作成者別アーカイブ: 荻野達也

1990年前後のプロジェクト・ナビは、傑作が何本でも続くのではないかと思えた

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fringe[ナレッジ]の連載「カンパニーを進化させ集客へと導く具体的な方法/(8)作品には出来・不出来があることを自覚し、潮目を読んで勝負する」で、「どんなカンパニーも傑作が3本続くことはまずありません」と書いた。

どんなに優れた劇作家・演出家であっても、同じ人物が戯曲と演出を続けていれば、どうしても作風は似通ってくる。もちろん一定のクオリティには仕上げてくるだろうが、連続して3本観ていると初見の感動は薄れ、毎回が傑作とは言えなくなってくる。一作ごとに新境地を開き、それまでにない挑戦を仕掛けてくる劇作家・演出家はそうはいない。ベテランになるほどそうだろう。なぜなら、作風を変えるということは、それまでに培った評価を失うことになりかねないからだ。観客はそのカンパニーの作品世界が好きで来ているわけなので、観客までをも失う可能性がある。そんなリスキーなことは、普通はしない。

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演劇ポスター・チラシを若手アーティストの発表の場にしよう

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「制作者は媒体を有している」で書いたとおり、演劇ポスター・チラシは、それ自体一つのメディアだと思う。ポスターやチラシが宣伝媒体だという文字どおりの意味ではなく、そこに使用するビジュアルが、若手アーティストの発表の場に使えるという意味である。

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舞台芸術制作者オープンネットワークに期待すること

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2月14日に設立総会を開催して正式発足した舞台芸術制作者オープンネットワーク(ON-PAM)の活動が本格化している。各地での説明会、公開・非公開の様々なプログラムが企画され、会員のTwitterでも熱い思いが語られているようだ。ここで、私がON-PAMに期待することを書きたい。

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劇評サイト「クリティック・ライン・プロジェクト」が消えてしまった

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長谷部浩氏が主宰していた劇評サイト「クリティック・ライン・プロジェクト」(CLP)が削除されてしまった。同サイト内の「ポスト・パフォーマンス・トーク・プロジェクト」(PPTP)アーカイブも消えた。

サイトの更新は2006年3月で終了し、その後はCD-ROMで関係者に配布する措置をしたようだが、ネット上の劇評サイトは、ネット上で検索エンジンにヒットしてこそ存在意義があると思うので、残念でならない。テキストベースの劇評ならデータ量もわずかで、無料スペースに移植するなど、ネット上に残す方法はいくらでもあると思う。既存の劇評サイトにコンテンツを贈与してもよいと思う。著作権を有している方はぜひ検討してほしい。

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「TPAM in Yokohama」がより開かれた存在になるためには

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小劇場レビューマガジン「ワンダーランド」に、「TPAMエクスチェンジ『地域演劇』グループミーティングレポート」が4月10日掲載された。筆者は「イチゲキ」を運営している廣澤梓氏で、ワンダーランド編集部にも所属している。

「TPAMエクスチェンジ」は、2013年2月9日~17日に開催された「TPAM in Yokohama 2013」(国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2013)で企画された交流プログラムで、ブースを設けて情報発信を行なうものだ。2011まで「ブース・プレゼンテーション」、2012は「プレゼンテーション・プログラム」という名称で、TPAMスタート時から続いている基本形である。2013の特徴は、予約制のグループミーティングが設けられたこと、ファシリテーターを野村政之氏(こまばアゴラ劇場・青年団制作)が担当したことだ。このグループミーティングに対してのリポートである。

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第三舞台は変わらない。そして、変わり続ける。

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本日は第三舞台解散公演大楽。YouTubeに投稿されている「劇団第三舞台サウンドトラック vol.1~3 : Thaks The Third Stage」がすごい。ファンが作成したもので、よくぞここまでつくったなと思う。

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「支配人」から「プログラムディレクター」へ

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津あけぼの座の攻めの姿勢が目立つ。昨年11月に三重県文化会館と共同主催した、まちなか飲食店リーディング公演「M-PAD2011 おいしくてあたらしい料理と演劇のたのしみかた」が大盛況に終わったが、同じく11月に特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえとして認証され、新たなスタートを切った。NPO法人代表理事には津あけぼの座支配人の油田晃氏が就任し、同時に肩書をプログラムディレクターに改めた。3月に津市中心部にオープンする、2館目の津あけぼの座スクエアの運営も行なっていく。

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短すぎる公演日程や早すぎる開演時間の演劇は公共性がない(2)

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平田オリザ著『芸術立国論』(集英社、2001年)では、公共性という概念は「ある/ない」ではなく、「高い/低い」を問われるべきだとした。これは私もそのとおりだと思う。演劇や劇場について語るとき、当然「高い/低い」で考えるべきだろう。だが、具体的な一つ一つの公演日程や開演時間についてはどうなのか。「演劇の公共性」という概念が一人歩きをしてしまい、「公共性がある」ことを大前提にしていると、そこで思考停止になってしまわないか。こうした興行に関わる具体的な課題に関しては、「ある/ない」の視点で考えることも必要だと私は思う。

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短すぎる公演日程や早すぎる開演時間の演劇は公共性がない

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11月19日~20日に京都でNPO法人フリンジシアタープロジェクトと開催したラウンドテーブル&ケーススタディ「地域での小劇場ロングランをめざして」は、長期に渡るロングランというより、週末だけの公演が多い地域で、1日単位でいいから公演日数を延ばしていこうという思いを込めた企画だった。

京都で開催したのは、特に京阪神で公演日数の短縮が著しいと感じたからである。90年代は京阪神でも1週間単位の公演がめずらしくなかったが、最近は4日間程度で目立つ印象があり、千秋楽を月曜や火曜に設定するケースも限られている。

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「CoRich舞台芸術!」のクチコミはレビュアーごとの加重平均にすべき

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飲食店を探すとき、掲載店とクチコミの多さで「食べログ」を使うことが多い。そこで感じるのが評価の厳しさだ。5点満点だが、過去に利用して「これは4点台だろう」と思った店が3点台前半ということがよくある。それどころか、4点台はめったにお目にかからない。それもそのはずで、「点数について」を見ると4.0以上の店は全体の0.5%未満なのだ。3.0が「一般的な満足度のお店」、3.5になると「満足度の高いお店」「ほとんど失敗はしないでしょう」 になる。「食べログ」がこれだけ言い切れる背景には、意図的な点数操作を徹底的に排除したレビュアーごとの加重平均ロジックがある。

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