私が目にした舞台芸術関連のチラシは、観劇歴を考えるとおよそ3万枚になると思う。気になったものは保存しているが、その中から特に「記憶に残る10枚」を選んだ。基準はチラシ自体の魅力で、作品内容とは直接関係ない。掲載は上演順。「CoRich舞台芸術!」にチラシ画像がある場合は、そちらへのリンクも掲載した。
商業劇場 博多座「めんたいぴりり」を見て感じたこと
テレビドラマ「めんたいぴりり」(原作:川原健)が舞台化された作品を福岡の商業劇場博多座でみてきました。
「めんたいぴりり」は実存する明太子製造・販売会社の創業者夫妻が、戦争を乗り越え、明太子を誕生させるまでの奮闘を描いた物語。2013年8月に福岡 ローカルで放送されたドラマは好評を博し、フジテレビ系列14局と韓国・釜山のKNNでも放送されたほか、第30回ATP賞、第51回ギャラクシー賞でそ れぞれ奨励賞を受賞、2014年8月にはDVDが発売されるなど、広く愛される作品となった。
http://natalie.mu/owarai/news/138786 より
芸術文化振興基金 7年間の都道府県別採択状況をみて
平成27年度の芸術文化振興基金の採択内定状況が公開されましたね。
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin/about/results.html
このうち、現代舞台芸術創造普及活動(演劇部門)の採択を東京・非東京にわけてグラフ化したものが、以下の表です。
棒グラフは内定額の総額 青線は非東京の件数ベースでの比率 ピンクは金額ベースでの比率です。
ビブリオバトルの手法を小劇場演劇のオススメに使えないだろうか、不確実な演劇のプレビュー記事より個人的な思いを込めたプレゼン合戦のほうが参考になるのでは
ビブリオバトルをご存知だろうか。2007年に京都大学の研究員だった谷口忠大氏(現・立命館大学情報理工学部准教授)によって考案され、その後各地に広がった「知的書評合戦」だ。自分が面白いと思った本を5分間プレゼンし合い、いちばん読みたくなった「チャンプ本」を投票で選ぶ。この模様はYouTubeで公開することが推奨されている。NHK BSプレミアム「このマンガいいね!BSオススメ夜話」も、ビブリオバトルに発想を得たのではないかと思う。
ジャストアイデアだが、ビブリオバトルの手法を小劇場演劇のオススメに使えないだろうか。ご承知のとおり、演劇のプレビュー記事というのは非常に難しい。これから上演する作品が面白いかどうかなんて、はっきり言って誰にもわからない。筆者が企画書や過去の経験に基づいた推測を語っているだけだ。演劇のプレビューなんてその程度の信頼性なのだから、だったら個人の思い入れたっぷりに「いまどのカンパニーを観るべきか」をプレゼンし合い、それでいちばん観たくなったカンパニーに足を運べばいいのではないかと思ったのだ。
福岡・福津市文化会館の指定管理者変更で考えさせられる、公共ホールでの芸術団体レジデント・フランチャイズの継続性
福岡の公益財団法人福津市文化振興財団が、福津市文化会館(カメリアホール)の2015年度からの指定管理者選定に敗れ、3月末で解散すると報じられている。新たな指定管理者はシダックス大新東ヒューマンサービス九州支店とのこと。カメリアは椿のことで、同じ名前のホールは全国に複数あるが、これは福岡の話である。
毎日新聞ニュースサイト「福津市文化振興財団:解散へ 『収入の道なく、組織の存続無理』 会館の指定管理者変更、大きな波紋 2団体も追随 /福岡」 ※要会員登録
http://mainichi.jp/area/fukuoka/news/20150109ddlk40040291000c.html
1990年前後のプロジェクト・ナビは、傑作が何本でも続くのではないかと思えた
fringe[ナレッジ]の連載「カンパニーを進化させ集客へと導く具体的な方法/(8)作品には出来・不出来があることを自覚し、潮目を読んで勝負する」で、「どんなカンパニーも傑作が3本続くことはまずありません」と書いた。
どんなに優れた劇作家・演出家であっても、同じ人物が戯曲と演出を続けていれば、どうしても作風は似通ってくる。もちろん一定のクオリティには仕上げてくるだろうが、連続して3本観ていると初見の感動は薄れ、毎回が傑作とは言えなくなってくる。一作ごとに新境地を開き、それまでにない挑戦を仕掛けてくる劇作家・演出家はそうはいない。ベテランになるほどそうだろう。なぜなら、作風を変えるということは、それまでに培った評価を失うことになりかねないからだ。観客はそのカンパニーの作品世界が好きで来ているわけなので、観客までをも失う可能性がある。そんなリスキーなことは、普通はしない。
地域でのロングラン|福岡で3劇団が3ヶ月続けて小劇場ロングラン公演
福岡で3つの劇団が10月、11月、12月と3ヶ月続けて小劇場ロングラン公演を行っています。
その3つの劇団は、それぞれ旗揚げから、5年目、10年目、15年目となっていて、若手・中堅・ベテランの劇団によるロングラン公演です。
東京では小劇場のロングラン公演は、日常的に行われていますが、東京以外の地域では珍しいと言っていいでしょう。
今さら聞けない、芸術文化振興基金の助成金について
国内最大の助成制度である芸術文化振興基金の募集案内が公開されました。
http://www.ntj.jac.go.jp/kikin/bosyuu_0.html
ジャンルやレベルによる区分けがあり、慣れてないと何がなんだかわからないでしょう。
そこで、大雑把に言いますと以下のように理解されるといいんじゃないでしょうか。
演劇ポスター・チラシを若手アーティストの発表の場にしよう
「制作者は媒体を有している」で書いたとおり、演劇ポスター・チラシは、それ自体一つのメディアだと思う。ポスターやチラシが宣伝媒体だという文字どおりの意味ではなく、そこに使用するビジュアルが、若手アーティストの発表の場に使えるという意味である。
6月の「劇作家大会」「佐藤佐吉演劇祭2014+」は地域の若いカンパニーの制作者もアンテナを伸ばしておく企画
地域の若いカンパニーの制作者は、6月の両企画に向けて、ひとつだけ仕事をしなければならないのではないかと思います。
それは、
・9年ぶりとなる「劇作家大会」(兵庫県)
・初となる同時多発型の「佐藤佐吉演劇祭2014+」(東京)
このうちのどちらか一つに、カンパニーの劇作家/演出家を送り込むべきだということです。