小劇場演劇を観続けて30年近くになる。この間、小劇場を巡る環境は大きく変化したが、一方で全く変わっていないと感じるものがある。それは東京以外の公演日数の短さだ。1週間単位の公演が東京で定着したのに対し、それ以外の地域は週末の数日間が相変わらず多数を占めている。
本来、公演日数は誰もが気に留めているはずだ。長い準備を重ねてきた作品が数日しか上演されないこと自体が文化的損失で、その作品を世の中に問う機会を逃している。短期間での仕込み・バラシの繰り返しは、劇場やスタッフの経済的損失につながり、業界自体が成長していかない。手軽に公演を打てるのは小劇場演劇の特徴でもあるが、それに安住して縮小再生産を続けているのが、現在の地域の実情だと思う。