fringe[ナレッジ]の連載「カンパニーを進化させ集客へと導く具体的な方法/(8)作品には出来・不出来があることを自覚し、潮目を読んで勝負する」で、「どんなカンパニーも傑作が3本続くことはまずありません」と書いた。
どんなに優れた劇作家・演出家であっても、同じ人物が戯曲と演出を続けていれば、どうしても作風は似通ってくる。もちろん一定のクオリティには仕上げてくるだろうが、連続して3本観ていると初見の感動は薄れ、毎回が傑作とは言えなくなってくる。一作ごとに新境地を開き、それまでにない挑戦を仕掛けてくる劇作家・演出家はそうはいない。ベテランになるほどそうだろう。なぜなら、作風を変えるということは、それまでに培った評価を失うことになりかねないからだ。観客はそのカンパニーの作品世界が好きで来ているわけなので、観客までをも失う可能性がある。そんなリスキーなことは、普通はしない。