作成者別アーカイブ: 荻野達也

『星野リゾートの事件簿 なぜ、お客様はもう一度来てくれたのか?』

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最近読んだサービス関係のビジネス書で、いちばん印象に残ったのがこれ。

マスコミで取り上げられることも多い星野リゾートの運営を、様々なスタッフの立場から描いたもので、『日経ベンチャー』(現『日経トップリーダー』、日経BP社)の連載をまとめたものだ。星野佳路社長はほとんど登場せず、たまに会議に参加したり、メールでアドバイスする程度である。現場のスタッフたちが、すべて自分で考え、自分で行動している。

顧客満足度をいかに上げるかという難問に対し、スタッフたちの悪戦苦闘が続くわけだが、中でも最初に収められているアルファリゾート・トマム索道部門のエピソードには感動する。スキー場のリフトやゴンドラを管理運営する索道部門が、それまでの業務と全く異なる「雲海テラス」を始めるまでを綴ったもので、ゴンドラ整備で接客経験のなかった男たちがカフェ研修を積む有様は、胸が熱くなる。

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京都国際舞台芸術祭2010実行委員会事務局はインターンにどんな指導をしているのだろう

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掲示板などに無差別に募集告知を書き込む行為については、以前「近松賞募集のマルチポストに思う」で尼崎市ちかまつ・文化振興課について書いた。ネットでの告知については、手軽で費用もかからない反面、やり方を間違えると相手の心象を損ない、告知内容そのもののイメージダウンになってしまう。それだけに担当者のリテラシーが問われるところだが、最近びっくりする事例を見た。

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札幌市の市民評価(事業仕分け)パブリックコメントが本日締切

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札幌市が、6月に行なった市民評価(事業仕分け)に対するパブリックコメントを募集している。本日8月16日が締切で、演劇に直接関係するものでは舞台芸術創作活動支援事業費補助金ターミナルプラザことにPATOS、文化活動練習会場学校開放事業費が対象となっている。

この事業仕分けは分野ごとに学識経験者2名と市民4名が仕分け人を務めるもので、1事業あたり約45分で公開実施された。発言がそのまま議事録になっており、仕分け人がどんな印象や疑問を持っているか、行政(札幌市観光文化局文化部)がどんな考えを持っているかが非常によくわかる。他都市の演劇人も必見の内容だ。

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「図書館法や博物館法があるから劇場法(仮称)を」という例えはやめるべき

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早ければ今秋にも劇場法(仮称)が国会提出されると言われていた、その今秋が近づいている。本当に提出されるとしたら、私は時期尚早だと思う。

私自身は劇場法(仮称)が目指している考え方自体には賛成だが、それが演劇以外の舞台芸術分野や観客の合意形成に至っているとはまだ思えないし、劇場法(仮称)推進派が先例としてきた博物館法の対象となっている美術館がこのままでいいのかは、考えれば考えるほど疑問に感じる。

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あなたは「札幌ハプニング」を知っているか

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札幌で活動する街頭演劇パフォーマンス集団「札幌ハプニング」。地元では有名な存在だが、全国的にはあまり知られていないようなので、改めて紹介しておきたい。

札幌ハプニングは、札幌市教育文化会館が毎年8月に開催する「教文演劇フェスティバル」に集まった演劇人たちから生まれた企画で、2009年1月にスタートした。有志による企画だが、同会館事業課勤務の山下智博氏がディレクターを務め、同会館と協働する形になっている。演出は弦巻啓太氏(弦巻楽団主宰)が手掛けている。

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任意団体はいまこそ非営利法人格取得を真剣に考えるべき

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劇場法(仮称)を含めた新しい文化政策に対しては様々な意見が出ているが、支援制度を従来の赤字補填方式から、黒字を認めた事業そのものへの助成にシフトすることについては、反対する演劇人は誰もいないのではないかと思う。赤字を前提とした予算組みでは芸術団体の運営が不可能なわけで、これまでの助成制度は根底から覆ることになる。

芸術団体も喜んでばかりはいられない。黒字の事業にも助成されるとなると、年間収支がディスクロージャーされなければならない。そうでないと、公的資金による助成を受ける資格はないだろう。そのためには任意団体ではなく、法人格を取得して社会的責任を明確にすることが重要になる。任意団体でも正確な収支報告は不可能ではないが、契約行為が代表者の個人名義になり、代表者と団体の財産が曖昧になって、継続的な活動をする上で弊害が必ず生じてくる。

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魂を揺さぶられる追悼文

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ヘッドラインに岡本芳一氏とつかこうへい氏の訃報を掲載する日が来るとは、思ってもみなかった。お二人とも62歳で、一回り以上年上の蜷川幸雄氏の活躍を思うと、まだまだこれからだったのにと感じてしまう。ご冥福をお祈りする。

お二人への追悼文はネットでも多数目にするが、岡本氏に向けたものでは風琴工房の詩森ろばさんが書かれた「七夕の宵、どんどろ頌」、つか氏に向けたものでは観客のpeatさんが書かれた「つかさんのこと」に、魂を揺さぶられる思いがした。前者は故人と接点のある立場から、後者は純粋な観客の立場から語られるオマージュだ。

人の死について語るということは、遺された者がどう生きていくかの決意を語ることにほかならない。その思いが強いほど、故人は私たちの心の中で生き続ける。ネットをやっていて本当によかったと思えるのが、こういう文章に出会えたときだ。

マスコミに載った追悼文では、『週刊SPA!』7月27日号の連載に鴻上尚史氏が書いた「僕が、つかさんの作品から感じた悲鳴にも似た感情」が話題を呼んでいる。『熱海殺人事件』に対する独自の解釈を書いたものだ。一読の価値があると思う。

高校演劇がなんでもありなら、こういうときこそ審査対象に

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口蹄疫の感染拡大防止で開催が危ぶまれていた第34回全国高等学校総合文化祭は、予定どおり宮崎県全域で8月1日~5日に開催されることになった。その一方で、北海道高校文化連盟十勝支部が地元畜産業への影響を懸念し、同支部から参加予定だった7校91名の辞退を決定した。十勝は前回2000年に口蹄疫が発生したとき、宮崎と共に感染が確認された地域で、基幹産業である畜産業への思いは、都市部に住む人間の想像を遥かに超えたものだろう。様々な意見があるだろうが、そこで暮らす方々の気持ちを尊重しなければならないと思う。

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文化審議会パブリックコメント、締切延長しなければ悲惨な数字だった!?

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締切が7月23日に延長された文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に対する意見募集の動向を、企業メセナ協議会が詳細に追っている。

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優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業、芸術拠点形成事業の採択結果について

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文化庁から平成22年度「優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業」の採択結果が7月5日発表された。平成22年度芸術拠点形成事業の採択結果も発表されたが、こちらはいつ掲載されたのかわからない。PDFファイルをダウンロードしてプロパティを見ると、6月15日作成・6月21日更新になっているので、それ以降だろう。

芸術拠点形成事業は文化庁サイトのトップページに更新情報を掲載せず、ファイルだけを追加しているので、利用者が気づかないと思う。これまで助成事業の採択結果は、「芸術創造活動の振興」ページにある「文化芸術創造プラン」採択事業の中で紹介されてきた。それが今年度は各募集ページの見出し横にアップするようになった。掲出方法を変えるなら、きちんと案内すべきだろう。今回に限らず、文化庁サイトにはこうしたユーザビリティのなさが目立つ。本気で情報発信しようという意思があるのだろうか。文書をスキャンした巨大PDFファイルも散見されるし……。限られた職員で奮闘しているという話も耳にするが、もっと利用者のことを考えた更新をしていただきたい。

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