上演中のスマホ・私語に対して前説はどうあるべきか(ツイートまとめ)

カテゴリー: フリンジのリフジン | 投稿日: | 投稿者:

●「fringe blog」は複数の筆者による執筆です。本記事の筆者は 荻野達也 です。

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上演中のスマホ、私語への対応について、これまで多くのツイートをしてきたが、参考となるよう主なものをまとめておきたい。新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」が登場してからは機内モードが推奨されるようになり、必ずしもこのとおりではなくなっているが、時計代わりに画面を光らせたり、連れの人に感想をしゃべるなど、注意喚起すべき点は多く残っていると思う。

無意識にスマホを触ってしまう人が多いのは、これはもう紛れもない事実で、触らない人のほうが少ないぐらいに考えたほうがよいと思う。高い倍率を勝ち抜いて観に来ているNODA・MAPのようなレアケースは除き、注意喚起する前説自体はこれからもなくせないだろう。だが、舞台芸術なら単なる注意ではなく、それ自体を作品の一部、あるいは前説自体がパフォーマンスとして成立するようなクオリティを見せるべきだと思う。それこそが当日運営スタッフの価値を高め、差別化にもつながるのではないだろうか。

(前説の必要性)

(前説の工夫)

この手法は少しずつ見かけるようになったが、まだまだ少ない。

このあと、fringe[ナレッジ]に自由にダウンロード・配布出来る「スマートフォンの電源の切り方」を掲載した。

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」で機内モードを推奨するなら、代わりに「時計代わりに見ないで」をセットで言うべきだろう。私の知る限り、これをいちばんしっかりアナウンスしているのが、ヨーロッパ企画である。

(当日運営スタッフに求めること)

(最後の前説から続けて開演を)

(参考になる事例)

なお、業務上どうしても着信を切れないという人への考えは、2001年から変わっていない。

携帯電話の規制については、緊急連絡が入る可能性のある職業への配慮から異論もある。しかし、劇場が地下にあって最初から圏外になっている場合はどうしようもないのだから、電波の届く劇場で切れないという主張は論拠が薄いように私は感じる。最も緊急性の高い連絡は人命に関わるものだが、果たして観劇中のその人しか対応出来ないという事態があるのだろうか。どんな組織であれ、必ず代わりの人材がいるはずではないだろうか。そうでないと、逆にその人が倒れたらその組織はどうなるのだろうと思う。

もし本当に一刻を争う立場にいるのなら、入場時に携帯電話を受付に預け、連絡があったら客席まで呼びに来てくれるよう依頼すればいい。客席で携帯が着信することを防げるなら、フロントスタッフは誰でも喜んで引き受けるはずだ。制作者にとって、客席の携帯電話ほど憎むべき存在はないからである。

(最後に)

演劇ライター・吉永美和子氏のツイートだが、私もその場に居合わせたときは同じ思いである。