この記事は2008年2月に掲載されたものです。
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私が選ぶ2007年ベストワン

カテゴリー: fringeのトピック以前 | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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社団法人日本劇団協議会広報委員会の依頼で、同協議会機関誌『join』60号特集「私が選ぶ2007年ベストワン」へ寄稿しました。3月31日発行予定です。

当然ながら、私が知り得る限られた範囲からの選択です。全国には、まだまだ素晴らしい作品が埋もれているかも知れません。

舞台 『神様の夜』KAKUTAと川上弘美+Friends
女優 羽場睦子 『カロリーの消費』サンプル
男優 川本裕之 『神様の夜』KAKUTAと川上弘美+Friends
演出家 桑原裕子 『神様の夜』KAKUTAと川上弘美+Friends
スタッフ 田中敏恵 『野鴨』(メジャーリーグ+庭劇団ペニノ)の美術
団体 鳥の劇場 利賀の再来とも言える地域に根ざした新しい演劇活動
戯曲 『繭文~放蕩ノ吊ラレ作家~』 赤澤ムック
ノンジャンル 宮城聰のSPAC芸術総監督就任に伴うク・ナウカ最終公演『奥州安達原』

『神様の夜』はこれが4演目。上演する短編を少しずつ変えながら、完成度が高まっています。今回はその集大成とも言えるものでした。

けれど、KAKUTA自体はまだ発展途上だと思います。最新作『目を見て嘘をつけ』は終盤の拙速感が残念でした(1月12日ソワレ)。せっかく濃厚な時間が流れているのですから、トークイベントなどやらずに、覚悟を決めて上演時間を長くしてもよかったのではないでしょうか。シアタートラムで上演した前2作(『北極星から十七つ先』『甘い丘』)と舞台美術の雰囲気(裏山などの高低感)が似通っているのも、ワクワク感を削いでいます。客演に頼らず、もっと本公演のクオリティを高めてほしいものです。

(参考)
私が選ぶ2005年ベストワン
私が選ぶ2006年ベストワン