演劇の創客について考える/(12)2013年を契機に小劇場の集客は増加傾向にある

カテゴリー: 演劇の創客について考える | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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●分割掲載です。初めての方は(予告)から順にご覧ください。

小劇場の観客が増えているという話をよく耳にするようになりました。東京では集客の手応えを感じるという主宰もいますし、ロングランも普通に行なわれています。地域でもそれなりに集客が出来ているようで、興行的に失敗したという公演はあまり聞かなくなりました。

観客の動向に関する統計では、ぴあ総合研究所『ぴあライブ・エンタテインメント白書』が小劇場も対象にしたデータを取り続けています。本連載開始時の「(予告)fringeが『演劇の創客について考える』連載を始めます」で2011年までの数字をご紹介しましたが、12年からは業界関連団体の委託による非公開の調査となっていました。本当に小劇場の観客は戻ってきているのか、データの裏付けが欲しいと思っていたところ、昨秋『2015ライブ・エンタテインメント白書』が電子書籍として一般販売されました。14年の調査結果をまとめたものです。

ぴあサイト/ニュース一覧「ライブ・エンタテインメント市場規模は過去最高記録を3年連続で更新!~『2015 ライブ・エンタテインメント白書』が完成~」

高額な統計資料なのでデータの引用は避けますが、13年に小規模な演劇公演の公演回数・動員数が飛躍的に伸びています。14年も堅調な推移で、小劇場は活況と言えるのではないでしょうか。演劇の動員は11年が近年の底でしたが、14年はその1.6倍、小規模な公演に限ると1.8倍程度に拡大しているようです。2.5次元ミュージカルが要因かとも思いましたが、本統計でミュージカルは別に集計されていますので、ストレートプレイが純粋に伸びているのです。

全体のパイが増えているのなら、リピーターが一定数いたとしても、その牽引力で若い世代の観客も増えているはずです。彼らが観劇を〈卒業〉してしまわないうちに、創客の次なる手を打つべきでしょう。

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