬美幸、樋口ミユ、芳崎洋子、竜崎だいちの5氏が自ら出演。
第2劇場(本拠地・大阪市)が「3D演劇」と銘打ち、観客に立体メガネを配る『ウルウル7』(3/4~3/6、大阪・in→dependent theatre 2nd)。毎日新聞大阪本社版2月26日付夕刊によると、元々演劇は3Dだが、メガネと照明の組み合わせでより楽しめる内容にするという。
■助成金
日本芸術文化振興会は、平成23年度芸術文化振興基金・芸術創造活動特別推進事業への応募状況を1月28日発表。演劇分野はどちらも微減。
■劇場・稽古場
北海道旭川市唯一の民間劇場、シアターコア(キャパ約80名)が2月1日閉館。同劇場は01年に旭川ステージワークのアトリエとしてオープン、その後同カンパニーの分裂により劇工舎ルートが運営を引き継いだが、劇団員減少により維持が困難となった。北海道新聞2月26日付朝刊が伝えた。
全面改修計画中の京都会館(京都・岡崎)が、07年に京都市が導入した新景観政策の高さ制限に抵触するとして議論に。同劇場は1960年築で27.5メートルだが、規制では15メートルが上限。オペラハウスには吊り物機構等で約30メートル必要で、公共施設として特例にするか、岡崎地域の都市計画を変更するかなどを検討中。京都新聞2月18日付夕刊によると、これまで規制緩和が認められたのは京都大学医学部付属病院だけ。
京都新聞電子版「京都会館改修、高さどうなる 市は規制緩和検討」
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110218000097
浄土宗総本山・知恩院(京都・東山)に宿泊施設・和順会館が2月25日オープン。演劇に使用出来る和順ホール(キャパ240名)を備える。
■賞
2010年度国際交流基金地球市民賞(主催/国際交流基金)に特定非営利活動法人ダンスボックス(本拠地・神戸市)。1月19日発表。賞金200万円。
第32回松尾芸能賞(主催/松尾芸能振興財団)が2月22日発表。特別賞に渡辺美佐子氏。賞金30万円。
「CoRich舞台芸術まつり!2011春」の1次審査(ネット審査)結果が2月25日発表。94団体から10団体を選んだ。飲食店内にライブスペースがあるエビス駅前バーのプロデュース公演(東京)が進出。東京以外ではテノヒラサイズ(大阪)、万能グローブガラパゴスダイナモス(福岡)。
シアターZOO(札幌・中島公園)提携公演【Re:Z】で10年に上演された12本から最優秀を選ぶ【Re:Z】2010大賞に、yhs(本拠地・札幌市)『しんじゃうおへや』が2年連続受賞。賞金5万円と2011年札幌劇場祭参加権。2月10日発表。
第33回姫路市芸術文化賞大賞(主催/姫路市文化国際交流財団)に同市出身の鄭義信氏(劇作家、演出家)。
■サービス
シアターZOO入口に、売上金の一部を演劇振興に充てる全国初の清涼飲料水自販機が1月14日設置された。前述の「TPSレパートリーシアター」を支援するため。北海道キリンビバレッジが協力。
Doshin web(北海道新聞)「飲み物購入して道内演劇支援を 財団が自販機設置」
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/273052.html
ナイロン100℃(本拠地・東京都渋谷区)の印刷を手掛ける株式会社リトルウイング(東京都北区)が、演劇情報サイト「青山小劇場」をオープン。同社代表取締役の青山功氏による注目作品と団体・俳優のデータベース。網羅的な情報ポータルとは一線を画すセレクト情報となっている。
演劇集団キャラメルボックス(本拠地・中野区)が、周囲に公演を広め、チケットの受け渡しを行なう「キャラメルボックス・アンバサダー」を50名公募。観客10名以上を動員した場合は、謝礼金(通常公演で人数×500円)を支払う。
神奈川芸術劇場(KAAT、横浜・山下町)に演劇図書館「BOOKAAT」(ブッカート)が1月17日オープン。劇場スタッフが持ち寄った蔵書約1,000冊でスタート。観客以外も閲覧可能。年末年始以外無休。
三重県文化振興事業団は、25歳未満の学生対象に三重県文化会館(津市)の当日券を一律1,000円で販売する「キャンパスシート」を3月21日開始。開演20分前から先着順に発売。同時に学割対象を最後部だけから全席に拡大。
YOMIURI ONLINE「県文化会館 空席チケット一律1000円で販売」
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20110223-OYT8T00055.htm