カテゴリー別アーカイブ: フリンジのリフジン

身内客には招待客も含まれる

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fringe[ナレッジ]で連載中の「カンパニーを進化させ集客へと導く具体的な方法」の第3回「ロビーでの面会を禁止する」について、Next Online「News-Headline」が補足として、身内客にはマスコミや劇場関係者などの招待客も含まれると書いている。

これはそのとおりで、「カンパニーを進化させ集客へと導く具体的な方法」は集客に苦しむ若いカンパニーのために書いているものなので割愛したが、知名度が上がってきたカンパニーでは終演後にロビーが招待客であふれていることがある。

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多様性がないと文化は育たない

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サラダボール主宰で、四国学院大学(香川県善通寺市)に今春出来た演劇コース(身体表現と舞台芸術マネジメント・メジャー)の助教を務めている西村和宏氏が、個人ブログで映画『ゴーストライター』が香川県で上演されていないことを嘆いていた。

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連載予告「カンパニーを進化させ集客へと導く具体的な方法」

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fringe[ナレッジ]では、これまで共通化したノウハウを掲載することを心掛けてきたが、最も現実的な課題である集客へのヒントになるべく、新しいシリーズとして、個人的な経験に裏打ちされた具体的な方法を[ナレッジ]に連載したいと思う。これまでの[ナレッジ]が「戦略」だとすれば、これは「戦術」に相当する。

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『これからのアートマネジメント “ソーシャル・シェア”への道』

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今年発行されたアーツマネジメント関係書でぜひ手元に置いておきたいのが、フィルムアート社の「Next Creator Book」シリーズ最新刊『これからのアートマネジメント “ソーシャル・シェア”への道』だ。

同シリーズでは、2009年に『キュレーターになる! アートを世に出す表現者』を紹介したが、今回はアーツマネジメントそのものを取り上げ、しかも舞台芸術の比重が高い。類書が現代美術に偏重しがちな中、異なるジャンル同士が理解し合える稀有な内容だ。アーツマネジメントの分野で、やっと美術と演劇が対等に語られるようにようになったかという感慨さえ覚える。中川真氏(大阪市立大学教授)が編者のためか、関西の事例も目立つ。

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「芸劇eyes」と公共ホールの役割について

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王子小劇場代表の玉山悟氏が、劇場公式ブログに「どうすればもっと安泰?」というタイトルで、東京芸術劇場が水天宮ピットで行なった芸劇eyes特別編「20年安泰。」について意見を書いた。これをTwitterで紹介したところ、いくつか意見のやりとりがあり、この機会に公共ホールと民間劇場の棲み分けについて改めて問題提起したく、Togetterでまとめさせていただいた。

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神奈川芸術劇場は震災時の自主事業中止について説明責任が足りないのではないか

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「東日本大震災における東京・神奈川の公演対応状況まとめ」を見ると、劇場の判断で大幅な公演中止となった事例がある。神奈川芸術劇場大スタジオの地点『kappa/或小説』がまさにそのケースだ。同劇場オープニングラインナップで、劇場主催による自主事業だ。3月15日に劇場が3月中の自主事業中止を発表したため、3月16日~21日の残り8ステージが中止となった。

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『演劇は仕事になるのか?─演劇の経済的側面とその未来』

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すごいタイトルの本が8月25日に出る。社団法人日本芸能実演家団体協議会(芸団協)・芸能文化振興部部長の米屋尚子氏による『演劇は仕事になるのか?─演劇の経済的側面とその未来』だ。

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「東日本大震災における東京・横浜の公演対応状況まとめ」をつくったわけ

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fringe[ケーススタディ]のコンテンツとして、「東日本大震災における東京・横浜の公演対応状況まとめ」を掲載した。今回の震災では、地震に加えて原発事故・計画停電など様々な要因が重なり、公演可否の判断が劇場・上演団体ごとに分かれた。この背景を知るには、公演関連の発表だけでなく、刻々と変わる社会情勢を併せて見る必要がある。また、時間の経過につれ、発信されたリリースやブログ自体が散逸する恐れもある。それらをまとめて概観出来るコンテンツを作成し、長く記録として残すのがfringeのミッションではないかと考えたのだ。

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意見募集したのなら、きちんとプロセスを踏んでほしい

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日本芸術文化振興会によると、「文化芸術活動への助成に係る新たな審査・評価等の仕組みの在り方について(報告書案)」に関する意見募集は合計141件だったそうだ。

このうち主な意見は、6月10日午前に開催された第9回研究会で配布された。報告書案について意見募集したのだから、本来なら意見を踏まえた議論が行なわれ、それを経てから報告書の最終まとめになると思うのだが、日本芸術文化振興会は「今後の取組の参考にさせていただきます」としただけで、そのまま6月10日付で報告書を完成させ、6月13日に公表した。このスケジュールでは、集まった意見を報告書にフィードバックすることを、最初から考えていなかったとしか思えない。

報告書をまとめるのは日本芸術文化振興会なので、最終的に意見が反映されなくても、それは仕方がない。だが、意見募集したのなら、少なくともその吟味にそれなりの時間を割くのが募集する側の倫理だと思うが、いかがだろうか。主な意見を配布した第9回研究会と同じ6月10日付で報告書を公表すること自体が、意見募集に応じた人を無視することにならないだろうか。今回のような専門的な内容に対しては、文化行政に関心が高い人ほど熱心に意見を提出したはずだ。それを形式的に済ませては、そうした人に文化行政への不信感を招きかねない。

この日本版アーツカウンシル案の基になった、文化審議会文化政策部会の「審議経過報告」のパブリックコメント募集では、募集締切後1か月半をかけて意見をまとめ、そこから4か月以上かけてヒアリングや審議を重ね、答申に持っていっている(「審議経過」参照)。いくら時間がないとはいえ、今回の進め方はプロセスを欠いているのではないか。

今回のプロセスの是非について、文部科学省や文化庁に意見を送ることを提案する。メールの方法は、「文化庁の施策などに関する御意見・お問い合わせ」で紹介している。

日本版アーツカウンシル案が玉虫色になった背景を考える

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日本版アーツカウンシル案(日本芸術文化振興会「文化芸術活動への助成に係る新たな審査・評価等の仕組みの在り方について(報告書案)」)への様々な意見に目を通した。

具体的な提案内容に差異はあるが、多くの意見に共通していたのが、現状の審査委員(専門委員会→部会→運営委員会の3階層)には手を付けず、プログラムディレクター(PD)、プログラムオフィサー(PO)を追加する形になっていることへの疑問だった。PD・POは調査分析による情報提供等が専門で、決定権を全く持たないことが多くの批判を呼んでいる。地域への目配りがないことも批判を集めているが、それ以前の枠組み自体に問題があるように思えてならない。

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